ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

ぴーなっつ(5) 移動支援で積極的に

2017年08月29日 03時39分59秒 | 障害者の自立

 障害者の外出支援の一つに「移動支援」があります。移動支援は各市町村が行う「地域生活支援サービス」で、利用目的や時間数は市町村ごとで差があります。

 「移動支援」を利用している女性Yさん(39)は、軽度の知的障害者で、今まで家族以外と外出をしたことがありませんでした。初めて移動支援を利用して外出したとき、行く場所・食べる物・買う物など、全てのことを自分で決めなくてはならず、すごく悩み苦しんでいる様子でした。

 「選択する」ということをしてこなかった、させてもらえなかった障害者は多くいます。以前、NPO法人文福の八木勝自理事長が、施設から出てきた当初、自動販売機は選択肢が多すぎ、購入することができなかったと言っていたことを思い出しました。

 彼女を乗せ、車を走らせながら、私は飲食店の看板を片っ端から読み上げていきました。そして、とうとうYさんの目がキラリと光り、「あそこに行きたい!」と指さしました。ある日、おやつを食べにドーナツ屋に入るとトレーを持って十分近く悩み、購入。すごい勢いで食べた後に「はじめてドーナツ食べた」とぽつり言いました。Yさんは後に、自分で選んで食べたのが初めてだったと言いました。

 それから、どんどん彼女は積極的になりました。迎えに行くとメモを握り締めて飛び出てきて、今日やりたいこと、食べたい物、買いたい物がメモにいっぱい書かれるようになりました。

 移動支援を利用して一年後、今まで周りから勧められてもちゅうちょしていた「親元から離れて暮らす」ことを、Yさんは決意します。「移動支援を利用するようになって、自分もやればできることがわかった、自信がついた」と言いました。

 移動支援を通じての「自立支援」。ぴーなっつになって、大きな達成感を得た瞬間でした。 (代表 川添夏来)

移動支援の際にYさんが行きたい場所ややりたいことをまとめたメモ

2017年8月28日   中日新聞


24時間テレビの募金8億円の行き先

2017年08月29日 03時19分46秒 | 障害者の自立

夏の風物詩、24時間テレビが今年も放映された。初めてのランナー当日発表など、今年も何かと話題になっていた。私は以前に24時間テレビで集まる募金の使われ方について記事を書いたが、それから少し状況も変わっているようなので、募金の使途や体制などについて改めてまとめておきたい。

24時間テレビのHPを見ると、福祉、環境、災害援助の3つの分野に、「経費を一切差し引くことなく全額、支援活動に活用」しているとある。寄付金総額は39年間で総額365億円、ここ数年は東日本大震災のあった2011年を除くと9億円前後が集まっている。2016年は8億8748万円だ。日本のチャリティー業界において、かなり大規模な事例といえよう。

中身の詳細だが、メイン事業である福祉の支援については、以前は福祉車両の贈呈と、盲導犬などの身体障害者補助犬の啓発事業、図書館における障害者情報保障のための機器支援がメインだった。福祉車両は毎年250台前後を贈呈しており、金額にするとおそらく5億円ほど、募金総額の半額近くだと推察する。

これらに加えて、最近になって障害者スポーツが支援対象として新たに加わっている。スポーツ用義足やバスケットボール用車いすの贈呈などだ。それぞれ2014、2015年からスタートしており、東京2020パラリンピックの招致も一つのきっかけとなったと思われる。

次に環境については、各地で清掃活動を行い、寄付金による支援というよりボランティア参加の促進がメインのようだ。最後の災害援助については、東日本大震災の被災地支援のほか、鳥取県や熊本県、水害被害などへの義援金などの支援が目立つ。

24時間テレビ 40 チャリ Tシャツ 2017 紺 (サイズLL) 

24時間テレビの募金が何に使われているか、その支援内容を総じて考察すると、日本国内の古典的な(多くの人に知られている)社会問題に対する、古典的な(多くの福祉団体が行っている)支援方法を続けているという姿勢は変わらない。変化があったのは障害者スポーツの用具支援で、日本テレビがBS日テレで障害者スポーツ専門番組「ストロングポイント」を始めた知見などもいかされているのかもしれない。

さらに大きな変化でいうと、「公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会」という団体が2013年に設立されている点だ。公益法人として認定されることで、会計の透明化を図る意図があると思われる。これは大規模なチャリティー事業としては大きな前進といえよう。

とはいえ、組織概要をみると、法人の会長を含む理事陣はみな日本テレビ系列の役員や社員だ。適正な外部の視点が入るのか、公益事業の専門家の意見が反映されるのかは見えてこない。

以前に私は、広く社会に啓発する力を持つ24時間テレビだからこそできることとして、障害者福祉であれば、作業所の工賃向上に向けて努力している現場のマーケティング支援や、それらで販売されている高品質な商品をテレビで紹介するなどの支援策も提案したが、そういった取り組みはされていないようだ。

他にも、あくまで例えばの話だが、現在、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)が行なっている様々なパラリンピック支援事業の総額が年間約18億円で、そのうち競技団体の支援が半分弱だ。パラサポは2021年までの時限組織であることを表明しているが、2021年以降のパラスポーツ競技団体を支えるくらいの資金規模を24時間テレビは毎年集めていることになる。パラスポーツ支援であれば、最近取り組み始めている障害者スポーツの用具支援とも一貫性がある。

公益社団法人化したことで、公益事業が本業となったわけだから、その道のプロフェッショナルと協働するなど、募金の使い方についてもより工夫をしてもらいたいところだ。これは番組内容にも言えることで、障害のある方や子どもたちが出演しているのに、その演出方法のため障害者の方々のなかで評判があまり良くないという声も聞こえる。チャリティ番組として、番組企画そのものに当事者や支援の第一線の方々の意図や願いがより反映されることを願う。視聴率をあげるために番組編成のプロが切磋琢磨しているなら、社会的事業についてもその道のプロが知恵を絞ってつくりあげるべきではないだろうか。

BLOGOS    2017年08月27日


「障害とは」対話通じ課題解決 英国発の手法体験 日光で「セミナー」

2017年08月29日 03時11分13秒 | 障害者の自立

 障害者がファシリテーター(進行役)を務める対話型のグループワークを通じて障害について考え、差別などの問題解決に向けた行動につなげる「障害平等研修(DET)」のセミナーが二十六日、日光市大沢公民館であった。市民や福祉・行政関係者ら約七十人が参加し、英国発祥のDETの手法を体験した。

 同市のボランティア団体カンガルージャンプ(福冨泰宏代表)が、「地域のみんなで学ぼう!障害理解を地域で進めるために」と題して県内で初めて開いた。

 参加者は、バリアフリーの行き届かない商店の前にたたずむ車いすの女性の絵を見たり、健常者が少数となる逆さまの世界を描いたビデオを見たりして「障害とは何か、どこにあるのか」を話し合った。議論を深めて「障壁に気付かないことこそ障害」「違いを区別、差別する心」などと意見を出し合っていた。

 講師を務めたDETファシリテーター石川明代さんは「障害とは何か、と常に頭に置いて地域を見てほしい。障害を学ぶだけでなく、自ら課題を見つけて解決へと向かえることがこの研修の特徴」と訴えた。

 国内では三年前からDETを紹介するセミナーが開かれているという。

写真
車いすの女性の絵を見て意見を出し合う参加者
 
2017年8月28日   東京新聞

選手支えた心遣い 北海道マラソン、市民ボランティア4千人

2017年08月29日 03時06分10秒 | 障害者の自立

 約1万9千人のランナーが残暑の札幌を駆け抜けた27日の北海道マラソン2017(道陸協、北海道新聞社などでつくる組織委主催)。選手の走りを支えたのは総勢約4千人の市民ボランティアだ。今年は手話と外国語ができるボランティアも配置。幅広い役割を果たした裏方の奮闘を追った。

 手話と外国語のボランティアの配置はランナーからの要望を受けた初の試み。手話で計4人、外国語で計11人のボランティアが総合案内所や救護テントなどに待機し、聴覚障害者や外国人のランナーを案内したり、質問に対応したりした。聴覚障害者からトイレやゴールの場所を聞かれたという手話ボランティアの手塚敦子さん(45)=同市東区=は「緊張したけれど、お礼を言われてほっとした」と語った。

 ドンドン―。15キロ地点周辺では、「新川中央小和太鼓同好会」の計15人による和太鼓の音が響いた。同会は沿道からエールを送る「ランナー応援団」の参加10団体の一つで、新川中央小6年の大畑亮太君(11)は「頑張れという気持ちを込めて懸命にたたいた」とにっこり。

 各給水・給食所では、町内会や学校などの団体や個人の約2300人が、スポーツドリンクが入った紙コップなどを配った。東海大札幌キャンパス3年の岩崎隼斗さん(20)は「ゴール間近でつらいはずなのに感謝され、逆に元気をもらった」と声を弾ませた。

08/28   北海道新聞


余録 <時計の針の音がする…

2017年08月29日 03時01分37秒 | 障害者の自立

 <時計の針の音がする><洗濯機が作動する音>。そんな字幕が映し出される。韓国映画「きらめく拍手の音」は耳が不自由な人も楽しめるバリアフリーの映画だ▲苦労して育ててくれた父母はどちらも耳が聞こえない。両親の日常を、耳の聞こえる若い女性監督が追った。幼いころ両親から手話を習い、社会で言葉を学んだ。音の聞こえない世界とは--。映画を通して近づきたかったのだろう▲バリアフリーという言葉を盛んに聞く。一人の車いすの女性の存在を知った。10年前、東京・渋谷の温泉施設の爆発事故に巻き込まれた池田君江さんだ。飲食店に車いすでの入店を断られた経験がある。それでも勇気を出して近所の串かつ屋に行くと、従業員が段差のある場所で車いすを持ち上げてくれたという▲「建物の構造上はバリアーがあっても周りの少しの心があれば」。池田さんはNPO法人「ココロのバリアフリー計画」をつくった。障害者が飲食店に行きやすくなるよう、インターネットで店に関する情報を発信している▲心のバリアフリーとは何だろうか。映画のラストで家族はカラオケに行く。母が歌謡曲を歌い、父はタンバリンをたたく。楽しいひと時だ。こんな時、拍手をしても両親には聞こえない。手を高く上げひらひらさせれば、きらめくような拍手になる▲映画館を出ると、耳の不自由な女性と健常者の女性が手話で感想を語り合っていた。手話を習う人が増えているという。東京パラリンピック開幕まで3年を切った。

毎日新聞   2017年8月28日