ゴエモンのつぶやき

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障がい者に在宅就労を 沖縄県内初 支援事業所が来月開所

2017年08月06日 11時05分33秒 | 障害者の自立

 勤労意欲があっても外出が困難な障がい者に向けて、自宅で働く「在宅就労」に必要な知識や能力を向上させるための就労移行支援サービス事業所が1日、立ち上がった。在宅就労に特化した就労移行支援サービスの事業所が県内で認定されるのは初めて。来年4月からの改正障害者雇用推進法施行で、企業側の障がい者の法定雇用率が引き上げられる。障がい者の就労促進と企業側の人材確保に向けて、双方のニーズに応える新たな事業として注目される。

 事業所は「在宅就労事業団那覇 どこでもWork」で、県内で雇用対策事業などを取り組むケイオーパートナーズ(那覇市、富田治敏社長)が運営する。原則2年間の就労移行訓練は、利用者に住宅就労支援専用のパソコンを貸与し、パソコン訓練、就職活動訓練、ビジネスマナー訓練など基本訓練を実施する。その上でデータ入力やテープ起こし、伝票入力など実際に企業から受託した業務で、実践訓練を進める。

 実務訓練終了後は、在宅雇用での採用を実施している全国の企業に推薦し、企業と障がい者のマッチングも支援する。将来的には情報通信技術(ICT)で離島の方の支援も進める方向で検討している。

 ケイオーパートナーズの富田社長は「少しでも社会に出たいとか、自分で稼いでみたいと思っている人たちに機会を与えていきたい」と語った。就労支援を担当する喜屋武裕江事業開発室長は「企業の皆さんに定年まで守ってもらえるような力を付けるための就労支援をしていきたい」と語った。

 事業所は9月1日に那覇市与儀で開所する予定。ケイオーパートナーズでは、相談や無料体験を受け付けている。問い合わせは平日(祝日を除く)午前10時~午後4時30分まで。(電話)098(987)4335。

障がい者の在宅就労に特化した就労支援サービス事業所「在宅就労事業団那覇 どこでもWork」を立ち上げたケイオーパートナーズの富田治敏社長(左)と喜屋武裕江事業開発室長

2017年8月5日   琉球新報


京都市営地下鉄駅で視覚障害者が転落、大学生らが30秒で救出

2017年08月06日 10時57分39秒 | 障害者の自立

 京都市北区の市営地下鉄烏丸線北大路駅のホームで3日午後5時半ごろ、視覚障害者の男性(70)=同市右京区=が約1.3メートル下の線路に転落し、電車の到着が1分後に迫る中、ホームにいた乗客らが間一髪で救出したことが京都府警への取材で分かった。

 北署によると、転落に気付いた男子大学生がすぐに線路に飛び降りて男性を持ち上げ、ホームにいた数人が引き上げた。防犯カメラなどから、約30秒で救出したとみられる。男性は転落した際に左腕や背中に軽いけがを負ったが、命に別条はなかった。

 ホームには転落防止の柵は設置されておらず、当時は帰宅ラッシュで混雑していた。男性はぼんやり見える程度の視力で、「方向感覚が分からなくなった」と話しているという。

2017.8.4   産経ニュース


やまゆり園再建 暮らしの選択肢広げて

2017年08月06日 10時48分52秒 | 障害者の自立

 地域に多彩な生活の場を用意する契機としたい。障害者殺傷の現場となった相模原市の津久井やまゆり園の再建問題である。利用者自らが暮らしを選べるよう取り組んでこそ、事件を克服できよう。

 人里離れた閉鎖的な環境で集団生活を送るか。それとも、町中の開放的な環境で自立生活を送るか。どちらの人生を選びたいか。

 前者を好んで選ぶ人は、おそらくほとんどいないだろう。そんなふつうの感覚にしっかりと寄り添った結論といえよう。

 昨年七月の悲劇を受けて、津久井やまゆり園の再建のあり方について神奈川県障害者施策審議会の部会がまとめた提言である。

 現在地をふくめ、県内の幾つかの場所に、小規模な入所施設を分散して整備するべきだとしている。併せて、利用者が望めば、地域のグループホームやアパートなどでの自立した暮らしに移行できる仕組みづくりを求めている。

 神奈川県は当初、山あいの現在地に定員百人を超す同様の大規模施設を再建する構想を示した。障害があろうと、地域でふつうに生きる権利を保障されるという社会福祉の基本原理に反するとして、批判を浴びたのは当然だった。

 ノーマライゼーションと呼ばれるその理念は、一九五〇年代にデンマークの知的障害者の親の会が繰り広げた大規模施設の改善運動から生まれた。北欧諸国から世界に広がり、日本でも八〇年代からよく知られるようになった。

 その親の会が当時掲げたスローガンをほうふつさせる提言が、現代の神奈川県に対して出されたのである。そのこと自体が、日本の障害福祉がいかに立ち遅れているかを象徴的に物語っている。

 もちろん、大規模施設の再建を求めてきた津久井やまゆり園の利用者家族の反発も理解できる。

 殊に「親亡き後」を心配すればこそ、身の回りの介護から医療的ケアにいたるまで手厚い支援を期待したいに違いない。施設職員や地元住民と時間をかけて培ってきた信頼関係もあろう。

 けれども、利用者本人の気持ちは異なるかもしれない。地域から隔絶された場所で、集団として管理された画一的な生活を送り、どんな思いでいただろう。

 提言はだからこそ、利用者の思いを尊重して暮らしの場を決めるべきだと説く。意思を確かめる営みそのものが、犯人が意思疎通の図れない障害者を襲ったという事件を乗り越えることにも通じよう。神奈川県の針路に注目する。

2017年8月5日   中日スポーツ


優生思想の根を絶ちたい

2017年08月06日 10時41分28秒 | 障害者の自立

「共生集団」は能力が高い個体ばかりの「エリート集団」より存続する力が強い

 進化論と優生思想について書く。これまでにも一筆多論で取り上げたテーマだが、「何度でも書かなければならない」という思いが強くなった。

 相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害される事件が起きたのは、昨年の7月26日だった。

 殺人罪などで起訴された元職員の被告は、産経新聞の取材に手紙で応じた。

 「意思疎通がとれない人を安楽死させます」

 「最低限度の自立ができない人間を支援することは自然の法則に反する」

 文面から読み取れるのは障害者に対する強い差別意識だけだ。

 被告が自己正当化のよりどころとした「自然の法則」とは、チャールズ・ダーウィンが進化論の柱として提唱した自然選択(淘汰(とうた))説を指すのだろう。環境に適応する能力を獲得した生物が生き残り、適応できなかった生物は淘汰されていくという考えだ。

 自然選択を人為的に行い人類の進歩を促そうという発想から、19世紀の終わりに優生思想は生まれた。

 大規模かつ残虐に実行された人為的な淘汰が、ナチス・ドイツによるユダヤ人や障害者の大量殺戮(さつりく)である。重度の障害者を「安楽死させる」とした被告の差別思想も根は同じだ。

 相模原事件後、知的障害児の親の団体などからなる「全国手をつなぐ育成会連合会」には、被告の優生思想に共感、同調する内容の手紙やメールが寄せられたという。

 「あなたたちの子供は社会の役に全く立っていません。権利を主張する前にたくさんの税金を使ってしまっていることを謝ってください」

 優生思想は社会に深く浸透している。人権や倫理の観点から差別や偏見を否定しても、心の底に「障害者のいない社会が望ましい」という思いがある人もいるだろう。

 障害の有無や人種による差別の根を絶つには、優生思想こそが「自然の法則」に反することを明確に示さなければならない。

 「種の起源」の発刊(1859年)から100年余りを経た20世紀後半になって、自然選択説だけでは生物の進化が説明できないことが分かってきた。

 国立遺伝学研究所の太田朋子名誉教授は1973年に「分子進化のほぼ中立説」を発表した。DNAの変異のような分子レベルの進化では「生物の生存にとって少し不利な変異こそが重要だ」という。

 また、生存能力に個体差がある大腸菌に生き残り競争をさせると、能力が低いのに他者のおこぼれにあずかって生き残るグループが必ず現れる。働きアリの集団では「働かないアリ」の存在が社会の存続にとって不可欠であるという。

 さまざまな能力や特性を持つ個体からなる「共生集団」は、能力が高い個体ばかりの「エリート集団」より存続する力が強い。生存に不利な変異や生存能力が低い個体は、淘汰されるべき存在ではないのだ。

 重度の障害者は自立や社会参加が難しいが、彼らが生きること、社会が支えることで人類の存続力は高まる。「共に生きる」ことで、命はつながってきたのである。(論説委員)

2017.8.5     産経ニュース