ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

18の春を泣かせない 障害者支援拠点オープン

2016年05月02日 03時32分34秒 | 障害者の自立

 宮城県塩釜市の社会福祉法人「あしたば福祉会」が同市栄町に整備していた障害者の生活介護事業所「あすなろ・さかえ」が開所した。塩釜など仙台東部2市3町の既存の生活介護事業所はいずれも定員を超えているのが現状。「あすなろ・さかえ」は、特に行き場が不足していた支援度の高い人たちを受け入れる。
 定員は、リハビリしたり創作活動したりする生活介護が20人、ショートステイが5人。対象は塩釜、多賀城、松島、七ケ浜、利府の2市3町の住民で、生活支援員7人、看護師1人のスタッフが支える。塩釜市今宮町であしたば福祉会が運営する生活介護事業所「あすなろ」のサテライト施設として位置付ける。
 金融機関の支店だった建物を取得し、改修。訓練作業室、浴室などを設けた。五つの個室は行動障害のある利用者向けの部屋、ショートステイの居室として使用する。建物は鉄骨2階で延べ床面積約317平方メートル。整備費は1億4300万円で、県と塩釜市からの補助を受けた。
 4月21日の開所式で大沼梅代理事長は「長年の夢をかなえることができた。特別支援学校を卒業した後の『18の春を泣かせない』をモットーに利用者を迎え入れたい」と話した。

生活介護事業所「あすなろ・さかえ」の開所式

2016年05月01日  河北新報



【熊本地震】介護に片付け、医療機器破損… 

2016年05月02日 03時17分48秒 | 障害者の自立

重度障害者の厳しい避難生活「この先どうなるのか」

 熊本地震で被災した重度障害者らが、厳しい避難生活を強いられている。生活する上で医療機器が欠かせず、体育館などの避難所への避難は難しいが、受け入れてくる病床は限られる。家族も介護に追われて自宅の片付けもままならず、生活を立て直すのが難しい。「この先どうなるのか」。長期化する避難生活に不安を抱える家族もおり、支援を訴えている。

介護に追われ自宅に帰れず

 集落の大半の民家が倒壊した熊本県益城町(ましきまち)の木山地区。集落にある団地の一室で30日、水田光子さん(53)が後片付けに追われていた。

 「自宅内の水槽が地震で割れ、今日やっと片付けに手をつけられた」。水田さんはこう語る。長女の愛生子(あいこ)さん(25)は、全身の筋肉が徐々に衰えていく難病「筋ジストロフィー」を患っており、地震後は県内の病院に入院した。ただ医師らは震災への対応に追われ、水田さんが身の回りの世話をするほかない状態が続いた。水田さんがようやく自宅に帰れたのは、地震発生から10日後だったという。

 愛生子さんは「早くいつもの生活をしたい。家に帰りたい」と訴えるが、水田さんが自宅の片付けに割ける時間は今も限られ、思うように進んでいない。水田さんは「娘は友人に会いたがっている。早く戻りたいと思ってはいるが…」と語る。

 ただ、たとえ退院できても、困難な状態は続くとみられる。愛生子さんは寝たきりで、睡眠時に呼吸が難しいため人工呼吸器が必要。地震の際は、夫の信一郎さん(52)が倒れてくる家具から愛生子さんを必死で守り、暗闇の中で機器を探して逃げた。

 幸い機器は無事で、一晩車中泊しただけで入院できる病院も見つかったが、自宅は断水などが続く。光子さんは「生活が安定せず、今後の介護への不安は正直ある」と顔を曇らせる。

退院を迫られるケースも

 さらなる苦境に立たされている重度障害者もいる。支援する「熊本小児在宅ケア・人工呼吸療法研究会」会長の緒方健一医師によると、熊本県内の病院には被災したところもあり、県内では受け入れてもらえずに他県の病院に移った障害者の被災者もいたという。

 一方、緊急性が高い患者に病床を空けるため、自宅療養が可能な患者は退院を余儀なくされることもある。しかし、自宅で使う医療機器が壊れているケースもみられ、緒方医師は「継続した生活支援を急ぐ必要がある」と訴えている。

【熊本地震】自宅で愛生子さんの医療機器を手入れする水田光子さん=30日、熊本県益城町(村本聡撮影)

自宅で愛生子さんの医療機器を手入れする水田光子さん

2016.4.30  産経ニュース


アンケート  「盲導犬理由に差別」が9割

2016年05月02日 03時08分03秒 | 障害者の自立

 盲導犬を理由に使用者の約9割が差別された経験がある−−。盲導犬育成と視覚障害者への歩行指導をする公益財団法人アイメイト協会(東京都練馬区)が3月に行った盲導犬現役使用者へのアンケートで、後を絶たない差別が明らかになった。

  アンケートは盲導犬使用者の実態を伝えることで、共生社会の実現を目的に実施された。同協会の盲導犬現役使用者259人のうち102人から回答を得た。

 アンケートでは、「盲導犬を理由に嫌な思いをしたことがあるか」の問いに、89.2%が「ある」と答えた。複数回答で差別について具体的に聞いたところ、差別を経験した場所として、居酒屋や喫茶店を含むレストランが78.9%と最も多く、ホテルや旅館といった宿泊施設(33.3%)、病院(20.0%)、タクシー(13.3%)が続いた。

 差別を経験した際の対応として、使用者の4分の3が「その場で説明し、理解を得る」ことを挙げた。その結果、理解不足の是正や居合わせた人のフォローなどにより、約7割が「入れるようになった」という。使用者も外出時は周囲への配慮として、盲導犬の身だしなみなどに注意を払っているという。

 盲導犬をはじめとした補助犬は、2002年施行の身体障害者補助犬法で公共施設や交通機関、飲食店や商業施設などでの受け入れが義務付けられている。だが、認知度は低く、依然として同伴拒否がある。4月1日には、障害を理由にした差別を禁じ、障害特性に対する合理的配慮を公的機関や民間事業者に求める「障害者差別解消法」が施行されている。

 差別を経験した際の対応として、使用者の4分の3が「その場で説明し、理解を得る」ことを挙げた。その結果、理解不足の是正や居合わせた人のフォローなどにより、約7割が「入れるようになった」という。使用者も外出時は周囲への配慮として、盲導犬の身だしなみなどに注意を払っているという。

 盲導犬をはじめとした補助犬は、2002年施行の身体障害者補助犬法で公共施設や交通機関、飲食店や商業施設などでの受け入れが義務付けられている。だが、認知度は低く、依然として同伴拒否がある。4月1日には、障害を理由にした差別を禁じ、障害特性に対する合理的配慮を公的機関や民間事業者に求める「障害者差別解消法」が施行されている。

 盲導犬とともに日々の買い物をする使用者=公益財団法人アイメイト協会提供

毎日新聞  2016年5月1日 東京朝刊

盲導犬、手の動きで意思疎通…全盲ろう男性

2016年05月02日 03時01分19秒 | 障害者の自立

 目が見えず耳も聞こえない門川紳一郎さん(51)(大阪市北区)が国内の「全盲ろう者」で初めて盲導犬の使用を認められた。盲導犬には口頭で指示を出すのが一般的だが、耳が聞こえない門川さんは発音が難しく、手による指示も併用して意思疎通が図れるよう、ともに訓練に励んできた。門川さんは「行動範囲が格段に広がった。同じ境遇の人たちに勇気や希望を与えられたら」と話す。(浅野友美)

■米国友人の姿

 「ストレート・ゴー」。4月中旬、大阪市内の歩道で、門川さんが手を前方に差し出して声を掛けると、雄のラブラドルレトリバー「ベイス」(2歳)がゆっくりと歩き出した。「スムーズに導いてくれます」。門川さんは笑顔を見せた。

 門川さんは生まれつき弱視で、光をかすかに感じる程度しかできない。中学1年の頃には幼少時の病気が原因で失聴した。1999年にNPO法人「視聴覚二重障害者福祉センターすまいる」を設立。同法人理事長として盲ろう者の支援活動に取り組んでいる。

 移動時には白杖はくじょうを用いるが、障害者のリハビリテーションを学ぶため米国に留学中の20歳代のとき、全盲ろうの友人が盲導犬と暮らす姿がずっと印象に残っていたという。自宅近くのJR大阪駅が大規模改修され、構内で迷うことが増え、盲導犬の使用を決意した。

■協会初の試み

 社会福祉法人「全国盲ろう者協会」(東京)によると、盲ろう者は全国に約1万4000人おり、多くは白杖や介助者を伴って移動している。門川さんの依頼を受けた盲導犬の育成団体「日本盲導犬協会」(同)も、全盲ろうの人向けの育成は経験がなかった。

 耳の障害のためよろけることがある門川さんを支えられるよう大柄なベイスをパートナーに選び、昨年5月から横浜市内の施設で訓練を開始。盲導犬には通常簡単な英語で命令を出すが、門川さんは発音が不明瞭でベイスが聞き間違える恐れがあり、手の動きで指示を伝える方法も覚えさせた。

■目標は大阪―東京

 今年2月からは門川さんとの共同訓練も実施。門川さんは犬と触れ合った経験がほとんどなく、当初はベイスの足を踏んでしまうのではと離れすぎていたが、訓練士の田中真司さん(34)の助言で近づくなどして次第に息が合うようになり、3月に盲導犬の使用認定を受けた。

 田中さんは「門川さんの意欲と、ベイスの献身的な姿勢があったから訓練を乗り越えられた」と振り返る。門川さんはベイスと東京まで移動するのが目標といい、「頑張れば生活を充実させられることを示していきたい」と話している。

全盲ろう者で初めて盲導犬使用が認められた門川さん(11日、大阪市天王寺区で)=横山就平撮影

全盲ろう者で初めて盲導犬使用が認められた門川さん(11日、大阪市天王寺区で)

2016年04月30日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

<当事者が語る>フジテレビ「ラヴソング」でドラマ化されたリアルな吃音(きつおん)

2016年05月02日 02時54分13秒 | 障害者の自立

青木英幸[発達障害を持つ社会活動家]

***

4月11日フジテレビで、月9枠新ドラマ「ラヴソング」が始まりました。当事者として興味深く見ることが出来ました。ドラマでは、ヒロインさくらが「吃音」(きつおん[どもること])という障害をリアルに演じていました。ドラマを見た一般視聴者にも吃音当事者にも大きな衝撃を与えたことでしょう。

吃音は、言葉をスムーズに発話することができない障害です。話すときに言葉を流暢に発話できなません。発話する最初に詰まってしまう「難発(なんぱつ)」、言葉を連続してしまう「連発(れんぱつ)」、言葉の途中で伸ばしてしまう「伸発(しんぱつ)」があります。

幼少期から小学生の間に症状が発生することが多いと現時点では説明されています。この幼少期から吃音の症状がある場合を「発達性吃音」としていますが、これが一般に言われる吃音です。5%くらいの子どもが吃音になり、大人になっても吃音が継続する人が1%いるとされています。[註]

「ラヴソング」の制作には、吃音当事者でもあり医師として活躍する吃音ドクターこと菊池良和氏、吃音者の当事者団体「全国言友会(げんゆうかい)連絡協議会」、国立障害者リハビリテーションセンターの坂田善政氏、吃音当事者の川端鈴笑氏、日本言語聴覚士協会など複数の団体や人間が監修や指導担当として参加しています。

【参考】<月9「ラヴソング」>なぜ臨床心理士・福山雅治は恋に落ちてはいけないのか

吃音者を演じる藤原さくらさんも当事者団体を訪問しているとのことで、これらの丁寧な事前取材や吃音への深い理解がドラマのリアルな演技に繋がっていることが分かります。筆者もドラマを見てあまりのリアルさに実体験のフラッシュバック(過去の体験を一瞬医師手思い出すこと)が起こり、リアルタイムに視聴することができなかったほどです。

<吃音で困ること 吃音者しかわからない悩み事>

ドラマでは「吃音者あるある」や「吃音者はこのようなことで困っている」、「こんな風に言われると嫌だな」という内容が取材をもとに克明に描かれています。

例えば、職場の同僚に挨拶ができない代わりにとびっきり可愛い笑顔で応対するシーン、お店や会社に電話をかける場合に苦労するシーン、電話での緊急通報ができないシーン、上手く会話が出来ないので友人と一緒にいても聞き役に徹するシーン、友人と同じ空間にいると会話に参加しなければならなくなるので煙草を吸うという理由で離脱する吃音者処世術シーン、これらは皆実際にあることなのです。

一般の人から見ると、こんなことで苦しんでいるの? 本当なの? と感じるかもしれません。

普通の人に吃音の大変さを伝えることはとても難しいことです。吃音者は突然、吃音スイッチがオンやオフになるのです。「あれ? なんでいつもスムーズに話しているのに今はこんな話し方なの? ふざけているの? バカにしているの? 遊んでいるの?」と思うかもしれないのです。

<吃音者は十人十色>

吃音の症状は吃音当事者によって十人十色です。「ラヴソング」でも公式ホームページに次のようなメッセージが書いてあります。

 「このドラマには、設定として吃音(きつおん)を持った人物が登場しています。ドラマの登場人物の性格、行動は、ストーリー上創作したものです。また吃音にはさまざまなタイプがありますので、吃音を持った人が全て登場人物のような吃音のタイプや、性格、行動をしているわけではありません。また、吃音があることにより学校や社会で困っている人もいます。もし、みなさんのまわりで話しづらそうにしている人がいたら、まず耳を傾けていただくなど、理解と配慮をお願いいたします。」

吃音者はその症状の現れ方や吃音の程度が異なります。よって吃音当事者同士でも吃音に対する向き合い方や吃音をどのように受け入れているかは異なって来るのです。

吃音があっても何の問題もなく社会生活を送っている人もいるので、吃音が障害だと言われることへ抵抗を感じる人もいます。

【参考】<障害者が健常者にカメラを向ける>「撮る・撮られる」の固定した関係が生み出す「差別の構造」を壊す

一般の人も吃音がある人にたいして「変な奴だな。しゃべり方おかしいな。コミュニケーション能力がないんじゃないの?」という評価を下す前に、どうすればお互いが働きやすくなるのだろうか?と双方向で考えて頂きたいと思います。

どうすれば合理的配慮ができるのかなどを話しあいながら歩み寄ることができる社会に変化していけば幸いです。

ドラマのみで吃音はこういうものなのかと立ち止まらずに、吃音にはこのような背景事情があったのかと知ってもらえるだけでも、そこから徐々に世の中は変化していくと思います。

ドラマ「ラヴソング」では、その当たりの事情も上手に描かれています。このドラマが多くの人が吃音を考えるきっかけになってもらえればと、当事者として願っています。

[註]国立障害者リハビリテーションセンター・吃音外来(http://www.rehab.go.jp/ri/kankaku/kituon/overview.html

mediagong(メディアゴン)  2016年05月01日