ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

脳出血で倒れた山田太一氏 弱者の生きづらさを体験中

2017年08月19日 02時48分40秒 | 障害者の自立

『男たちの旅路』『岸辺のアルバム』『ふぞろいの林檎たち』──テレビ史に残る多くの名作ドラマを生み出してきた脚本家・山田太一氏(83)。山田氏はこの1月に脳出血で倒れ、6月に退院したものの「もう脚本家として原稿が書ける状態ではない」「社会的には“弱者”になったのかもしれません」と語る。現在は右足をひきずった状態のため、「危ない」とひとりで散歩に出ることも許されていない。自分を“弱者”と表現する山田氏は、過去のある作品を強く思い出すという。

 数ある山田作品のなかでも、身体障害者や高齢者を取り上げ、大きな話題を呼んだのが『男たちの旅路』(NHK)だ。鶴田浩二が特攻隊の生き残りの男気あふれるガードマン・吉岡晋太郎を、水谷豊が戦後生まれの軽薄な同僚・杉本陽平を演じた。

 世代や個人で考え方の違うテーマを扱った人間ドラマで、1976年から1982年にかけて4部に分けて放送された。

 第4部第3話の『車輪の一歩』(1979年11月放送)では、車椅子生活をする障害者の若者たちが置かれた厳しい現実を描いた。車椅子の青年が性風俗店に入ろうとして入店を断わられ、親の前で号泣するシーンが鮮烈な印象を残した。その青年に吉岡は優しくこう諭す。

〈今の私はむしろ、君たちに、迷惑をかけることを恐れるな、と言いたいような気がしている〉

“人に迷惑をかけない”という世間のルールを守ろうとするから、卑屈になる。自分が特別であることを認め、胸を張って他者に迷惑をかけるべきだと説いたのである。

 放送当時は「バリアフリー」という言葉もなかった時代。この回は大きな反響を呼んだ。

「ドラマ放映の後、大阪の地下鉄の駅に日本初のバリアフリーの設備ができたんです(1980年11月)。それからは駅以外の公共の場でもバリアフリー化が進みました。少しは社会貢献できたかな、とも思いますが、今では障害者のサポートは駅員などの“仕事”となり、健常者は無関心になって、“我々の知ったことじゃない”となってしまった気がします。それは高齢者も同じだと思うのです」

 同作品の第3部第1話『シルバー・シート』(1977年11月放送)では、仲間が孤独死したことに衝撃を受けた養老院(現在の老人ホーム)の高齢者たちが都電を占拠する。説得に訪れた吉岡に向かって、ひとりの老人が切々と語る。

〈人間は、してきたことで、敬意を表されてはいけないかね? いまはもうろくばあさんでも、立派に何人か子供を育てた、ということで、敬意を表されてはいかんかね?〉

 このセリフを書いた時のことを、山田氏はこう振り返った。

「高齢者たちの行き場のない怒りのようなものが、いつか爆発するだろうと思って描きました。当時はひとり身の高齢者を養老院に“隔離”するという考え方があり、高齢者の間にも“自分は温情で施設に入れてもらっている”という意識があった。施設内は規則でがんじがらめで、入所者は不満や憤りを感じている。なのにそのことに誰も気づかない。それで、ある日突然、都電を占拠してしまう。彼らはその理由を言いません。理由を言いたくなくなるくらい、何も言えなくなっている状況を伝えたかったのです」

 ドラマ放送から40年。日本は高齢化が進み、高齢者人口は爆発的に増えた。

「障害者の問題と同じで、世間から認知されるようになったのに、高齢者の置かれた状況も好転していません。社会から無視され、孤独である状況は今も変わっていない。介護される人もする人も、それぞれがやりきれない思いを抱えています。高齢者全体が増えた分、ギリギリまで追い詰められ、『死にたい』と思っている高齢者も増えているのではないでしょうか」

 40代の時に「フィクション」として描いた弱者の生きづらさを山田氏は現在、身をもって体験している。

※週刊ポスト2017年9月1日号   2017.08.17   NEWSポストセブン


目が見えず耳も聞こえない「盲ろう者」の日常見つめるドキュメンタリー『もうろうをいきる』

2017年08月19日 02時27分57秒 | 障害者の自立

西原監督「被写体の"こう撮ってほしい"と自分の"こう撮りたい"をせめぎ合わせる」

目が見えず耳も聞こえない「盲ろう者」の日常を収めたドキュメンタリー映画『もうろうをいきる』が8月26日(土)より公開。webDICEでは西原孝至監督のインタビューを掲載する。

学生団体SEALDsを追ったドキュメンタリー『わたしの自由について~SEALDs 2015~』に続く西原監督の新作は、新潟県佐渡島や宮城県石巻市など日本各地で暮らす盲ろうの人たちに密着。盲ろう者と周囲の人たちとの関係を穏やかに見つめている。

 

今振り返ると、人間の強さとか、その人のかけがえのなさとか、人はただ生きているだけで意味があるとか、もしかしたらありふれた言葉かもしれないですけど、そういったことを映画を通してもう一回言いたかったんだと思いますね。人が一緒に生きやすい社会にするとか、共生できる社会にするとか。森下摩利さんが最初のころの撮影で言っていましたが、その人の生命を祝福するような、そういう作品にできたと思いますし、良かったなと思っています。(西原孝至監督)

 

撮影ということを理解してもらうことに心を砕く

──まず今回の作品を制作された経緯を聞かせてください。

僕が今回の作品に入らせてもらう前から、本作の企画者の一人である大河内さん(1)とシグロさんが障害者の方にも映画を楽しんでもらおうということで、映画のバリアフリー上映にずっと取り組まれてきていて。その流れで、盲ろう者の方々を撮影してドキュメンタリー映画を作ろうという話になりました。

僕自身は元々シグロ代表の山上さん(2)に学生時代に作った自主制作のドキュメンタリー映画も観てもらったりと、つながりがあったんです。それで一緒に企画を進めていきました。

──実際の撮影はどのように進めたのですか?

最初の撮影は盲ろう者の方々が一堂に集う全国大会(3)でした。そこを皮切りに、全国に暮らしてらっしゃる盲ろう者の方を訪ね歩く映画にするのが良いんじゃないかっていう話になって。盲ろう者の方々とは、大河内さんや、普段盲ろう者向けの通訳・介助をされている森下さん(4)が、これまでずっと交流されてきた強いつながりがあるので、そこに僕たちは紹介いただいて日本全国撮影させてもらいました。

──今ままでしてきた撮影と違いはありましたか?

まず撮影ということを理解してもらうこともなかなか難しくて。ご本人がカメラが向けられているっていうことを、お伝えしないと分からないっていうところがあるので。そこは普段のドキュメンタリーの撮影よりも、心を砕いてやった部分ではあるんですけど。

皆さんの反応としては、撮影ということよりも、僕をはじめとして、いろんな人が来てくれたことに対して、よく来てくれたねみたいな反応でした。基本的には皆さんすごく楽しく撮影を受けてくれたかなと思ってます。ただそれはやっぱり、大河内さんや森下さんたちの関係性があったところに、僕らはお邪魔させてもらったということなので。

目の前の現実に対してどう撮るかと考えながら物語を紡いでいく

──一番印象に残っているシーンはありますか?

一番というのは難しいんですけれど、全国大会が終わって最初に撮影した遠目塚さん(5)が強く印象に残っています。朝ご飯のあとにお一人で外に出て洗濯ものを干すシーンがあるんですけど、それを見たときに、率直にすごいなと思ったんですよね。目が見えなくなってから20年来、生活の中でルーティーンでやっていることとはいえ、よくできるなというのが単純に思ったことで。あの洗濯ものを干しているシーンを撮ったときに、この映画はきっと今までにないような映画になるんじゃないかなっていう感触はありました。

今回はもちろん盲ろうの方の映画なんですけど、やっぱり盲ろうの方は一人では生きていなくて、周りの通訳・介助の方だったり、ご家族だったり、そういった方に支えられて生きているということをすごく痛感したので、そういった周りの方々も含めて映画にしたいとずっと思っていたんですね。更に言えば、急に来た撮影している僕たちも含めて、なにか盲ろう者を取り巻く環境みたいなことを映画にできたらと思っていて。これはもう健常の方も盲ろうの方も限らずなんですけど、やはりカメラの前に立つということは、すごく勇気のいることだし、強いことだと思うんです。だから今回の映画に出てくれた盲ろうの方々の強さのようなものを、日常生活の中で撮りたいと思っていました。

もしかしたらこの映画には劇的なシーンとかはないかもしれないんですけど、普段どういった思いを抱えて、どういうふうに暮らしているかということを丁寧に映像に収めていけば、きっと良い映画になるんじゃないかなと思っていたので。短い期間でしたけれども、そういう思いで、日々の暮らしの一端を、少し見せてもらったっていう感じですかね。

──ドキュメンタリー映画というと、一般的には「ありのまま」を撮ることだと思われていますが、演出についてはどうですか?

そうですよね。ドキュメンタリーってすごく難しくて。たとえばその人の日常を撮ると言っても、ありのままだったり、そのままの生活って、多分撮れないんですよね。遠目塚さんの家に行ったら、遠目塚さん、用事もないのにお化粧してましたし。でも、それは撮影が来るってことに対しての、その方の一種の表現だと思うんですよね。こういうふうに撮ってほしいという自己表出のような。

カメラが入るってことに対して盲ろうの方が、こういうふうに撮ってほしいとか、これはどうだっていうふうに言ってくれたことと、僕らがこういうふうに撮りたいっていうことをせめぎ合わせていくのがドキュメンタリーの撮影だと思っていて。漠然とは大きなストーリーがあるんですけど、ちゃんとした脚本があるわけではないですし、常に目の前の現実に対してどう撮るかと考えながら、どんどん物語を紡いでいくっていうのが、僕がやりたいドキュメンタリーです。

正直あらかじめ頭の中にイメージというのはあんまりなくて、なくてと言うよりかは、逆にもたないようにしてたんですね。これまでも、自分がどういうふうに感じるかっていうことを大切にしたいと思っていましたし、この作品でもそういう作りにしたかったんです。

その人の生命を祝福するような作品にできた

──本作で伝えたかったことは、どういったことですか?

今振り返ると、人間の強さとか、その人のかけがえのなさとか、人はただ生きているだけで意味があるとか、もしかしたらありふれた言葉かもしれないですけど、そういったことを映画を通してもう一回言いたかったんだと思いますね。人が一緒に生きやすい社会にするとか、共生できる社会にするとか。森下さんが最初のころの撮影で言っていましたが、その人の生命を祝福するような、そういう作品にできたと思いますし、良かったなと思っています。

──「盲ろう」というテーマを扱いながら、押し付けがましくないですよね。

自分で言うのも恥ずかしいですけど、それは僕自身の監督としての個性かもしれないですね。多分これから上映していくと、物足りないとか、もっと重厚感がある作りになんでしないんだというような、いろいろな意見はでてくると思うんですけど。それでも本当に、監督として僕の人生観とか個性が作品に出ているんだと思います。

 ──今回の作品はどのような方に観てほしいですか?

盲ろうの関係者の皆さんに観ていただきたいというのはもちろんなんですけど、撮影する前の僕のような、盲ろうのことを全く知らない人にも観てほしいと思います。当たり前ですが、いろんな人に観てほしいというふうに思ってますね。

──バリアフリー版も作成されたんですよね。

この映画は新しい試みとして、通常上映版を「聴覚障害者対応」日本語字幕付きにしました。さらに、「視覚障害者対応」として、音声ガイドをUDCast方式(6)で提供しています。 通常は本編のナレーションと音声ガイドのナレーションは違う人がやるのですが、今回はどちらも僕がしています。

 

──公開にあたり、どんなことを楽しみにしていますか。

僕は今回、いろんな方を撮影させてもらって、人と一緒に生きるとはどういうことなんだろうとか、コミュニケーションの大切さだとか、普段当たり前だと思っていたことが、実はすごいかけがえのないことだったというのを、あらためて感じました。上映が進むと、いろんな方からいろんな言葉が出てくると思うんで、それもすごく楽しみです。やっぱり映画というものは、上映して初めて完成するものだと思うので、いろんな人に観てもらって、いろんな声を聞きながら、そこでまたコミュニケーションが生まれるのをすごく楽しみにしています。

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上

(オフィシャル・インタビューより)

(1)大河内直之(おおこうち・なおゆき)。4歳で失明し全盲となる。近年は、非営利活動法人バリアフリー映画研究会の理事長として、映画のバリアフリー化に関する研究・実践に取り組むと共に、障害者政策委員として国の障害者政策にも参画している。
(2)山上徹二郎(やまがみ・てつじろう)。1986年に映画製作・配給を行う株式会社シグロを設立し、代表取締役を務めている。
(3)社会福祉法人全国盲ろう者協会が毎年夏に主催する大会。全国から盲ろう者、通訳・介助員、盲ろう関係者らが一堂に集まり、交流を深めている。
(4)森下摩利(もりした・まり)。大学在学中に通訳・介助を始め、07年から全国盲ろう者協会が主催する研修会や事業の企画運営に携わる。本作では撮影に同行し、通訳を行った。
(5)遠目塚秀子(とおめつか・ひでこ)。全盲ろうの出演者。生後二ヵ月で耳が聞こえなくなり、38歳のときに病気で目が見えなくなる。
(6)いつでもどこでも映画が楽しめるよう、携帯端末(スマートフォン・タブレット端末)とイヤホンを使って、音声ガイド付きで鑑賞するシステム。



西原孝至(にしはら・たかし) プロフィール

1983年、富山県生まれ。早稲田大学卒業。映画美学校ドキュメンタリー高等科修了。
14年の『Starting Over』は東京国際映画祭をはじめ、国内外10箇所以上の映画祭に正式招待され高い評価を得る。最新作『わたしの自由について~SEALDs 2015~』は北米最大の国際ドキュメンタリー映画祭 Hot Docsに正式出品。
現在、主にTVドキュメンタリー番組のディレクターとして活動中。

映画『もうろうをいきる』  8月26日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開

webDICE      2017-08-17


ホームドア設置、84駅どまり…費用など課題

2017年08月19日 02時12分30秒 | 障害者の自立

 東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)で、ホームから転落した視覚障害者の男性が電車にはねられ死亡した事故から、1年が経過した。

 同様の事故はその後も、大阪府と埼玉県で相次いでおり、国と鉄道各社は転落防止用の柵を設けるなど対策を急いでいる。

 事故は昨年8月15日午後5時45分頃に発生。盲導犬を連れていた東京都世田谷区の会社員、品田直人さん(当時55歳)がホームから線路上に転落、電車にはねられた。同駅に転落防止用のホームドアはなかった。

 国土交通省と鉄道各社は2020年度までに、1日の乗降客が10万人以上の全国260駅に可能なかぎりホームドアを整備する計画を決めた。しかし、16年度末の設置は84駅にとどまり、速やかな計画実施を目指している。

終電後の電車を動かして、新型ホームドアの作動確認を行うJR関係者(JR町田駅で)

終電後の電車を動かして、新型ホームドアの作動確認を行うJR関係者

2017年08月18日   読売新聞


農福連携の可能性探る

2017年08月19日 01時59分43秒 | 障害者の自立

JA関連企業が取り組み

農業と福祉の連携模索で地域の相乗効果を――
 JAセレサ川崎の子会社、セレサアグリコ(株)が「農福連携」による地域の課題解決に向け、試行的な取り組みを行っている。

 セレサアグリコは一般市民向けの貸し農園事業を麻生区や宮前区などで展開している他、農作業の受託なども行っている企業。現在、同社は各種事業などで収穫した農作物の選定作業などを障害者施設の利用者に依頼するなど、福祉分野での連携について可能性を探っている。

 高津区千年にある同社の事務所で先ごろ行われたのは、麻生区黒川で収穫されたジャガイモの選定作業。高津区にある知的障害者の通所施設「障害福祉サービス事業所ちとせ」利用者がジャガイモを一つずつ計量し、サイズごとの仕分けを行う作業を行った。

 セレサアグリコ関係者は「内職的な作業が海外へ流出し、障害者の就労の機会が減っている中、仕事の幅を広げることが出来るか、まずは農福連携が可能かを探っている状態。農業の活性化と併せ、機会の提供が出来るよう今後も協力していきたい」と話している。

仕分け作業を行う施設利用者(高津区のセレサアグリコ事務所)

仕分け作業を行う施設利用者(高津区のセレサアグリコ事務所)

2017年8月18日   タウンニュース


第4回グローバルメンタルヘルスセミナー開催

2017年08月19日 01時46分33秒 | 障害者の自立

~人工知能時代のストレスケアと脳教育~

[特定非営利活動法人IBREA JAPAN]

ストレスケアや腸研究の国内外の第一人者が講演、オルタナティブスクールの事例発表も

「第4回グローバルメンタルヘルスセミナー~人工知能がもたらす社会変革時代に求められるメンタルヘルスとは?脳教育が人間力を高め未来を切り開く」(主催・特定非営利活動法人IBREA JAPAN)が8月5日、京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールで開催されました。教育関係者や一般市民が参加し、500席が満席となる盛況ぶりでした。人工知能時代に求められる創造的な思考・行動を促す方法として注目される脳教育や、腸と脳のつながり(腸脳相関)をふまえたストレスケアについて、第一線の専門家が最先端の取り組みや成果を紹介しました。

第1部は、「メンタルヘルスと教育」をテーマに、グローバルサイバー大学の蔣來赫(ジャン・レヒョク)教授の招待講演「人工知能VS自然知能~人間の脳の特別さを目覚めさせる~」、日本ベンジャミン人間性英才学校の品川玲子校長の事例発表「地球市民を育てる脳教育の教育革新モデル」、日本ベンジャミン人間性英才学校の3人の生徒による青少年スピーチが行われました。




ジャン教授は、「21世紀は情報化時代」とし、「脳は人体で唯一精神性を備えている臓器であり、人工知能時代に脳を理解するということ、また脳を正しく活用することは、とても重要」だと述べました。


また、このような時代において、過去の自分を省察し、現在の自分を自覚し、未来の自分を想像できるかどうかが未来教育のポイントであり、それが人間の自然知能だと説明し、「価値を追求する脳がリーダーになる」と言及しました。


そして、「脳のメンタルヘルスの状態を改善するのも脳活用にある」「意識を集中するとき、感情を伴うときに脳波に変化が起こる」とし、会場に脳波測定器を設置して脳教育のブレイン瞑想を行っているときの脳波を測定し、意識の集中による脳波の変化をリアルタイムで見せました。

最後に、「パソコンはいくらソフトをうまく使ってもハードは変化しないが、脳は使い方によって脳のハードも変化する。そのポイントは情報。情報化時代に情報を処理できる原理と方法をもつ脳教育を情報処理技術とも言う」とし、脳の特別さを育てるキーワードは、私は誰かという「省察」と、私はどんな価値あるものを「創造」するのかの2つであり、「生活の中で、省察と創造の機能を目覚めさせてほしい」と呼びかけました。


続いて品川校長が、脳教育を全面的に取り入れたオルタナティブスクールとして日本ベンジャミン人間性英才学校の取り組みを紹介しました。日本のみならず、韓国、米国、中国に広がっているベンジャミン人間性英才学校は、英語などの特定の分野の英才をつくるのではなく、人間性のすぐれたグローバルな人材を育てることを目的に設立されました。





品川校長は、「カリキュラムは、基礎教育、自己啓発、夢さがし、グローバルリーダーシップの4つにわけられる」とし、昨年入学した1期生の活動の中から、日本と韓国を400キロ以上歩いた日韓徒歩横断プロジェクトや被災地でのボランティア活動などを写真とともに紹介しました。ボランティアは熊本と福島の2カ所で行っており、熊本では被災者の家に生活用水を配送したり、土砂や火山灰の除去作業などを手伝いました。また、福島では震災を経験した子供たちが健やかな体と心、自信を取り戻すことを目的に行われたドリームプロジェクトで一緒に脳教育のトレーニングをしたり、仮設住宅にも訪問しました。


また、グローバルリーダーシップの例として、海外のベンジャミン学校の生徒とのオンライン・オフラインの交流を紹介しました。伊勢志摩サミットが行われた昨年5月に日韓地球市民青少年サミットを行い、「地球のために私たちができること」をテーマにディスカッションして具体的なアクション計画を立て、それらを実施しました。また、ニュージーランドで行われた地球市民リーダーシップキャンプには、日米韓のベンジャミン学校の生徒が集まりました。このとき立てた21日間の目標の進行状況を、キャンプ後にオンラインで日本語、英語、韓国語で発表しました。品川校長は「いろいろな壁を乗り越え、楽しい時間を過ごすことができた。そしてみんなひとつ、We are One! We are EARTH CITIZENS!を訴えることができた」と述べました。


そして、日本ベンジャミン人間性英才学校の生徒3人が、ベンジャミン学校に入学してからの変化や自らの夢についてスピーチしました。


第2部は、「メンタルヘルスと健康」をテーマに、東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授の特別講演「幸せな脳は腸がつくる~腸脳相関の秘訣~」、3人のブレイントレーナーによる事例発表「脳教育トレーニングの効果」が行われました。


藤田紘一郎名誉教授は、「腸内環境を整えれば、ガン、アトピーばかりじゃなく、うつ、脳梗塞、自閉症、認知症、多くの病気が治る」とし、腸内環境を整える方法は「腸内細菌を増やす、活性酸素を消す、ストレスを取り除く、おなかを温める」として話が進められました。


また、人間の体には、子作りエンジンの「解糖エンジン」と長生きエンジンの「ミトコンドリアエンジン」という2つのエンジンがあると説明。「ミトコンドリアエンジンは37度以上で活発化する。ミトコンドリアが体の中で一番多いのは腸。腸を大事にするには、おなかを温めなくちゃいけない」「おへそのあたりでゆっくり呼吸を回すとミトコンドリアエンジンが動く」とし、「おへそを意識してゆっくり呼吸する、体を温める、丹田たたきをする」ことが役立つと紹介しました。そして、へそヒーリングをすると「腸、小腸を中心として刺激が伝わる。しかも熱が出てくる。熱が出てくるということは、おなかが温まり、ミトコンドリアエンジンが動く」とし、「腸をよくすると、心も体も元気になる」と述べました。


最後に、「125歳まで生きる」ということに言及しました。「遺伝子で決まるのはたった5%。腸がよければ遺伝子も変わる。これをエピジェネティクスという」と説明し、細胞の中にあるテロメアというものが短くなると死ぬので、色のついた野菜、果物、植物繊維の多い食品を摂り、添加物が入っていない手作りの食事で免疫を高め、「今日からテロメアを短くしないような生活を送っていただきたい」と呼びかけました。


ブレイントレーナーによる事例発表では、安井義博氏の「へそへの刺激が中高年者の気分に与える影響」、高橋尚美氏の「こども、障害者福祉施設への脳教育導入事例」、川崎幸子氏の「IT企業のメンタルヘルスケア ~脳教育プログラム適用事例~」が発表されました。


また、この日セミナー会場では、IBREA JAPANと韓国のブレイントレーナー協会の協約が行われました。両機関が日韓の脳教育の交流と発展のために協力することに合意。脳教育の発展を通して人間の脳の根本価値を向上させることを目指すとしています。

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タイトル:第4回グローバルメンタルヘルスセミナー
日程:2017年8月5日(土)
会場:京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホール
主催:IBREA JAPAN/後援:京都市、京都市教育委員会、京都新聞、読売新聞、IBREA、グローバルサイバー大学、一般社団法人ECO


【特定非営利活動法人IBREA JAPANについて】
特定非営利活動法人IBREA JAPAN(日本脳教育協会)は、国際脳教育協会(International Brain Education Association : IBREA、会長 李承憲)の日本支部として1997年に活動を開始。2007年1月にNPO法人として登録しました。「あらゆる問題の答えは人間の脳にある」という信念のもとに、脳教育の普及活動を推進しています。脳教育を通じてすべての人が真の良心を回復し、人類愛、地球愛の意識を共有することを目指しています。
▼IBREA JAPANの公式サイト:http://www.ibreajapan.org

2017/08/18     時事通信