ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者対応 一般避難所でも

2016年05月01日 03時44分52秒 | 障害者の自立

◎熊本学園大社会福祉学部・東教授

 災害時の障害者の避難にどう対応するべきか。自らも障害のある熊本学園大社会福祉学部の東俊裕教授に聞いた。
 -熊本学園大で障害者を受け入れた理由は。
 「東日本大震災の被災地で見た障害者の光景が脳裏にある。狭い避難所では車いすで動けず、トイレもままならない。発達障害の子どもがパニックになり、親が周囲から『連れ出してくれ』と言われた場面も。熊本でも同じだと思った」
 -障害者を受け入れる際に重要な点は。
 「スペースを確保すること。障害者は車いすで移動できないと暮らせない」
 -障害者施設などの福祉避難所だけでは対応できないのか。
 「熊本市内で障害者手帳を持つ人は約2万人。福祉避難所で全員を受け入れるのは無理。一般の避難所で対応する仕組みをつくらない限り、障害者が支援の網からこぼれる」
 -受け入れを広げるためには何が必要か。
 「避難所運営の課題をきちんと検討してマニュアルを作り、現場で訓練することが大事。行政が計画を立て、一般住民に伝えて認識してもらう必要がある。大震災後、熊本ではそれがほとんどできていなかった」

ひがし・としひろ 53年熊本県生まれ。中央大法学部卒。弁護士。内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長を経て12年7月~14年3月、内閣府障害者制度改革担当室長。15年4月から現職。第16回ありのまま自立大賞(14年)受賞者。

2016年04月30日  河北新報


障害者差別解消法/貧困の解消にもつなげて

2016年05月01日 03時32分55秒 | 障害者の自立

 障害者と健常者の共生を目指す障害者差別解消法が今月、施行された。法案の成立から約3年という準備期間がありながら、法に対する国民の理解は進んでいるとはいえず、地方自治体の対応も遅れている。政府は周知を徹底してほしい。
 同法は国や自治体、民間事業者に障害を理由にした不当な差別を禁止した。学校の受験や入学を拒否したり、保護者や介護者が一緒でないと入店を拒否したりするケースが不当差別に当たる。
 「合理的配慮」を義務付けたのも特徴だ。「負担が重過ぎない範囲で」との条件付きながら、障害者から要請があった場合、必要な措置を求めている。例えば、車いすの人のために段差がある場合にスロープで補助したり、点字や筆談で意思疎通を図ったりすることを意味するという。公的機関には法的義務、民間事業者には努力義務とした。
 障害者を特別扱いや優遇するのではなく、あくまで健常者と同様のサービスを受けるために必要な配慮とされる。ただ、あまりにも抽象的で、イメージしにくい。障害者側はどこまで配慮を求めたらいいのか、戸惑いが出るのでは。重荷を感じないような工夫が必要だろう。
 障害者の声をすくい上げ、実情に合った対策をどう導き出していくのか。地域全体で関わることが重要だろう。同法では国の出先機関、教育委員会、警察などが連携するネットワーク組織「障害者差別解消支援地域協議会」の設置が規定された。
 設置義務がないとはいえ、4月の施行前にできているのはわずか。特に都道府県と比べて市町村で出遅れが目立つ。仙台市の場合、「年度の早いうちに立ち上げたい」(障害企画課)という。
 山形県のように法施行に合わせて積極的な施策に取り組む自治体もある。企業で「心のバリアフリー推進員」(年400人)を育成する、全国初の試みだ。障害者への理解を広げる中心的な役割を期待するとともに、障害者雇用率アップも狙うという。
 障害者差別をうかがわせる一断面として、雇用率の低迷がある。宮城県では県内の労働者50人以上の企業の障害者雇用率(2015年)は1.79%で、2年連続で全国最下位となっている。
 県と宮城労働局は「みやぎ障害者雇用改善推進計画」を策定し、主要企業への要請活動や合同面接会などを企画している。こうした働き掛けの効果は限定的にならざるを得ず、山形県のような雇用率アップにつながる動機付けを考えていくべきだろう。
 障害者の貧困は深刻だ。慶応大の研究グループによると、4人に1人以上が貧困状態にあるという。健常者と比べるとほぼ倍の数字だ。先進国の中では高い部類に入り、健常者との格差も大きい。
 今回、同時に施行された改正障害者雇用促進法では、民間事業者に働きやすい職場をつくる配慮が義務付けられた。一連の法施行を契機に、障害者の就労を後押しする環境を整備してほしい。それが結果的に貧困の解消にもつながるはずだ。

2016年04月30日  河北新報


心の病、克服に一役=フットサルで「自信」-障害者サッカー

2016年05月01日 03時25分01秒 | 障害者の自立

 障害者サッカーの7団体が統合し、4月1日に「日本障がい者サッカー連盟」が発足した。7団体の一つ、日本ソーシャルフットボール協会は心の病で社会生活から遠ざかるなどした選手のチームを統括。2月末には精神障害者によるフットサルの国際大会を世界で初めて開催した。
 日本、ペルー、イタリアの各国代表と大阪選抜の4チームが出場した「第1回ソーシャルフットボール国際大会」。2月27、28の両日に堺市内で行われ、日本代表が優勝した。国内に精神障害者のフットサルチームは130以上。代表メンバー12人は昨秋の全国大会を通じ選考された。
 ほとんどが統合失調症や気分障害(うつ病など)と闘いながらフットサルに熱中。学生時代にサッカーに打ち込んだ人が多く、ドリブルやシュートの技術は高い。大会最優秀選手に輝いた日本代表の中島大輔選手(28)=グランゼーレ東北=は「思いもしなかったから、すごくうれしい」と声を弾ませた。
 中島選手は仙台市の高校でサッカーに励んでいたが、日々の生活の中で「負のサイクルが重なり、自信を持てなくなった」と振り返る。対人恐怖症にもなり、引きこもってしまった。フットサルと出合い、再びボールを蹴ることで「気持ちがほぐれた。仲間もでき、コミュニケーションを取れるようになった」。今は就労支援施設で月に15~20日ほど働いている。
 チームプレーがリハビリ効果をもたらし、国際大会の存在は大きなモチベーションになる。中島選手は「自信が湧いてきた。それが一番大きい」と目を輝かせた。

ソーシャルフットボール国際大会の決勝でプレーする日本代表の中島大輔選手(左)

 (2016/04/30)  時事通信


発達障害者 つらい避難所 物音、不規則な生活にパニック 行き場失い車中泊

2016年05月01日 03時23分16秒 | 障害者の自立

 最大で18万人余りが避難した熊本地震。なお多くの被災者が避難生活を強いられる中、物音や予定外の出来事などに過敏に反応する特性のある発達障害を抱える人たちが行き場を失っている。多くが避難所の環境に耐えられず、車中泊や知人を頼って移住を余儀なくされている。

 高機能自閉症の女性(27)は16日未明、熊本市の自宅で本震に見舞われた。散乱する落下物の中から布団と毛布だけを持ち出し、避難所へ身を寄せた。

 発達障害とは自閉症や注意欠如多動症、学習障害などのこと。うち、自閉症を含む「自閉スペクトラム(連続体)症」の特徴としては社会性の障害、コミュニケーションの障害(言葉の遅れ)、想像力の障害とそれに基づくこだわり行動がある。重い知的障害を伴う人から知的能力の高い人まで幅広く、聴覚や視覚、嗅覚、味覚などの知覚過敏や不器用など多様な特性も伴う。

 聴覚が過敏なこの女性にとって、避難所は地獄だった。話し声、いびき、子どもの泣き声。余震の度に周囲のスマートフォンから一斉に警報が鳴る。不規則な生活も耐え難かった。ころころと変わる食事の時間、いつ寝ていつ起きるのか、だらだらと過ぎる時間。間もなく激しい頭痛に襲われるようになった。

 避難4日目、女性はついにパニックを起こした。何をどうして良いのか分からない。心臓がドキドキし、うろうろと歩き回った。たまらず、所属する「熊本県発達障害当事者会Little bit」顧問で精神保健福祉士の山田裕一さんに電話した。「すぐにそこを出なさい」。当事者会の仲間の家に身を寄せた。頭痛はぴたっと治まった。

 別の熊本市の母親(50)は16日未明の本震後、知的障害を伴う自閉症の次男(22)と避難所へ向かった。

 着いて間もなく、次男は落ち着きを失った。爪をかみ、耳をふさぎ、ぴょんぴょんと跳びはねた。「ここは無理だ」。1時間で外へ出た。車中にこもった。

 熊本県内には各地に福祉避難所が設置されたが、この母親に福祉避難所という選択肢はなかった。「初めての場所に連れて行くときは、事前に写真を見せたりして、どんなところか分かった上でないと、行くのをひどく嫌がる」

 「5日間だけ頑張ろうね」。見通しが立たないことを嫌う次男にそう約束し、車中泊を続けた。幸い、日頃通う作業所が地震後も開いており、昼間は次男をそこへ預け、自分は自宅の片付けに没頭した。6日目、何とか約束を守って、帰宅できた。

 避難所などを巡り、発達障害者を支援している山田さんは「彼らはストレスがあってもそれを認識し、伝えることが難しい。周囲の理解も薄い。周りの方々は『非常時にわがまま』と切り捨てず、そういう特性の人もいると立ち止まって考えてほしい」と話した。


=2016/04/30付 西日本新聞朝刊=


タクシー 障害者も便利に

2016年05月01日 03時15分09秒 | 障害者の自立

 ◇ユニバーサルデザイン 鳥取で運行開始式

 「第27回日本パラ陸上競技選手権大会」の開催に合わせ、障害者や高齢者も乗り降りしやすい「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」の運行開始式が29日、鳥取空港(鳥取市)で行われた。

 UDタクシーには、スライドドアや足元のステップ、車内の手すりなどが設けられているほか、後部の扉を開けるとスロープが伸び、車いすやベビーカーの乗降も可能になっている。

 県は日本財団(東京)との共同事業で、2018年度までに県内各地で計約200台の導入を計画。同大会を前に第1弾として、車両操作などの研修を受けた県東部のタクシー事業者14社に各1台、計14台が導入された。

 この日の運行開始式ではテープカットなどが行われ、県ハイヤータクシー協会の船越克之会長は「お客様に喜んでもらうことが大切。運転手の研修を重ね、誰もが利用しやすいタクシーを目指したい」と意気込んでいた。

運行開始式でテープカットをする関係者ら(鳥取市の鳥取空港で)

運行開始式でテープカットをする関係者ら(鳥取市の鳥取空港で)

2016年04月30日 Copyright © The Yomiuri Shimbun