金沢大角間キャンパス(金沢市角間町)に今月、障害者らが働く特別食堂「YABU&CAF●(Eに鋭アクセント付き)丹(たん)」がオープンした。社会福祉法人「佛子(ぶっし)園」(石川県白山市)が運営し、就労支援の場であるとともに、オシャレな店内で提供するそばやコーヒーにこだわり、学外から来る人も利用できるスペースとなっている。
障害者の就労を支援する全国の社会福祉法人などでつくるNPO法人「就労継続支援A型事業所全国協議会」(東京都)の事務局によると、国立大のキャンパス内にこうした就労施設ができるのは「聞いたことがない」という。今月4日、金沢大自然科学系図書館南福利施設2階にオープンした。働くのは、複合型福祉施設「シェア金沢」(金沢市若松町)にある就労支援サービスのワークセンター利用者。18歳以上の5人ほどが、シェア金沢のスタッフらとともに、洗い物をしたりトレーに料理をセットしたりして働いている。
そばは佛子園が輸入しているブータン産を使い、自家製粉、自家製麺でつくる。風味がよく、ブータンのそば農家を支援する意味もあるという。自家焙煎(ばいせん)のコーヒーはテイクアウトもできる。
オープン以来、教職員や学生たちのリピーターも増え、昼のピーク時は待つ客も。障害者たちも忙しく働き、達成感を感じているという。今後は、接客や調理補助など仕事を徐々に増やしていく予定だ。
シェア金沢の清水愛美施設長は「国立大にこうした場ができることは社会的なインパクトになり、障害者が働く新たな可能性が生まれている。同窓会といった予約も入っており、いろいろな人に使ってもらえれば」と話す。
そばや丼を提供するYABU丹は午前11時~午後2時と午後4時~7時半、CAF●(Eに鋭アクセント付き)丹は午前11時~午後7時半。土日祝休み。電話(076・222・7618)。
そばを運ぶシェア金沢のスタッフ。そばの器やコーヒーカップなどには店名の「丹」が意味する赤をほどこしている。真心や健康といった思いも込めているという=2018年6月、金沢市角間町
朝日新聞 2018年6月29日