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従業員退職金のコストを抑えて、役員退職慰労金を準備する。

2009-10-29 09:33:14 | 企業年金・退職金制度

10月15日、20日のブログで、企業型DC(総合型)で退職金制度を導入し
た場合と中小企業退職金共済を使った場合との、企業の負担額の違い
をお伝えいたしました。

保険商品を従業員の退職金の準備手段として使った場合と比較しても、
同じように企業型DCのほうがコストを抑えることができます。

保険商品を退職金の積み立て手段として使う場合は、『企業の運転資金
に流用したい。』ということがあると思います。
キャッシュフローがマイナスのとき、解約しないまでも契約者貸付に利用
したいと、お考えになる事業主も多いと思います。
契約者貸付ではなく、更に資金繰りに窮してくると、解約ということにもなり
ます。

事業主に考えていただきたいのは、退職金制度は何のために作るのかと
いうことです。
・企業の資金繰りのためか
・従業員の勤続、貢献に報いたいのか
二兎は追わないほうがいいでしょう。

従業員の退職金は、『退職金規程』がある限り、支給する義務が事業主
にはあるからです。

では、会社の資金繰りのためには、どうしたらいいか?
保険商品では、保険料の半分が損金になる、あるいは全額損金になる、
これは魅力的ですよね。
この機能は、従業員の退職金準備のためだけでなく、事業主や役員の
退職金慰労金の準備のためにも使えます。

役員退職慰労金は、定款の定めと株主総会の決議が必要です。
企業に利益がないときなどは、役員退職慰労金は支給しなくて済みます。
この点が従業員の退職金と違います。
ですから、企業の資金繰りのために保険商品を使うなら、役員退職慰労
金で行うべきです。

従業員退職金はコストを抑えて、支払うべき金額はきちんと支払う。
そして生じた余裕資金で、役員退職慰労金を充実させましょう。


DCにおける投資教育は、従業員にとっても事業主にとっても無駄ではありません。

2009-10-27 09:05:01 | 確定拠出年金・企業型

企業型DCを導入して、投資教育を行い、掛金の運用が始まると、従業員が
食堂で新聞の経済面を読むようになるということが、起きてくるようです。
はじめは数人だったのが、少しずつ増えていくとしたら、それは企業にとって
無駄なことでしょうか?

ライフプランについて考えてみる、結婚、出産、教育、住宅、老後生活等に
必要なお金についてどう貯めたらいいのかと考えていく、勧められるまま
加入していた保険商品の見直しをしてみる、こういったことは無駄ではない
ですよね。
右肩上がりの高度経済成長が望めない時代にあっては、とても大切なこと
だと思います。

「掛金を自分で運用」ということに対して、アレルギーがあるのなら、以上の
ような観点でとらえていただくと、少しアレルギーも緩和されるのではない
でしょうか。

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掛金を自分で運用するのは、日本人には向かないという議論について

2009-10-22 08:50:00 | 確定拠出年金・企業型

DCに否定的な意見の代表的なものが、
①投資教育にお金がかかる→かなりかかる!といわれていたりします。
②掛金の運用は日本人には向かない。
ではないでしょうか。

①については、10月15日と20日のブログで説明しています。
投資教育には、それほどお金はかからないし、投資教育の費用を入れても、
DCのほうが中退共よりコストはかなり安くなります。

では、②についてはどうでしょうか?
株式投資を始め、お金の運用に関心を持っている人たちの裾野は広がって
きていると思います。ファンドマネージャーではない普通の人たちが、自分
で勉強して利益をあげているとうことが、それほど珍しいことではなくなって
きています。

『運用』ということは、金融工学を本格的に勉強した人や、一部のお金持ちの
人たちだけのものではないのです。

「運用は日本人には向かない」とは、何を根拠にそういうのでしょうか?
暴論には暴論で対応するしかないと思うので、では、洗濯機や冷蔵庫は
日本人には使いこなせないか?パン食は合わないかというと、そうでは
ないですよね。『運用』だって同じです。

DC制度における投資教育の内容は、性別、年齢、学歴、職業に関係なく、
理解できると思います。

自分のお金にしっかりと働いてもらうという考え方は、大変重要です。
「投資教育」の中に詰まっている知識は、知っていて邪魔になるものでは
ありません。


企業型DCの投資教育に掛かる費用はどれくらいか?

2009-10-20 09:29:45 | 確定拠出年金・企業型

中退共と企業型DCの負担額の差額は、DCを総合型で導入した場合、
112万円です。(←10月15日のブログ)

投資教育には、従業員1人112万円も掛からないです。
112万円というのは、文系私立大の1年間の授業料より高いですよね。
そこまでの投資教育というのは、あり得ないと思います。
例えそれが42年間(18歳入社で60歳定年までの42年間)で行われると
してもです。

投資教育は、導入時セミナーが1回6万円くらいが相場です。
従業員が100人として、3回に分けて行ったとしても、18万円です。
従業員1人当たり1,800円です。スターターキット代を入れても、たいした金額
にはなりません。

企業の負担額というと、中退共と企業型DCでは、企業型DCのほうが負担が
かなり少なくて済むということになります。

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中小企業退職金共済と企業型DCの掛金負担額の比較です。

2009-10-15 09:08:00 | 中小企業退職金共済

中退共と企業型DCの掛金負担額の比較です。

・定年・・・・・・・60歳
・勤続年数・・・・・42年
・平均退職金・・1,000万円
・退職金算定基礎給と支給率
     ・・・東京都の統計資料(300人未満の企業の平均額)より作成

■中退共(運用利回り1%)
 従業員1人の掛金総額・・・842万円

■企業型DC(運用利回り2%)
 従業員1人の掛金総額・・・708万円

企業型DCの方が、134万円少なくて済みます。

でも、手数料とか投資教育の費用とかという声もありますよね。

例えば、100人の企業で企業型DCを総合型で導入した場合、
運営管理機関に毎年払うランニングコストは、年額51万円※ですので、
従業員1人に対して5,100円です。
42年間で214,200円となります。
このほかに、初期費用(イニシャルコスト)が3万円※ですので、こちら
は1人当たり300円です。
よって、従業員1人の手数料合計は214,500円となります。

先ほどの中退共と企業型DCの掛金負担額の差額の134万円から手数料
合計額の214,500円を引くと、1,125,500円となります。

さて、投資教育にかかる費用は?ということになります。
結論を言えば、従業員1人に対して、112万円もかからないです。
                                 →続く

※手数料については、あいおい損保の総合型を参考にしています。
 比較的安いと思います。SBI証券も安いようです。


       


適格退職年金から中小企業退職金共済への移行は、意外と面倒です。

2009-10-13 09:32:49 | 適格退職年金

今月10月1日のブログでも書きましたが、適年を中退共へ移行するのは、
意外と面倒です。

中小企業が適年を移行する場合、中退共というケースが多いと思います。
中退共の利用では、事業主と中退共で直接やり取りをする仕組みです。
もちろん適年からの移行では、委託先の金融機関もかかわってきますが、
それは適年の積立金を従業員別の持ち分に分けて、中退共へ振り込むと
いうことが主な業務です。

では、適年を中退共へ移行するのは簡単か?というと、そうではありません!
結構手間が掛かります。

退職金規程で定められている支給率は、S字カーブを描くものが少なくあり
ません。
一方で、中退共の掛金は、5千円から3万円まで16種類です。
この掛金を使うと、S字カーブを描けるか???です。

企業によっては、毎年中退共のホームページから積立金を把握して、掛金を
調整していく方法をとっている所もあります。
これは、面倒だと思います。担当者が変わるとできなくなるかもしれません。

退職一時金制度の内枠にすれば、いいじゃないか!
確かにその通りです。

足りない部分は保険商品を使えばいいんだ?
それはちょっと、待ってください。

まずは可能な限り、中退共で使いやすいルール、掛金テーブルを作りましょう!

私のやり方が、必ずしもいいというわけではありませんが、以上のようなことを
11月2日(木)のセミナーでお話ししたいと思います。
ぜひ、お越しください。

10月6日のブログでご案内してあります。







適年の移行、退職給付制度の変更に関する「新たな業務」の開始について

2009-10-08 10:08:31 | 適格退職年金

適格退職年金の移行、退職給付制度の変更に関して、コンサルティング業務以外
に『アドバイス業務』を開始いたします。

適格退職年金の移行については、委託先の生命保険会社でやってもらうけれど、
全面的に信頼して任せるのはちょっと不安。顧問の税理士、社会保険労務士は、
どうも詳しくないようだ。時々訪ねてくる保険会社の営業員も、養老保険を勧める
ばかりで。。。
といったケースは、よくあると思います。

そこで、コンサルティングを依頼する程ではないけれど、
・わからない点だけ聞きたい。
・金融機関からの提案についてセカンドオピニオンがほしい。
といったニーズはあるように感じています。

そこで、『有料アドバイス業務』を開始いたします。

有料のほうが、問い合わせしていただきやすいのではないかと思います。

また、これまでも、これは無料でお答えするのは。。。といった内容の
ことに、次につながればと、無料でお答えしたこともあります。
が、そういう場合は、次につながらないことのほうが多いです。

適格退職年金の移行期限や国際会計基準の導入が迫ってきていること、企業年金
の運用利回りの低迷といったなかで、相談先を求めている企業も多いと思います。

お役にたてることを願っております。

アドバイス業務についての詳細は、ホームページをご覧ください。


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11月12日(木)「適年から中退共への移行に伴う留意点」というテーマでセミナーを行います。

2009-10-06 08:59:30 | 適格退職年金

11月12日(木)にセミナーを開催いたします。
内容は『適格退職年金を中小企業退職金共済へ移行する際の留意点』です。

中退共は、適年の移行先として多くの中小企業が採用し、また、これから移行
先を検討しようとしている企業でも、中退共で検討している企業も多いようです。

中退共への移行は、どのような手順で行うのか、注意すべき点にはどのような
ことがあるのか等、実務経験をもとにお話いたします。

当日は、適年の移行、退職給付制度に関する個別のご相談も承ります。

■日時:11月12日(木)13時受付開始  

           13時30分~15時:セミナーおよび質疑応答   

           15時10分~16時20分:個別相談

■場所:朝霞市 産業文化センター

朝霞市大字浜崎669-1

     東武東上線朝霞台駅、JR武蔵野線北朝霞駅から徒歩5分

     http://www.city.asaka.saitama.jp/guide/bunka/commu/07.html

■参加費:3,000円(資料代を含む。)

■セミナーのお申込は、彩コンサルティングまで、メールまたはお電話で。

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ホームページにも、セミナーの案内を掲載してあります。


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現状の適格退職金制度と移行先のミスマッチ

2009-10-01 08:53:39 | 適格退職年金

適年の移行先としては、中小企業の場合、確定給付企業年金・規約型、
企業型・確定拠出年金、中小企業退職金共済ということになります。

このうち、確定給付企業年金・規約型は、移行後の積立不足への対応の
問題を考えると、中小企業に果たして向いているかということで、現実的な
移行先は、企業型・確定拠出年金(=DC)か中小企業退職金共済というこ
とになります。

さて、中小企業退職金共済は、中小企業の適格退職年金の移行先に向い
ているでしょうか?

企業としての歴史の長いケースでは、退職金制度がかなり古い上に、複雑
な計算をしていることがあります。
適年で、上記の退職金を準備するのは、問題がないのです。
ここで問題というのは、退職金の支給を適年の積立金から行うということに、
問題がないということです。
適年は、従業員1人1人ごとのお金を分離して積み立てている制度ではなく、
ファンドとしてまとめて管理しているからです。

これを、中退共や企業型DCに移行すると、従業員全体の退職金のファンド
としてのお金から、従業員1人ずつの退職金に分けてしまうことになります。

古い複雑な退職金のルールを、中退共や企業型DCのルールによる積立
方法に変換することになります。

中退共の掛金は、5,000円から30,000円まで16種類です。
あまり複雑でない退職金の支給ルールは、対応できますが、複雑な要素が
あると、中退共の掛金パターンでは、『無理』があります。

対処方法としては、
①中退共の部分を可能な限り小さくして、後は保険商品を使う。
 →この方法は、これまでこのブログで繰り返しお伝えしてきましたように、
  お勧めできません。
では、お勧めの方法は、
②現状の退職金のルールを変更する。
 →既得権を保証し、退職金制度の意義等を検討し、必要なら現在の退職
  金の支給の考え方を踏襲して、退職金規程を変更する。

②は、移行先のルールに合わせるためということで行うと、もちろん失敗しま
す。適年の移行を検討する際、企業としての退職金の意義、財務戦略・人事
戦略との整合性といった観点から、退職金制度を見直すということが必要だ
と考えます。