ゴエモンのつぶやき

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着服  施設職員が入居者の400万円 懲戒解雇 青森 

2017年08月07日 10時52分07秒 | 障害者の自立

 社会福祉法人藤聖母園が運営する障害者グループホーム「藤ヨゼフハウス」(青森市)で、40代の男性職員が入居者3人の預かり金計約400万円を着服していたことが分かった。同法人はこの職員を5月末に懲戒解雇。6月までに県や青森市に報告した。被害者にすでに弁済しており、刑事告訴はしないという。

  同法人によると、この施設では入居者の希望で通帳や印鑑を預かり、必要に応じて職員が引き出す契約をしている。職員は2015年7月から16年5月にかけて、当時担当していた知的障害がある入居者3人から文書で要請があった金額を引き出し、その金を渡さなかったり、少なく渡したりしていた。

 今年2月、別の職員から法人本部に不正の疑いがあるとの指摘があり、着服が判明した。三浦裕理事長は取材に「障害者の尊厳を傷つける行為であり、信頼を裏切り申し訳ない。再発防止のために責任体制を見直したマニュアルを導入した」と話した。

 県障害福祉課はこの問題を受け、3日付で県内のグループホームの開設者に管理体制の再確認を要請した。

毎日新聞   2017年8月5日 


「医療的ケア児」支援強化 県、新たな施設参入促す

2017年08月07日 10時37分47秒 | 障害者の自立

たん吸引や経管栄養

日常的にたん吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な子どもたちの支援強化を狙いに、県は本年度、協議会を発足させるなどして対策に乗り出す。支援の軸となる通所・短期入所施設が不足しているため、県は研修会を開いて新たな施設の参入を促すほか、県庁内に協議会を設けて情報共有を図る。本年度改定される新いばらき障害者プランや県保健医療計画に「医療的ケア児」に関する記述を盛り込み、支援を加速させる方針。

「こんにちは、きょうもお願いします」。午前9時半、医療的ケア児の支援施設の一つである多機能型児童発達支援所「ぽぴい」=水戸市=に子どもを連れた母親らが次々と訪れる。

水戸市の白石るり子さん(50)の長女樹歩さん(18)は2年ほど前から、夏休み期間などを中心に施設を利用している。樹歩さんは運動機能障害と知的障害があり、ほぼ寝たきりの状態。胃に栄養を送る経管栄養のケアを必要とする。るり子さんは「家の中だけで見ないといけないと考えた時期もあったが、外の世界に触れられる場所が増えて、子どももうれしそう」と話す。

現在は別の短期入所施設にも通い、樹歩さんを施設に預けている間、るり子さんは買い物や自宅の掃除をこなす。「家事などに集中できる貴重な時間」というが、施設の数が少ないことから予約が取れないことも多く、「予約合戦になっている」と指摘する。

■受け入れ施設

県内の重症心身障害児を受け入れる通所支援施設は8市町の12施設、医療型短期入所施設は成人向けを合わせても8市町村の9施設にとどまる。県は本年度、医療的ケア児の支援事業に135万円を予算化した。医療機関に委託して、市町村の担当者や福祉事業者などを対象にした研修会を開く。医療的ケア児に対する理解を深め、新規参入につなげるのが狙い。現在、研修内容などについて調整している。

また、県庁内の関係各部署で連携を図るため、協議会を設ける。保育や教育などの各分野を担当する部署と情報を共有することによって、効果的な対策や対応につなげる。県障害福祉課の担当者は「支援の隙間に入りこんでいる人たちを支援の対象とするなど、新たな対策につながるようにしたい」としている。

■最低1カ所

国は2020年度までに、主に重症心身障害児を受け入れる通所施設を各市町村に少なくとも1カ所以上確保する目標を定めている。県は国の方針や、医療的ケア児の保護者からの声を受けて、通所施設などを必要とする県内の重症心身障害児の数などを、市町村を通じて調べている。

県は本年度、来年度から5年間の医療・福祉の指針となる「新いばらき障害者プラン」や「県保健医療計画」を改定する予定で、「医療的ケア児」に関する対策を盛り込み、調査結果を対策に反映させる方針。

2017年8月6日   茨城新聞


奉仕の心で社会を維持するのだー!

2017年08月07日 10時31分01秒 | 障害者の自立

今はオフィシャルサイトに記載が見つからないのだけど、東京オリンピックのボランティアに求められる条件として、

外国語能力や研修を受けること、などに加え「 1日 8時間、10日以上できる」という条件が(一時は?)案として挙がっていたらしく、

メディアやネットでも、「無償でそんなに働かせるの?」と話題になってました。

今や時給 1000円でもアルバイトの集まらない東京で、あのメチャ暑な時期に無償で働く人を 8万人集めようというのだから、オリンピックってまじスゴイ。

でも実は、ボランティアなしに維持できない制度やイベントは他にもたくさんあります。

たとえば、罪を犯した少年少女が少年院などから出てきた後の保護観察や更生見守りを担当する保護司。

家探しや職探しを支援し、定期的に更生状況を把握するなど大変な仕事だと思うのだけど、これもボランティア(無償の活動)。

今、全国に数万人いる保護司の 8割が 60歳以上なので、その数は次の 10年で半減するとか。

法務省は若手の育成に取り組んでるらしいけど・・・こんな大変な仕事が無償ってすごいよね。

さらに、生活保護を受けている人や障害者、一人暮らしで認知症になった高齢者や困窮するシングルマザーなど、地域で生活に困っている人を支える民生委員もボランティア。

保護司と同様、どんだけ大変な仕事なんだかって感じですが、こちらも交通費など経費がでるだけで給与はゼロ。

やはり高齢化と人手不足、&支援を必要とする人の急増で、現在は「足りてる自治体は無い」とまで言われる状況です。

★★★

こうした既存の「ボランティア頼みの社会制度」の維持さえ危機的な状況なのに、

政府は今後さらに多くの分野でボランティアやら「地域の力」やらに頼ろうと考えてる。

たとえば介護保険制度。

今年の 4月に介護保険法が改正になり、比較的、要介護度の低い「要支援」の人達は、介護事業者による訪問介護やデイサービスに替えて、

市町村が実施し、NPO、ボランティア、市民などの様々な立場の方がサービスを提供する「介護予防・日常生活の支援総合事業」によって支えていこうという方針に変わりました。

超かいつまんで言うと、「高齢者が多すぎ予算も施設も足りないため、比較的症状の軽い高齢者は、NPOやボランティアや地域の人達が支援してね」ってことみたい。

でもさ。

そもそも自分の親も自宅で介護できないからこそ介護サービスを使う人が増えてるのに、「ボランティアや NPO で高齢者を支えられる地域の人」なんて、どんだけいるの??

育児もそうです。

最近は児童虐待のため、親から引き離さざるを得ない子供が増えています。

日本の場合、彼らの大半が児童養護施設で育てられるのですが、海外では養子縁組をして一般家庭に引き取られたり、里親に育てられる子の比率が高い。

で、日本は「虐待されて心が傷ついた子供たちに、家庭で育つという福祉を提供できていない」と問題視されてるんです。

それは確かにそーなんだけど、とはいえこれもさっきと同じ。

経済的に苦しいから少子化が進んでると言われ、自分の子供を育てるのさえ保育所に加えて祖父母のヘルプが不可欠といった状況なのに、

他人の子供を育てる里親を大幅に増やすなんて、現実的に可能なんですかね。

★★★

そういえば、昨年 7月に大量殺人の被害に遭った障害者施設「やまゆり園」。今ここをどういう形で再建するかについて、議論になっています。

同じ場所に前と同じ大規模施設を作って欲しいという入所者の保護者にたいし、

「障害者を施設に隔離するのはよくない。地域で生きていけるようすべき」という意見があって、

次は同じ場所に同じ規模の施設を建て直すのではなく、小規模な施設を多数作る分散化(地域とけ込み型)での再建が提言されています。

これも議論としてはまっとうで、日本では世界に比べ、圧倒的に長い期間、施設の中で暮らしている障害者が多い。

そうではなく、今後はより自律した(本人の意思を尊重した)生活ができるよう、地域社会で支えていこうというのが世界のトレンドでもあり日本政府の方針でもあります。

それは決して悪く無い。

でもね。そのためには日常的に個々の障害者の生活を支える多数のボランティアが不可欠。

となれば誰だって「それって本当に集められるの?」「素人にそんなこと任せられるの?」って思うよね。

だから入所者の保護者の中には「常時、施設内で有資格者にケアしてもらえる大型施設のほうが安心」と考える人がいるんでしょう。

ほかにも、ひきこもり対策や不登校児の支援対策でもしばしば「地域に居場所を創ってあげることが大事」とか言われてますけど、いったいその「地域」って誰のこと?

最近は、人口が急速に減って行政予算が逼迫した過疎自治体において、本来、行政が担当していた作業を住民に(ボランティアで?)移行する、みたいな話もよくでてきます。

ちょっと前の資料でも、国土交通省は限界集落を支えるには「住民や民間など、住民力を生かした地域支え合いの仕組みづくりが必要」と言っており、

1)集落の住民同士による助け合いの仕組みづくり

2)近隣の集落による連携、協力の仕組み

3)NPO、企業、大学等の民間との連携による仕組みづくり

で乗り切るって書いてあるんだけど・・・・そもそも人が激減してるから限界集落になってるっていうのに、「地域を支える担い手」だけは確保できるって、どういう発想なんですかね。

人はいるの? いないの? どっちなの?? 

って感じです。

★★★

これ以外にも、町内会や自治会、 PTAから子供の部活を支える保護者グループの活動まで、ボランティア無しには成り立たない仕事や制度は身近にも山ほどあり、

どこもかしこも担い手不足と高齢化、(引き受けた人の)負担の大きさ、不公平感などが問題になってます。

1日からでも参加できる被災地でのボランティアと違って、「継続的に」何かを(てか人を!)支えていくのって、ほんとに大変だからね。

今や都会は正社員からアルバイトまで、給料を出してもなかなか人が雇えないほどの人手不足だし、過疎地にいたっては人自体がいなくなりつつあるというのに、

みんな (特に NHKと霞ヶ関は) 何かと言えばすぐに「地域の力で!」とか「社会全体で支えていくことが必要」とか言ってるけど、ほんとにそんなの可能なの?

虐待で傷ついた子供も元非行少年も知的障害者も要支援の高齢者もひきこもりを抱えてる家庭も限界集落も「地域の力とボランティアと NPO で!」

支えていける?

そもそもの話として、「何は行政がやるべきで、何は住民ボランティアに任せるべきなのか?」と問われた時、すぐに答えられる人はどれくらいいるんだろ。

徴兵制なんて心配しなくていいけど(←どうせこれからの戦争はそんな人力戦じゃないので)、

むしろ社会の維持のための「徴ボランティア制度の導入」のほうが心配かもと思えるくらい、ここんとこ「地域で支えていこう!」系の話が多いので、ちょっと不安になってみた。