宮城県は、身体障害者福祉施設「不忘園」(白石市)を村田町内に移転新築する社会福祉法人「県身体障害者福祉協会」(仙台市宮城野区)に対し、補助金8億円を交付する方針を固めた。老朽化した不忘園は県が2011年度、建て替え費用の県負担を条件に協会へ譲渡。9月3日開会の県議会9月定例会に、補助金を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提出する。
鉄筋コンクリート平屋の不忘園は白石市大鷹沢大町の県有地にあり、重度の身体障害者60人が治療や介護を受けながら暮らす。職員は51人。短期入所者(定員5人)も受け入れている。
1967年に県が「整肢不忘学園」として整備。2009年度に民間移譲の方針を決め、入所者受け入れや職員の雇用継続、建て替え費の補助などを条件に協会に建物を無償譲渡した。
協会は利用者の利便性向上のため、市街地に近い村田町沼辺の民有地を自費で購入。県の補助金で鉄筋コンクリート平屋、延べ床面積約4000平方メートルの建物を整備する。従来の相部屋を完全個室化し、多目的ホールや交流広場も設ける。
開園は17年4月を予定している。将来は地元の高齢者へのデイサービス提供などを手掛けるほか、災害時の福祉避難所としての活用も図りたいという。
移転に伴い名称変更も検討。協会は「入所者や職員が利用しやすい施設になるよう検討を重ねてきた。地元住民にも愛される、仙南の身体障害者のための拠点施設を目指す」と話す。
2015年08月27日 河北新報