ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

職場の障害者虐待22.9%増 14年度、賃金不払いなど目立つ

2015年08月30日 14時56分09秒 | 障害者の自立

 職場の雇い主や上司から虐待を受けた障害者が2014年度は483人で、13年度の393人から22.9%増えたことが29日までに、厚生労働省のまとめで分かった。最も多かったのは賃金不払いなどの経済的虐待で、419人だった。

 増加の要因について厚労省は「障害者虐待防止法の周知が進んだ結果、相談件数が増え、潜在的な被害が報告されるようになった」と分析している。

 重複分も含め、虐待の種類別では、経済的虐待のほか、心理的虐待39人、身体的虐待23人。障害別の内訳は、知的障害が最多の362人で、身体障害67人、精神障害52人、発達障害11人だった。

 具体的には、知的障害のある女性が最低賃金を約600円下回る時給200円ほどで働かされていたケースや、上司に後ろから押されたり「脳みそが入ってないんじゃないか」と暴言を吐かれたりしたケースもあった。

 業種別では製造業が最も多かった。50人未満の事業所に被害者の約8割が集中しており、中小企業での発生が多いことが浮き彫りになった。厚労省は重複も含め、492件に対し是正勧告などの措置をした。

 一方、本人からの届け出や、家族や同僚が通報する対象となった人数も増加し、前年度比27.9%増の1276人。結果の公表は障害者虐待防止法に基づくもので、今回で3回目。

2015/8/29     日本経済新聞


障害者の雇用支援 就労マルシェ始まる

2015年08月30日 14時47分13秒 | 障害者の自立

 障害者の雇用拡大を目的にしたイベント「就労マルシェ」が二十八日、鈴鹿市江島台の市立体育館で始まり、企業の就職面接会や福祉事業所の製品販売コーナーに多くの人が訪れた。二十九日まで。

◆就職面接会や製品販売など

 市とハローワーク鈴鹿、福祉事業所などでつくる実行委員会が主催し、今年で三回目。面接会には製造業のほか金融、販売関連、サービス業など二十五社が参加し、就職を望む人たちが採用担当者の話に耳を傾けていた。

 このほか、市内の就労継続支援事業所などの説明会もあった。販売コーナーでは、福祉事業所で生産された野菜や海産物、工芸品などを買い求める人の姿がみられた。企業数社の面接を受けた鈴鹿市の男性(34)は、事業所通所からサービス業への就職を考えているといい、「自分の可能性を試したい。時間はかかりそうだが、多くの企業の情報を集めてじっくり決める」と話した。

 ハローワーク鈴鹿によると、管内(鈴鹿、亀山両市)の二〇一四年度の障害者雇用率は前年度より0・1ポイント高い1・93%。県内ではトップレベルだが、民間企業の法定雇用率の2%には及ばず、依然厳しい状況が続く。

 市の担当者は「一般市民にも多く来ていただき、障害者の就労促進や社会参加に理解を深めてもらえたら」と話した。二十九日は、障害者による製品の販売に加え、自助具の展示、大道芸や津軽三味線などのステージを予定。事業所で働く障害者がもてなすカフェコーナーもある。

会場に設けられた障害者雇用の面接ブース=鈴鹿市立体育館で

2015年8月29日      中日新聞


和歌山国体・全国障害者スポーツ大会

2015年08月30日 14時41分16秒 | 障害者の自立

体操・田中兄弟ら出場 県、選手団1317人を発表 /和歌山

 県は27日、来月開幕する和歌山国体と、10月の全国障害者スポーツ大会の県選手団名簿を発表した。 

 名簿には、ロンドン五輪レスリング銅メダリストの湯元進一選手(自衛隊体育学校)や、今年の全日本自転車選手権3冠の窪木一茂選手(県教育庁)など有力選手の名前も。会期前に行われる競技にも、ロンドン五輪に兄弟出場した体操の田中和仁(徳洲会)、佑典(コナミスポーツ&ライフ)の両選手らが出場する。

 県選手団の人数は、国体が特別競技の高校野球を含む全38競技で監督89人(前回48人)、選手801人(同389人)の計890人。障害者大会も全13競技に監督・役員143人(同40人)、選手284人(同37人)の計427人と、いずれも昨年の長崎国体から大幅に増えた。

 国体の正式競技は9月26日〜10月6日、県内の各会場や滋賀県の琵琶湖などで行われるが、水泳と体操、セーリングの3競技のみ会期前に実施する。バスケットボールも開会式直前の9月22日に始まる。最も早いのは体操で、6日から和歌山市のビッグホエールで行われる。障害者大会の日程は10月24〜26日の3日間。

毎日新聞 2015年08月28日 地方版

 


おおいた幸福考 第2部 共に生きる

2015年08月30日 14時34分36秒 | 障害者の自立

 「間違えたっていいんだよ。自信を持って、間違ってもいいから思い切りたたこう。音をいっぱい出して間違おうよ」
 雨上がり。風が吹き抜ける玖珠町日出生中学校の体育館で、瑞宝太鼓(長崎県雲仙市)の団員、高倉照一さん(34)は生徒たちにそう語り掛けた。
 障害の有無に関係なく、太鼓のリズムは生徒と団員との間を取り持ってきた。
 コンサート共演に向けた合宿中、体育館には卒業生の姿もあった。大学2年の中尾恵奈さん=東京都在住=は「(瑞宝の皆さんの)楽しそうに演奏する姿が好き。障害のことは頭の片隅にはあるけど、だからといって何も隔てるものはない」。メンバーとは電話や交流サイトでやりとりし、公演を見に行くなど今もつながっているという。
 瑞宝太鼓は知的障害者の職業訓練施設「長崎能力開発センター」のクラブ活動が始まり。太鼓が好きで仕方がないメンバーの声を受け、2001年にプロの太鼓集団として始動した。一打一打を打ち込み、努力を積み重ねて力をつけてきた。「パワフルだけど根にある優しさを感じる」(日出生中保護者)。演奏は心揺さぶるエンターテインメントとして国内外で反響を呼んでいる。
 8月上旬、雲仙市。稽古場の温度計は36度を指していた。サウナのような室内で練習に汗を流す団員たち。年間3分の1は公演に出掛け、プロとして日頃から体力づくりにも余念がない。体脂肪率を1桁に保っている団員もいる。
 高倉さんは言う。「太鼓がなかったら、佐世保の実家に戻って毎日職場に通うだけだっただろう。車の免許を取ることもなく、1人暮らしもできなかったと思う。太鼓を仕事にすることでいろんな人と出会って成長したし、できるようになったことがたくさんある」
 母体である社会福祉法人の方針は、施設ではなく普通の場所で普通の生活を目指すこと。瑞宝太鼓は障害者と地域の懸け橋としての役割も果たしている。一方、幾度も海外公演を成功させ、キャリアを積み重ねてきたが「障害者の舞台芸術はまだ認知されていない」と福岡心治朗事業所長。
 「始めたからにはパイオニアとしての責任がある。今の目標の一つは2020年の東京五輪・パラリンピックへの出演。大きな舞台で認めてもらうことで、まだ仕事としては成り立ちにくい障害者の舞台芸術の可能性、道筋を全国的に広げていきたい」

 瑞宝太鼓の夢は広がる。 ※この記事は、8月29日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。


2020年、パラリンピックがオリンピックの記録を超える!?

2015年08月30日 14時24分29秒 | 障害者の自立

ーー義足エンジニア・遠藤謙が見据える未来

テクノロジーにより、障害を持つ人たちの可能性が大きく拓かれるようになってきている。オリンピックと同じ年、同じ場所で開催されるパラリンピック。義足や義手を付けてこれに出場する選手たちの記録は年々向上しており、健常者の記録に追いつきそうな勢いだという。

義足を付けていることで、健常者よりも高いパフォーマンスを発揮することができる。そうなると、義足というものへの認識は変化してくるのではないだろうか。

途上国の人々とともに義足の開発に取り組み、義足開発によって得られたデータをリハビリやスポーツに応用しようとしている遠藤謙氏。MITメディア・ラボを卒業し、現在はソニーコンピュータサイエンス研究所に所属しながら、Xiborg(サイボーグ)という会社を経営している。

「技術によって障がい者や健常者といった境目をなくすことができる」

新宿360°大学で遠藤氏が語った義足の可能性を紹介する。

義足の開発への導いた恩師の言葉

私は現在、義足の研究や開発に取り組んでいます。いまは、身体のどこか一部に欠陥があると障がい者だと見られてしまいます。しかし、もし義足を付けた人が健常者よりも早く走ることができたらどうでしょう。障害者が“ヒーロー”になるかもしれません。

私がそんなことを考えるようになったきっかけに、あるロッククライマーの存在があります。

「世の中に障害者はいない。ただ、技術のほうに障害がある」

この言葉を放ったヒュー・ハーという登山家は山で事故に遭い両足を失いました。それでも自分の足で壁を登りたいと考えた彼は、自ら義肢を開発し、再び登山に挑戦します。その姿に感銘を受けた私は、彼の元で研究をしたいと強く思いました。

そこで私は、2ヵ月間かけて彼が在籍するMITのメディアラボを受験。無事に合格し、彼の元で研究を重ねました。卒業後の2012年、日本に帰国し、ソニーコンピュータサイエンス研究所に所属しながら、Xiborgという会社を経営しています。

モノだけではなくスキルも与える

私が取り組んでいる義足には、大きく3つの分類があります。「ロボット義足」と「安価な義足」、そして「競技用義足」です。義足を必要としている人は世界中にいて、その理由や目的によって適切な義足は異なります。

歩くということは地面を蹴るという能動的なアクションが必要になるため、モーターなどでその動作を補助できるよう、義足に技術が加えられることも今後はスタンダードになるはずだと考えています。ただ、ロボット義足は利用できる人も限られています。

たとえば途上国では安価な義足が必要になります。インドでは、あるNPOが貧困層の障がい者に向けて無料で義足を配っています。安価ではありますが性能が少し劣るため、私は現地のクリニックと協力し、彼らのニーズに合わせた義足を開発することになりました。

普段、エンジニアは患者と直接触れ合うことはほとんどありません。しかし、このインドのプロジェクトでは、「ただモノを与えるだけでなく、現地の人と一緒に制作し、エンジニアスキルを身に付けてもらいたい」という思いがありました。利用者と一緒に開発を進めたため、その過程で直接フィードバックをもらうことができました。これは、この上ないほど生きがいを感じる体験でした。

さらに共に開発し続けたことで、現地の利用者たちが自ら工夫してプロトタイプを作り始めたんです。この変化が起きたことは嬉しかったですね。一緒にモノづくりをしたことで、現地の人が当事者意識を持ち、結果エンジニアスキルの向上にもつながったのです。

小さなコミュニティの中ではありますが、現地の人々の生活を変える解決策が生まれた瞬間でした。これをスケールアップすることができれば、世界を変えていける。私はこうしたアプローチで、障がい者や健常者といった境目がなくなる世界を本気で目指しています。

健常者の記録に近づく、スポーツ用義足を開発

近年、パラリンピックのレベルはどんどん上がっています。走り幅跳びや100メートル走などで健常者の記録に近づく結果が出てきています。この背景には障がい者アスリートの身体能力の向上と、競技人口の増加があります。

2020年の東京オリンピックの頃には、もしかしたらパラリンピック選手のほうが良い結果を出すかもしれません。私が陸上選手の為末大やデザイナーの杉原行里と立ち上げたXiborgという会社は、バイオメカニクスを考慮した競技用義足の開発と、その義足に合わせた選手育成を行っています。

現状、体格の違う人たちが同じ義足を使って競技をしています。本来は自分の体重、走るピッチやストライドなどスタイルに合わせて義足を選ぶ必要があります。Xiborgでは実際に使う選手と一体となって開発することを心がけ、選手それぞれに合った義足を開発しています。

義足を使う場合、上から抑えこむようにして走らなければならず、健常者よりも体幹を鍛える必要があります。義足で走るためのトレーニングについては為末大が担当しています。今後は、Xiborgとして、東京オリンピックやパラリンピック、そしてスイスで開催されるロボット義足を付けた競技者が集うサイバスロンなどにも積極的に関わっていきたいと考えています。

義足開発の先に見える世界

義足の開発で培われた技術やノウハウは、リハビリの現場などにも活用することができます。私たちは現在、小さなリハビリ施設で、リハビリ用の機器にモーターモジュールを取り付け、最小限の力で歩くことをアシストする取り組みを行っています。

この取り組みはデータを貯めることによって、理学療法士のノウハウを可視化・蓄積する目的としています。義足は横展開が容易で、義足開発によって得られているノウハウはリハビリやスポーツなどに転用しやすくなっています。そのため、私は蓄積したノウハウをいかに実践まで持っていけるかを考えながら、日々研究しています。

日本では、健常者と障がい者は手帳の有無できっぱり分かれています。ただ、人は歳を重ねていけばどんどん歩けなくなっていきます。健常者であっても障がい者になる可能性もあります。私はこれから、障がい者と健常者の境目はグラデーションになってくると考えています。

私が開発している義足をはじめとしたウェアラブルデバイスは、健常者の上に新しい色をつけながら、障がい者の色を薄くする役割を担っているのだと考えています。将来、デバイスの着脱により互いの領域を行ったりきたりできるような社会の姿を見てみたいと思います。

グラデーションとなる障がい者と健常者の境目。テクノロジーを活用することで、人々がこれまで持っていた認識を変えていくことが可能になることがわかった。

ひとつの問題意識を追求していくことで、遠藤氏のように様々な領域へとアプローチしていくことができるようにもなる。

自分にとっての追求するべきテーマを見つけることができれば、より世界は広がっていくのかもしれない。

遠藤謙(えんどう・けん)
機械工学者、ロボット工学者。マサチューセッツ工科大学Ph.D。 バイオメカニクス、ロボット義足、発展途上国用義足、競技用義足の研究開発で著名。現在はソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエイトリサーチャー、株式会社Xiborg代表取締役、D-leg代表、See-D代表を務める。
 

2015年08月29日   現代ビジネス