DC=確定拠出年金制度において、掛金を『運用』することにおいて、
どうしても避けて通れないのは、『リスク』です。
『運用』の世界では、『リスク』は、危険ではなく、『ブレ』を意味します。
なんとなくいやだな~と思うと、もうこのあたりから、いやですよね。
でも。『リスク』について分からないと、DC掛金は元本確保型の商品に
しか預けられません。それでは今時、どんなに良くても金利1%以下の
運用商品しかありません。
DC掛金を運用する、つまりお金に働いてもらうには、『リスク』について、
知っておく必要があります。
『リスク』は、「リターンの『標準偏差』で表す」と言われます。
記号で書くとσ(シグマ)です。
あ~いやだ、こういうこと言われるともうダメ。。。ですよね。
でも、期待収益率(目標収益率)が3.37%で、リスク(標準偏差)が5.55%
という運用商品があったとします。
収益率は、(投資結果金額-初期投資額)/(初期投資額)です。
つまり、収益額/初期投資額です。
3.37%の収益がある運用商品は、ちょっといいかも!でもリスクが5.55%
が気になりますよね。
3.37%の収益に対して、リスク(標準偏差)=ブレ幅が5.55%ということは、
3.37に対して5.55%のブレが生じるということ?
そうです。正確には、ブレ幅は、95%の確率で±2標準偏差内におさまると
言われています。
2標準偏差だから、2×5.55%=11.1%です。
プラスの方向にぶれると、3.37%+11.1%=14.47%
マイナスの方向にぶれると、3.37%-11.1%=-7.73%となります。
3.37%の期待収益率に対して、うまくすると14.47%の収益があるかも
しれないけれど、反対に-7.73%に落ち込むこともあるということです。
14.47%以上あるいは-7.73%以下になる確率は5%ですので、100年に
2~3度起こる可能性があるということになります。
個人型年金の運用商品の情報が運営管理機関のホームページから
事前に入手できない場合はどうしたらいいのだろうか?
例えば、あいおい損害保険の個人型年金の運用商品のうち、
国内株式型の『トピックス・インデックス・オープン』の情報は
どこから得られるのだろうか?
この投資信託は、確定拠出年金向けで、販売会社はあいおい損害保険、
運用会社は野村アセットマネジメントです。
まず、運用会社の野村アセットマネジメントのサイトを調べます。
投資信託ラインアップから、確定拠出年金型を選択すると上から3番目に
『トピックス・インデックス・オープン』が掲載されています。
ここから、必要な情報は入手できます。
もうひとつの方法は、モーニングスターのホームページから調べる方法
です。
モーニングスターから、投資信託→確定拠出年金[DC]用ファンド検索
→ファンド名を入力→運用会社を選択→検索をクリックすると、『トピック
ス・インデックス・オープン』が出てきます。
やれやれ、なんとか必要な情報にたどり着くことができました。
ご質問やお問合せは、メールまたはお電話で。 sai@rice.ocn.ne.jp
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個人型・確定拠出年金(=以下、個人型年金とよびます。)に加入
しようかということで、インターネットで調べてみようとします。
必要な情報がどれだけ入手できるでしょうか?
個人型年金に加入しようとしたとき、必要とする情報は、『手数料と
運用商品』ではないでしょうか?
個人型年金では、税制のメリットが良くいわれる。
掛金が小規模企業共済控除の対象となる点だ。
また、60歳以降で受け取った場合、退職所得控除や公的年金控除が
使えるというのも大きい。
運用している間の運用益にも税金はかからない。
だからといって運用商品に魅力がなかったら、上記のような税制メリット
の効果も半減すると思う。
確定拠出年金制度の外では、どの投資信託も購入できるけれど、運営
管理機関を選ぶと、当然だが、その運営管理機関の提供する商品しか
利用できない。
だから、まず入り口で、運用商品についての情報がほしいと思う。
では、運用商品についての情報がホームページから入手できるのは、
どの運営管理機関だろうか?
・あいおい損害保険
・SBI証券
・鹿児島銀行
・ソニー生命保険 (あいうえお順)
が、いいように思う。
このうち、
・SBI証券
・鹿児島銀行
・ソニー生命
は、運用商品の『基本情報』と『運用情報』も入手できる。
あいおい損害保険のホームページは大変見やすいけれど、運用商品の
『基本情報』と『運用情報』が詳しく見られないのが、ちょっと残念だ。
全ての運営管理機関のサイトを調べたわけではありません。
ですから、上記以外の運営管理機関のサイトでもいい内容のものがあると
思います。ご了承ください。
一番使いやすい銀行を選ぶのが、『運用』の一つだと思う。
確定拠出年金制度を利用しようと思って、運営管理機関を選ぶのも、
『運用』の第一歩だ。
企業型の場合は、残念ながら取引先の金融機関の利用が多いようだ。
この決め方は、やめた方がいい!
また、A銀行が扱っているB生命の確定拠出年金とか、C銀行の扱って
いるD損保の確定拠出年金というのも、お勧めできない。
手数料が割高となるためだ。
退職金制度に確定拠出年金を採用することは、企業にとってメリット
がある。掛金の運用の責任を負わなくてもいいからだ。これは企業に
とって、とても大きい利点だ。
確定拠出年金では、『掛金は加入者である従業員が行う。』
だから、加入者となる従業員の視点での運営管理機関選びが重要だ。
そのポイントの一つは、『運用商品の品ぞろえ』だと思う。
Aという運営管理機関の運用商品が、ほとんどA系列の運用商品という
ような運営管理機関は、やはりやめたほうがいい。
個人型の場合は、どうだろうか?
こちらは、手数料と運用商品で選ぶべきだろう。
間違っても、金融機関の名前で選ぶべきではないし、身近にあるいつも
使っている金融機関だからという理由で、選ぶべきではない。
それにしても、確定拠出年金を扱っている金融機関は、企業型はともかく、
個人型を売る気があるのだろうかと、考えてしまう。
個人型に加入しようかと考えた場合、インターネットで調べてみようと
するだろうと思う。金融機関名のホームページから、そこの個人型を
見てみようとするだろう。
金融機関のホームページから、個人型・確定拠出年金の情報は、どれだけ
入手できるのだろうか??? 続く
ホームページを更新いたしました。
『確定拠出年金への移行Q&A』に「日本航空(LAL)の企業年金の減額に
関して、適年の移行先にはDBがいいかDCがいいか」について、また
『中退共への移行Q&A』に、「適年を中退共へ移行するのを期の途中で
行うこと」についてです。どちらもQ7となります。
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確定拠出年金は、使い勝手が悪い点が良く指摘される。
確かに、税制の優遇措置があるとはいえ、原則的には60歳まで
お金を引き出せない、掛金の限度額が少ない等、問題点はいくつか
ある。
しかし、中小企業の退職金制度として、退職金がない人の退職金
代わりの制度どして、一定の役割を担っているようになってきてい
るも事実だ。
では、確定拠出年金制度の使い勝手の悪い点が是正されたら、
飛躍的に加入者が伸びるのかというと、そうとも言えない気がする。
確定拠出年金の最大のネックは、やはり『掛金を自分で運用する』
ことだと思う。
これを『自分で運用しなければならない』から『自分で運用できる』に
変わらなければいけないのではないか。
確定拠出年金制度における『掛金の運用』というと、馴染みのある
預貯金や保険商品とうい元本確保型の商品はともかく、投資信託、
つまり『株式』、『債券』、『為替』などが、敷居を高くしている。
しかし、『運用』というのは、馴染みのない行為なのか?
例えば、銀行を選ぶ場合、どうしているか、だ。
たいてい銀行口座は、いくつか持っていると思う。
そのうち、どこをよく使うかを考えてほしい。
私の場合は、「手数料が安い、近い、待ち時間が短い、銀行員の対応」
で、一番使うところが決まっている。
皆様も、同じようなことをされていると思う。
これも、『運用』のひとつではないだろうか。 続く
今週は、先週の『インデックスファンド』に引き続き、『運用』や
『運営管理機関に選び方』の記事を予定していましたが、急きょ、
『退職金の55歳清算』と『退職所所得控除の繰越』についてに変更
いたします。
『退職金の55歳清算』は、まだ制度として残っているようです。
55歳定年の名残ですね。
適格退職年金を中小企業退職金共済や企業型の確定拠出年金に
移行する場合に、ちょうど55歳となる(あるいは55歳少し前の)従業
員の取扱いが問題となってきます。
ケースバイケースで解決するしかないと思います。
その際、対象となる従業員が不利益を被らない配慮は必要だろうと
思います。
『退職所得控除』は、前の退職で控除枠を使い切らない場合は、繰り
越すことができます。
例えば、25歳から50歳まで、中小企業退職金共済で退職金を積み立
てている会社に勤務し、50歳の時に900万円の退職金を受け取り退職、
その後再就職し、60歳の時に退職一時金600万円を受け取ったとします。
・25歳から50歳までの退職所得控除は、
40万円×20年+70万円×5年=1,150万円
・50歳の時に受け取った退職金は900万円なので、控除枠は250万円
残っています。
・60歳の時の退職所得控除は、40万円×10年=400万円
これに50歳の時に使い切らなかった退所得控除の250万円を足すと、
650万円になります。
・60歳の時に受け取った退職金600万円は、上記控除枠の範囲内なの
で、退職金に税金は掛からないことになります。
以上、お電話でお問い合わせいただいたことがヒントとなって書いて
みました。同じようなケースでの参考になることを願っています。
ジョン・C・ボーグル著の「インデックスファンドの時代」は、2000年11月
に東洋経済新聞社から発行されています。
ちょうど、日本で確定拠出年金制度が開始されようとしていました。
DCの勉強をしていたこともあって、発売直後に購入して読みました。
正直、難しかったのですが、ファンドを購入する顧客の立場から、何が
有利か何が大事かということを考える姿勢を学ぶことができたと思って
います。
ジョン・C・ボーグルの創設したバンカード社から、ノーロード(手数料
なし)のインデックファンドが発売されて約30年になります。
今では、アクティブファンドが、必ずしもインデックスを上回る運用を
達成するわけではなく、手数料の安いインデックスファンドのほうが
よいパフォーマンスをあげることも多いということは、『常識』です。
しかし、ボーグルがインデックスファンドを立ち上げた時は、嘲笑と非難
のなかでした。
ボーグルが、研究に裏打ちされた信念により、運用を続け、成果を上げて、
ファンドの購入者を増やしていき、2000年に入ると、世界最大の投資信託
である、フィデリティのマゼランファンド(アクティブファンド)を資産総額で
抜きました。
ということで、投資信託を購入する手始めは、まずインデックスファンドが
お勧めです。(この結論には、ちょっと飛躍があるような気もしますが)
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新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
昨年は、退職金制度、リタイア後の老後生活資金の準備として、
確定拠出年金=DCを、もっと利用してほしいというところで、ブログを
終わりました。
DC(企業型と個人型)を利用する時、加入者が知りたいと思う情報は、
やはり、運営管理機関選びと運用についてだろうと思います。
あと、各種手続きでしょうか?
その中で、掛金の運用は、やはり一番のネックです。
預貯金や保険商品などを使って、安全な運用もいいですが、
それではなかなか目的額に到達しません。
投資信託を使うことを回避せずに、チャレンジしてみましょう。
投資信託には、アクティブファンドとインデックスファンドがあります。
これは、投資信託=ファンドの運用方法の違いによるものです。
ファンドの運用には、二つの手法があります。
①インデックス運用(パッシブ運用とも言います。)
②アクティブ運用
①インデックス(パッシブ)運用
運用の目的:運用成果がベンチマーク※に連動
運用の評価:運用成果とベンチマークの動きがどれだけ連動して
いるかで評価
手 数 料:アクティブ運用より低い水準で設定される
②アクティブ運用
運用の目的:運用成果がベンチマークを上回る。
運用の評価:運用成果がベンチマークに対してどれだけ上回って
いるか、運用成果がどれだけ安定的に推移している
かで評価
手 数 料:インデックス運用より高い水準で設定される
※ベンチマークとは、ファンド(投資信託)の運用成果をみる場合
の基準となる指標(インデックス)。
代表的なものに、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価があり
ます。
今では、ファンドうの運用というと、このインデックス運用とアクティブ
運用ですが、もともとはアクティブ運用だけでした。
インデックスファンドの誕生と成長については、インデックスファンドの
生みの親であるJ・C・ボーグルの「インデックス・ファンドの時代」という
本があります。 続く
今年春から夏にかけて、退職金制度の新規導入をお手伝いした企業へ、
月1回退職金制度や社会保障制度についてのメールマガジンを提供して
います。
今月の記事を書いていて、あらためて中小企業では、退職金制度がない
ところもかなり多いということに、再認識しました。
厚生労働省のホームページの公的年金制度の概要では、厚生年金保険
の加入者は、3,379万人となっています。このうち厚生年金基金、確定給付
企業年金、適格退職年金、企業型確定拠出年金の加入者は、1,600万人
ほどでしょうか。制度がだぶっていることもありますから、企業年金制度
の加入者数は、実際はもう少し少ないということになります。
厚生年金の加入者=つまり会社勤めの人で、企業年金制度の対象では
ない人数は、約2,000万人。このうち全てに退職一時金制度があるわけで
はありません。
東京都が2年に1度行っている従業員数300人未満の企業に対する退職金
の調査では、83.4%で退職金制度があると答えています。
(退職一時金だけでみると67%です。)・・・平成20年のと調査結果
この数字を単純に当てはめることはできませんが、会社勤めの人のうち
400万人から500万人の人達には、退職金制度が全くないことになります。
また、中小企業の退職金として、40年勤続で定年を迎えて、受け取れる
金額は、平均1,000万円くらいです。
一方、40年間会社勤めの人が受け取れる厚生年金は、男性で約16万円、
女性で約12万円です。
公的年金だけでは、リタイア後の生活は成り立たないし、退職一時金が
あっても、それでは不十分です。
そう、何を言いたいかというと、個人型確定拠出年金をもっと活用して
ほしいと思います。
この場合、ネックとなるのは、運営管理機関選びと掛金運用です。
確定拠出年金は、こんなにダメ、~~~だからダメというということを、幾ら
言っても始まらないので、今後は、DC=確定拠出年金(企業型・個人型)を
利用するときの、注意すべきポイントをお伝えして行きたいと思います。
1年間、「コンサルティングは自転車に乗って」をお読みくださり、
ありがとうございました。
来年も、宜しくお願い致します。
ご自愛のうえ、よいお年をお迎えください。
確定拠出年金制度の中での資産の運用は、分散投資が基本です。
「ひとつ籠に卵を盛るな。」です。
日本株式の期待リターンを5%、リスクを20%として考えてみます。
(日本株式の期待リターン=5%、リスク=20%は1級DCプランナーの資格
更新テキスト2008年度版応用実務編を参考にしています。)
10,000円で買った日本株が1年後に10,500円になることを期待していたと
します。リスク、つまり将来リターンとのズレ=リスクは20%です。
リターンに対するリスクは標準偏差という言葉で表します。
将来リターンとのズレは、約95%がプラスマイナス2標準偏差内に収まると
されています。
計算すると、5%以上に高騰すると、5%+2×20%=45%なので、14,500円
まで上がる可能性があります。
反対に大きく値を下げると、5%-2×20%=-35%なので、6,500円まで下落
するかもしれません。
単年度で見た場合、通常では10,000円が10,500円となると期待されますが、
14,500円から6,500までの間でずれる事があるということです。
14,500を超えての高騰や逆に6,500円以下になることは、100年に2~3回の
確立で起きる可能性があります。
10,000円が14,500円になるのは歓迎だけれども、6,500円は耐えられない
という場合は、株式以外の資産も運用商品に加えていきます。
リスクのない安全資産として、0.65%の金利の定期預金に資産の6割をシフト
するとどうなるでしょうか。
期待リターンは、5%×0.4+0.65%×0.6=2.39%となります。
そして、最大損失率は、(5%-2×20%)×0.4+0.65%×0.6=-13.61%
となります。
投資額が1万円なら、単年度での価格の下落は8,639円までになります。
(これ以上の下落は、100年に2~3回しか起こらない。)
このように、株式だけで資産を運用するより、他の資産を加えた方が、リスク
をおさえることができます。
彩コンサルティングのホームページもご覧下さい。
左下のブックマークにある「適格退職年金の移行コンサルティング」です。
ご質問やお問合せは、メールまたはお電話で。 goo0218_2007@mail.goo.ne.jp
04-2958-7612