ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

『国会審議にALS患者の出席拒否』の真相と本質的な問題点

2016年05月14日 17時29分20秒 | 障害者の自立

本日は、どうしても伝えたいことがあります。
皆様、こちらのニュースはご存知でしょうか。

ALS患者の質疑拒否、自民・民進 主張に食い違い
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2771394.html

障害者支援法  審議にALS患者の出席拒否 与党が反対
http://mainichi.jp/articles/20160511/k00/00m/040/149000c

 

5/10に行なわれた衆議院の厚生労働委員会で、障害者支援法の審議にあたり、
当初参考人として質疑の場に立つはずだった、
ALS患者の日本ALS協会副会長 岡部宏生さんが
「答弁に時間がかかる」事を理由に出席を拒否されたというニュースです。

拒否をした側は「(岡部さんの健康状態を配慮し)答弁に耐えられるかどうかを
おもんばかった」と述べているようです。

現在拒否をした与党側と野党側とで意見が食い違っています。

一方、日本ALS協会から出された当日の陳述書全文です。

https://www.facebook.com/JapanALS/posts/464606603664207

http://www.alsjapan.org/-article-1117.html

 
 

以下、岡部さんのコメントを抜粋します。

「おはようございます。日本ALS協会の岡部宏生と申します。
本来であればここに座って、委員の先生方とお話をさせていただいているはずです。
冒頭のご挨拶として一言申し述べさせていただきます。

私はALSという神経難病の患者当事者で人工呼吸器をつけていますので、
コミュニケーションには特殊な方法を用いて通訳者を必要とします。
それでコミュニケーションに時間を要するという理由で、
今日の参考人として招致されたものを取り消されました。

障害者総合支援法の国会審議において、
障害者の参考人を拒否なさったわけです。

国会の場はまさに国民の貴重な時間と費用の極みだと認識しております。
その国民の中には私たち障害者も存在しています。
国会の、それも福祉に関する最も理解をしてくださるはずの厚生労働委員会において、
障害があることで排除されたことは、
深刻なこの国の在り様を示しているのではないでしょうか。

先に述べましたように、国会の場は国民の時間と認識していますので、
コミュニケーションに時間がかかることで議論が深まらないという懸念は
一見もっとものように聞こえますが、
少しの工夫があればほとんど問題はなく議論ができます。

但しそれには、長期間の訓練による通訳の技能が必要であること、
それはこの法案の内容にも直接関わっていることでもあり、
可能であればこの場において先生方にご覧いただきたかったと思います。

後ほど、委員会の事務局に具体的にその方法の一部を提出しますので、
今後の厚生労働委員会の審議の在り方について委員の先生方に
ご一考いただけますことを切に願っております。(以下略)」

 
 

岡部さんは、私が大変尊敬する先輩患者様の一人です。

岡部さんとは、昨年の2月にお会いして以来、さまざまなサポートをいただいております。
私がFC岐阜の社長を退任し、その後について悩んでいた時も、
東京から岐阜まで日帰りでお越しいただき、たっぷり3時間お話しました。
そんなバイタリティ溢れる岡部さんに、言われているような体力的な心配があったとは思えません。

私は事実が知りたくて、先ほど岡部さんと電話とメールで話しました。

以下が事実です。

『当初、本件の参考人陳述者は陳述内容から岡部副会長が適任との判断から、
参考人出席依頼(4月28日衆議院厚生労働委員会委員長より)を承諾し、
5月10日の委員会出席を準備予定しておりました。

その後、連休中日の5月2日に、民進党議員より
「委員会内で各政党の参考人に対する質疑に岡部副会長では
時間がかかり質疑が十分できないので別の人に代わって欲しい」
との意見があり、調整が難しいので、申し訳ないが常務理事に代わって欲しい
との要請がありました。

最終的に岡部副会長より
法案審議で当協会の意見陳述を優先することから
参考人変更を受け入れたい意向が示され、了承しました。

但し、参考人陳述者の選考において
看過できない障害者差別があると判断し、
10日の意見陳述の冒頭に岡部副会長のコメントを紹介しました。』

残念ながら、「時間がかかる」という理由で、岡部さんが参考人を外されたというのが事実です。
体力的な心配で参考人はむずかしいのではという話はあったが、
岡部さんは大丈夫ですから自分がやりますと答えたとのことです。

『これほど深刻な差別を受けた経験はなく、大変な問題だと感じました。』

岡部さんの弁ですが、全くその通りだと思います。これは差別です。

誰が拒否したという問題ではなく、障害者のコミュニケーションへの
理解があまりに乏しいことが問題だと思います。

例えば、先ほど岡部さんと電話したと書きましたが、
喋れないALS患者同士がどうやって電話するのでしょうか?想像できますか?

私の方は、私のわずかに出る声と一部口文字を秘書が通訳し、
岡部さんはヘルパーさんと口文字で会話して、
ヘルパーさんが我々に通訳してくれます。
このようにして、患者とのコミュニケーションを取るべく、
訓練をした介助者がいれば、ALS患者同士でも、電話にてコミュニケーションが取れるのです。

岡部さんの口文字は私から見たら神業です。
どれだけの時間と苦労をかけて築き上げたものか、想像がつきません。
私のiPadのタイプスピードよりはるかに速いです。

「時間がかかる」
そんなことは、我々患者が一番良くわかっています。

だからこそ岡部さんは努力を重ねて、今の口文字のスピードを会得されたのだと思います。
私も、症状の進行に合わせて最適なコミュニケーション法を模索してきました。
我々には伝えたい思いがあるからです。
好きでALSになったわけじゃない。
制約の中で、懸命に声をあげているのです。

岡部さんは、常にアクティブに全国を飛び回り、
ALS患者の同胞に希望を与えています。
そんな方の発言機会を奪っておいて、障害者支援法とは、不可思議でなりません。

もっと現実の現場を見てください。そして患者の声を聞いてください。
岡部さんの姿を拝見したことが、創業への道を後押ししました。
障害者だって社会の役に立ちたいし、そのために努力しています。
守られるだけでなく、守りたいものがあります。

健常者と障害者の前に人と人として、
たまには障害者の時間軸にお付き合いいただき、
時間をかけて話を聞いてください。
ちなみに、このブログを書くのに8時間かかりました。
障害者の時間軸とはそういうものです。

どうかご理解の程、よろしくお願いします。

私が創業を発表した同時刻に、応援してくれていた岡部さんに本件があったことに、
私の今後のミッションを考えさせられました。
障害者のバリアを少しでも除くお手伝いがしたいです。

私に対する岡部さんの応援コメント
http://japangiving.jp/project_report/1935

恩田聖敬

「ALSと共に働く。これまでも、これからも」
創業資金募ります!ご協力お願いします!
ALS患者 FC岐阜前社長 恩田聖敬
http://japangiving.jp/p/4071

オフィシャルサイト
https://ondasatoshi.com

(2016年05月13日 「片道切符社長のその後の目的地は?ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」より転載)


『国会審議にALS患者の出席拒否』の真相と本質的な問題点

2016年05月14日 17時29分20秒 | 障害者の自立

本日は、どうしても伝えたいことがあります。
皆様、こちらのニュースはご存知でしょうか。

ALS患者の質疑拒否、自民・民進 主張に食い違い
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2771394.html

障害者支援法  審議にALS患者の出席拒否 与党が反対
http://mainichi.jp/articles/20160511/k00/00m/040/149000c

 

5/10に行なわれた衆議院の厚生労働委員会で、障害者支援法の審議にあたり、
当初参考人として質疑の場に立つはずだった、
ALS患者の日本ALS協会副会長 岡部宏生さんが
「答弁に時間がかかる」事を理由に出席を拒否されたというニュースです。

拒否をした側は「(岡部さんの健康状態を配慮し)答弁に耐えられるかどうかを
おもんばかった」と述べているようです。

現在拒否をした与党側と野党側とで意見が食い違っています。

一方、日本ALS協会から出された当日の陳述書全文です。

https://www.facebook.com/JapanALS/posts/464606603664207

http://www.alsjapan.org/-article-1117.html

 
 

以下、岡部さんのコメントを抜粋します。

「おはようございます。日本ALS協会の岡部宏生と申します。
本来であればここに座って、委員の先生方とお話をさせていただいているはずです。
冒頭のご挨拶として一言申し述べさせていただきます。

私はALSという神経難病の患者当事者で人工呼吸器をつけていますので、
コミュニケーションには特殊な方法を用いて通訳者を必要とします。
それでコミュニケーションに時間を要するという理由で、
今日の参考人として招致されたものを取り消されました。

障害者総合支援法の国会審議において、
障害者の参考人を拒否なさったわけです。

国会の場はまさに国民の貴重な時間と費用の極みだと認識しております。
その国民の中には私たち障害者も存在しています。
国会の、それも福祉に関する最も理解をしてくださるはずの厚生労働委員会において、
障害があることで排除されたことは、
深刻なこの国の在り様を示しているのではないでしょうか。

先に述べましたように、国会の場は国民の時間と認識していますので、
コミュニケーションに時間がかかることで議論が深まらないという懸念は
一見もっとものように聞こえますが、
少しの工夫があればほとんど問題はなく議論ができます。

但しそれには、長期間の訓練による通訳の技能が必要であること、
それはこの法案の内容にも直接関わっていることでもあり、
可能であればこの場において先生方にご覧いただきたかったと思います。

後ほど、委員会の事務局に具体的にその方法の一部を提出しますので、
今後の厚生労働委員会の審議の在り方について委員の先生方に
ご一考いただけますことを切に願っております。(以下略)」

 
 

岡部さんは、私が大変尊敬する先輩患者様の一人です。

岡部さんとは、昨年の2月にお会いして以来、さまざまなサポートをいただいております。
私がFC岐阜の社長を退任し、その後について悩んでいた時も、
東京から岐阜まで日帰りでお越しいただき、たっぷり3時間お話しました。
そんなバイタリティ溢れる岡部さんに、言われているような体力的な心配があったとは思えません。

私は事実が知りたくて、先ほど岡部さんと電話とメールで話しました。

以下が事実です。

『当初、本件の参考人陳述者は陳述内容から岡部副会長が適任との判断から、
参考人出席依頼(4月28日衆議院厚生労働委員会委員長より)を承諾し、
5月10日の委員会出席を準備予定しておりました。

その後、連休中日の5月2日に、民進党議員より
「委員会内で各政党の参考人に対する質疑に岡部副会長では
時間がかかり質疑が十分できないので別の人に代わって欲しい」
との意見があり、調整が難しいので、申し訳ないが常務理事に代わって欲しい
との要請がありました。

最終的に岡部副会長より
法案審議で当協会の意見陳述を優先することから
参考人変更を受け入れたい意向が示され、了承しました。

但し、参考人陳述者の選考において
看過できない障害者差別があると判断し、
10日の意見陳述の冒頭に岡部副会長のコメントを紹介しました。』

残念ながら、「時間がかかる」という理由で、岡部さんが参考人を外されたというのが事実です。
体力的な心配で参考人はむずかしいのではという話はあったが、
岡部さんは大丈夫ですから自分がやりますと答えたとのことです。

『これほど深刻な差別を受けた経験はなく、大変な問題だと感じました。』

岡部さんの弁ですが、全くその通りだと思います。これは差別です。

誰が拒否したという問題ではなく、障害者のコミュニケーションへの
理解があまりに乏しいことが問題だと思います。

例えば、先ほど岡部さんと電話したと書きましたが、
喋れないALS患者同士がどうやって電話するのでしょうか?想像できますか?

私の方は、私のわずかに出る声と一部口文字を秘書が通訳し、
岡部さんはヘルパーさんと口文字で会話して、
ヘルパーさんが我々に通訳してくれます。
このようにして、患者とのコミュニケーションを取るべく、
訓練をした介助者がいれば、ALS患者同士でも、電話にてコミュニケーションが取れるのです。

岡部さんの口文字は私から見たら神業です。
どれだけの時間と苦労をかけて築き上げたものか、想像がつきません。
私のiPadのタイプスピードよりはるかに速いです。

「時間がかかる」
そんなことは、我々患者が一番良くわかっています。

だからこそ岡部さんは努力を重ねて、今の口文字のスピードを会得されたのだと思います。
私も、症状の進行に合わせて最適なコミュニケーション法を模索してきました。
我々には伝えたい思いがあるからです。
好きでALSになったわけじゃない。
制約の中で、懸命に声をあげているのです。

岡部さんは、常にアクティブに全国を飛び回り、
ALS患者の同胞に希望を与えています。
そんな方の発言機会を奪っておいて、障害者支援法とは、不可思議でなりません。

もっと現実の現場を見てください。そして患者の声を聞いてください。
岡部さんの姿を拝見したことが、創業への道を後押ししました。
障害者だって社会の役に立ちたいし、そのために努力しています。
守られるだけでなく、守りたいものがあります。

健常者と障害者の前に人と人として、
たまには障害者の時間軸にお付き合いいただき、
時間をかけて話を聞いてください。
ちなみに、このブログを書くのに8時間かかりました。
障害者の時間軸とはそういうものです。

どうかご理解の程、よろしくお願いします。

私が創業を発表した同時刻に、応援してくれていた岡部さんに本件があったことに、
私の今後のミッションを考えさせられました。
障害者のバリアを少しでも除くお手伝いがしたいです。

私に対する岡部さんの応援コメント
http://japangiving.jp/project_report/1935

恩田聖敬

「ALSと共に働く。これまでも、これからも」
創業資金募ります!ご協力お願いします!
ALS患者 FC岐阜前社長 恩田聖敬
http://japangiving.jp/p/4071

オフィシャルサイト
https://ondasatoshi.com

(2016年05月13日 「片道切符社長のその後の目的地は?ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」より転載)


JR松山駅周辺再開発 障害者団体など、県と市に要望書

2016年05月14日 17時16分58秒 | 障害者の自立

 JR松山駅と周辺の再開発事業で、障害の有無に関係なく利用しやすい施設整備を求め、障害者団体などでつくる「夢の松山駅を実現させよう」実行委員会(井谷重人委員長)が12日、施設のバリアフリー化などを求める要望書を愛媛県と松山市に提出した。
 実行委は愛媛障害フォーラム、松山市聴覚障害者協会など4団体で構成。要望書では、計画に障害者や高齢者、乳幼児の親などの声を反映させることのほか、駅構内などへの大型エレベーター設置やバリアフリー化▽電光掲示情報の充実▽利用しやすい多目的トイレの複数設置―などを求めている。昨年7月からのアンケートやタウンミーティングでの意見を集約した。
 市の会議室で井谷委員長が要望書と施設に関するより具体的な提言書を提出。意見交換で実行委側は、障害者や高齢者、重い荷物を持った人、自転車利用者、外国人など多様な立場の人に配慮した施設整備を訴えた。市松山駅周辺整備課の尾崎喜彦課長は「いろいろな意見を検討し市民と協力して進めたい」と話した。

【写真】松山駅と周辺整備に関する要望署を松山市の担当者に提出する井谷重人委員長(右から2人目)

2016年05月13日   愛媛新聞


JR松山駅周辺再開発 障害者団体など、県と市に要望書

2016年05月14日 17時16分58秒 | 障害者の自立

 JR松山駅と周辺の再開発事業で、障害の有無に関係なく利用しやすい施設整備を求め、障害者団体などでつくる「夢の松山駅を実現させよう」実行委員会(井谷重人委員長)が12日、施設のバリアフリー化などを求める要望書を愛媛県と松山市に提出した。
 実行委は愛媛障害フォーラム、松山市聴覚障害者協会など4団体で構成。要望書では、計画に障害者や高齢者、乳幼児の親などの声を反映させることのほか、駅構内などへの大型エレベーター設置やバリアフリー化▽電光掲示情報の充実▽利用しやすい多目的トイレの複数設置―などを求めている。昨年7月からのアンケートやタウンミーティングでの意見を集約した。
 市の会議室で井谷委員長が要望書と施設に関するより具体的な提言書を提出。意見交換で実行委側は、障害者や高齢者、重い荷物を持った人、自転車利用者、外国人など多様な立場の人に配慮した施設整備を訴えた。市松山駅周辺整備課の尾崎喜彦課長は「いろいろな意見を検討し市民と協力して進めたい」と話した。

【写真】松山駅と周辺整備に関する要望署を松山市の担当者に提出する井谷重人委員長(右から2人目)

2016年05月13日   愛媛新聞


障害者差別解消法施行 第2部・災害の時/上 情報得る仕組み必要

2016年05月14日 17時07分53秒 | 障害者の自立

 4月14日午後9時26分、鹿児島市小野町の県聴覚障害者協会。事務所で作業をしていた会長の寿福三男さんは揺れと、緊急地震速報を知らせるエリアメールの携帯電話の振動で地震に気づいた。耳の不自由な寿福さんは、情報を得ようとすぐにテレビをつけたが、詳しい内容はわからなかった。ニュースに字幕や手話通訳がなかったからだ。

  リアルタイムの情報はテレビやラジオで入手できるが、聴覚障害者の情報源は映像のあるテレビかインターネットだけだ。熊本地震の発生後、全日本ろうあ連盟はNHKや民間放送局、気象庁に対して、ニュースなどに手話通訳や字幕を付けるよう要請した。

 「最近はスマートフォンでも情報を得られるが、高齢者の中には扱えない人もいる。テレビに手話通訳があればわかりやすい」。寿福さんはそう話す。

 4月1日に施行した障害者差別解消法は、行政や民間企業に対して、障害者にとっての社会的障壁を過重負担のない範囲で取り除く「合理的配慮」を求めている。聴覚障害者が、障害のない人と同じように情報を得られる仕組みを構築しなければいけない。

 情報をどのように得るか−−。それは避難生活でも問題になる。川薩地区ろうあ協会会長の福元幸一さん(38)=薩摩川内市=は「避難所の食べ物などの配給では、聞こえる人より情報入手が遅れ、品切れになったりする不便がある」と話す。

 聴覚障害があるかどうかは外見だけではわからない。本人に直接確認しなければ、必要な情報が提供されないままになってしまう。全日本ろうあ連盟によると、熊本地震でも避難所での聴覚障害者への対応はスムーズにはいかなかったという。

 鹿児島県内での備えは大丈夫か。自治体の福祉担当者は「避難所で避難者一人一人の状況を聞き取るので、適切な対応ができる」と説明するが、ろうあ連盟は「100%できるということはない」と指摘する。寿福さんも「避難所に聴覚障害者がいるかを必ず確認できるかが課題」と懸念を示す。

 寿福さんらは今、手話通訳者らと協力し、身につけるだけで聴覚障害者や手話通訳者とわかるスカーフを広めたいと考えている。ただ、手話通訳ができる人の数は限られている。県視聴覚障害者情報センターによると、県身体障害者福祉協会に登録している手話通訳者らは155人(4月現在)。聴覚障害者が複数の避難所に分散すると対応できない可能性もある。

 福元さんは言う。「聴覚障害者も住んでいる所がバラバラだが、地域の避難所に一度集まった上で、最終的に集まると決めた場所に手話通訳を配置してもらえれば安心する」

 障害者差別解消法は、社会の在り方が障害を生み出しているという考えに基づいて作られた。災害時にも「社会的障壁」がない社会をどうつくるかが問われている。14日で熊本地震の発生から1カ月。当事者の声とともに考える

災害時に聴覚障害者や手話通訳者であることを示せるスカーフ。手話通訳者の手のマークは「I Love You」を表している

毎日新聞  2016年5月12日