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厚生年金基金制度の廃止と中小企業共済の利用について

2013-06-04 10:47:03 | 中小企業退職金共済

昨年の11月21日に、中小企業退職金共済の減額に関する報道がありました。

厚生労働省が、中退共の減額の根拠としているのは、繰越決算金です。
繰越欠損金は、赤字のことです。
今年3月末で、1,741億円あります。
この繰越決算金の償却が、運用環境の悪化により、思うように進んでいない
のです。

一方、中退共の積立金は、約3兆7,700億円です。
現在の中退共の予定運用利回りは、1%です。

厚労省による中退共の減額案の解説の前に、中退共への加入が得か損か?
ですが、私は、あまりお勧めできません。

例えて言うなら、ある金融機関に37,000円預けていると1年で370円の利息
が付くけれど、知らないうちに1,741円減っていた、というのが今の中退共制度
です。

厚労省の中退共減額案は、
1.予定運用利回りを現在の1%から0.8%に引き下げる。
2.それに合わせて、現在の最低掛金を5千円から増やして、不足している積立金
  の上積みに充てる。
  ⇒つまり、積立不足を契約者=事業主に負担させる。

3. 基礎退職金に追加して加入者に支給している「付加退職金」を減額する。
   1%以上の運用益が出た場合、半分を受給者に支給していますが、支給する
   割合を下げて積立金に充当する。

となっています。

このところ、株価が上がってきているので、中退共の予定利回りの引き下げ等に
ついては、とりあえず棚上げされているようです。

しかし、問題は解決されたわけではなりません。

厚生年金基金の廃止案をうけて、基金の加算部分に代わる積立を中退共でと、
お考えの事業主もいると思いますが、慎重に検討されることをお勧めします。


11月25日に行ったセミナー「中退共とDC」について

2010-11-30 06:48:28 | 中小企業退職金共済

11月25日(木)川口総合文化センター(リリア)で行ったセミナーの報告です。

2部構成で、1部は私が「中小企業にとって使いやすい退職金制度・企業年金制度
とは?」ということで、中小企業退職金共済と企業型DCの比較を行いました。

2部は、地元川口の社会保険労務士の阪尾進さんが、「小さな会社でも利用できる
個人型確定拠出年金」について講演しました。

中小企業退職金共済と企業型DCの比較は、コストに比較です。
モデル企業(50名、退職一時金制度)の企業の退職金積立手段を中退共と企業型
DCを使って制度設計した場合で、お話ししました。
中退共の利回りは1%、一方企業型DCのほうは2%の想定利回りにしていますの
で、企業型DCのほうがコストは安くなります。年間手数料としては、中退共は内枠
なのでありませんが、企業型DCは総合型の手数料を参考にしました。

手数料を加味しても、企業型DCのほうが中退共よりコストダウンになります。

このセミナーで言いたかったことは、まだまだ中小企業には中退共というお考えが
多いことに対して、企業型DCをコストという面で比較してほしかったということです。

退職金制度は、規程がある、あるいは規程がなくても支払い実績があると、退職金
制度として存在することになります。
退職金制度は、従業員に対して40年~50年責任を負う制度です。
企業が右肩上がりで成長していくとは限らない時代、コスト抑えて、従業員に退職金
を確実に手渡すという観点は重要だと考えます。

2部では、阪尾社労士が、地元川口の厚生年金基金の解散に触れ、上乗せ給付が
ゼロになってしまった例を紹介し、「人に運用してもらって失敗するより、自分で運用
する個人型DCは、是非中小企業の福利厚生として利用してほしい。」と、話しました。

今後も、テーマを選んでセミナーを行っていこうと思います。

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中小企業退職金共済と特定退職金共済の通算制度

2010-11-23 09:17:33 | 中小企業退職金共済

中小企業退職金共済と特定退職金共済は、ともに中小企業の退職金制度として
利用されているものです。

中小企業退職金共済は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営しています。
一方、特定退職金共済は、特定退職金共済団体(市町村、商工会議所、商工会、
商工会連合会、都道府県中小企業団体中央会)が運営しています。

主務官庁は、中退共が厚生労働省ですが、特退共は国税庁(所轄税務署)となって
います。
特退共を運営するにあたっての必要事項は、所得税施行令第73条第1項に定められ
ています。

中退共は、掛金は5,000以上30,000円までの16種類です。
特退共は、1,000以上1,000円刻みで30,000まで設定することができます。

さて、中退共と特退共の通算制度ですが、
 中退共⇔特退共
と、双方向で可能です。

但し、条件があります。
①従業員が退職した場合
②中退共と特退共の間で、退職金の引渡と受け入れについて取り決めがあること

例えば、A商工会議所の特退共と中退共では通算制度について取り決めがあるが、
B市役所の特退共と中退共では通算制度の取り決めがない場合。
この例では、A商工会議所の特退共の退職金は中退共へ受け入れてもらえますが、
B市役所の特退共は、中退共に通算できません。

また、従業員が退職して受け取った退職金が対象です。

企業が、加入している特退共の運営に不安を感じたとしても、企業単位で中退共へ
移ることはできません。

ブログの更新を週1回に変更します。
これまで、ブログは週2回(火曜日と木曜日)に更新してきましたが、当分の間
週1回(火曜日)に記事を投稿することに致します。
仕事が詰まってきつつあるためです。
実務に則した内容をお届けするようにしたいと思います。
これからも、宜しくお願い致します。

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11月25日(木)にセミナーを行います。セミナーについては、10月28日の記事
  をご覧ください。
  また、ホームページの『セミナーのご案内』でもお知らせしています。


 
  


特定退職金共済や中小企業退職金共済を退職金制度としている場合の問題点

2010-11-16 08:43:11 | 中小企業退職金共済

中小企業では、退職金制度として、特定退職金共済や中小企業退職金共済を利用
している会社が多いと思います。

特定退職金共済は、実施している団体や地域により、特色がある内容で、中小企業
の福利厚生に役立っているものもあります。
掛金も1,000円単位(千円刻み)なので、中退共より使いやすいです。

中小企業が、特退共や中退共を使っている場合の問題点は?というと、掛金の管理
ができていないことだと思います。掛金の更新、増額について、ルールが曖昧になって
いるところが多いです。

同じ時期に入社、同じような仕事内容、同じような給与で、一緒に退職した時に特退共
から受け取った退職金額に差があるというようなことは、結構あるのではないでしょうか?
特退共が退職金制度の内枠なら問題ないのですが、特退共=退職金では、問題となる
可能性が大きいです。

特退共や中退共を退職金制度としている場合は、掛金テーブルとルールを検証する
ことをお勧めいたします。

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手数料のない中退共か、手数料を取られる企業型DC(または簡易型DB)か?

2010-08-05 09:10:23 | 中小企業退職金共済

「中小企業退職金共済は手数料がない」、つまり外枠での手数料がない制度です。
一方、企業型DC(確定拠出年金)やDB(確定給付企業年金)は手数料があります。

手数料のない中退共と手数料のあるDCやDBでは、退職金制度に必要なコストは、
中退共の方が当然少ないでしょうか

企業型DCには総合型という仕組みがあり、DBには簡易型があります。この二つは、
手数料が通常のDCやDBより少なく設定されています。
この総合型DCや簡易型DBと比較すると、必ずしも中退共のコストが少ないという
ことはないと思います。

ご存知のように、中退共の現行利回りは、1%です。
総合型DCや簡易型DBを使う場合、DCの想定利回りやDBの予定利率を2%とすると、
掛金だけの比較では、1%の中退共より2%のDCやDBのほうが、2割少ない掛金で
済む計算となります。

一般的に利回りが1%違うと、掛金コストは、2割少なくなります。

仮に、中退共の掛金が毎月1万円とすると、DCやDBの掛金は8千円です。毎月の
コストの差額は2千円ですので、1年間で2万4千円が浮くことになります。

総合型DCや簡易型DBの年間手数料が従業員1人当たり、年間2万4千円以内なら、
中退共よりトータルコストが少なくなります

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中小企業退職金共済と企業型DCの掛金負担額の比較です。

2009-10-15 09:08:00 | 中小企業退職金共済

中退共と企業型DCの掛金負担額の比較です。

・定年・・・・・・・60歳
・勤続年数・・・・・42年
・平均退職金・・1,000万円
・退職金算定基礎給と支給率
     ・・・東京都の統計資料(300人未満の企業の平均額)より作成

■中退共(運用利回り1%)
 従業員1人の掛金総額・・・842万円

■企業型DC(運用利回り2%)
 従業員1人の掛金総額・・・708万円

企業型DCの方が、134万円少なくて済みます。

でも、手数料とか投資教育の費用とかという声もありますよね。

例えば、100人の企業で企業型DCを総合型で導入した場合、
運営管理機関に毎年払うランニングコストは、年額51万円※ですので、
従業員1人に対して5,100円です。
42年間で214,200円となります。
このほかに、初期費用(イニシャルコスト)が3万円※ですので、こちら
は1人当たり300円です。
よって、従業員1人の手数料合計は214,500円となります。

先ほどの中退共と企業型DCの掛金負担額の差額の134万円から手数料
合計額の214,500円を引くと、1,125,500円となります。

さて、投資教育にかかる費用は?ということになります。
結論を言えば、従業員1人に対して、112万円もかからないです。
                                 →続く

※手数料については、あいおい損保の総合型を参考にしています。
 比較的安いと思います。SBI証券も安いようです。


       


ブログの閲覧は、中小企業退職金共済に関するものが増えています。

2009-08-11 09:22:12 | 中小企業退職金共済

このところ、ブログの閲覧は、中小企業退職金共済に関するものが増えています。
もともと、中退共に関する閲覧は多いほうでしたが、それでも最近は増えている
と思います。

・適年から中退共 仕訳
・中退共 会計処理
・中退共 退職給付会計
・中退共 掛金
・適格退職年金から中退金移行とハーフタックス
・中退共 退職給付債務
・中退共 債務
等など。。。

もちろん、確定拠出年金や確定給付企業年金に関しての閲覧や、厚生年金基金
に関してもあるのですが、確定拠出や確定給付についての閲覧はない日もあり
ますが、中退共に関しては、途切れずあるのです。

これをどう見たらいいか?です。

適格退職年金を中退共へ移行することを検討している企業では、相談に乗って
もらえるところがないのかな、と考えています。

生命保険会社では、適格退職年金の移行先を中退共として提案する場合は、
養老保険のハーフタックスプランと組み合わせるのが一般的です。
しかし、企業のほうは、昨年のリーマンショック以来、体力がなくなってきて
いますから、養老保険と組み合わせたプランは、受け入れる余地がなくなって
きていると思います。
となると、中退共を適年の移行先として選択できる規模の企業で、適年の移行先
を中退共だけでとすると、保険会社としてはあまり面倒をみる気にならないのかな?
ということですね。
そうすると、企業独自で適年を中退共へ移行することに取り組むことになります。

適年を中退共へ移行するのは結構面倒で、手間のかかる作業です。

適年を中退共へ移行する作業は、適年を確定拠出年金に移行する業務から投資教育
を除いたものと大体同じ分量の仕事があると思います。

適年を中退共へ移行する件で、お悩みの場合は、ぜひご相談ください。

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適格退職年金から中退共への移行における引渡金の計算の注意点

2009-06-18 10:00:00 | 中小企業退職金共済

適格退職年金から中退共へ移行する場合は、適年の積立金を従業員別
の持分額に分けてから、その持分額を中退共に引き渡すことになります。
引渡し方法は、中退共で定められています。

適年からの引渡金により、掛金納付月数を計算するのですが、その際
通算月数を優先させる方法を取ります。
通算月数と掛金月額をみて、引渡し金額に最も近いところの数字をとり、
通算月数と移行時の掛金額が決まります。
余ったお金は、残余の額となります。

まず、通算月数を優先するのですが、これをそうしないで、従業員全員一律
の掛金として、掛金額から通算月数をとり、残りのお金を残余の額とする
やり方で計算しているケースがあります。
生命保険会社が作ってきたプランで見かけます。

このやり方だと、残余の額が異常に多い従業員がいたりします。

これは問題でしょうか?

問題です!!

全員一律掛金として、残余の額が多い従業員は、適年の加入期間より短い
通算月数となってしまっているからです。

適年からの移行で、退職金制度が中退共のみとなる場合には、上記の従業員
では、退職時の退職所得控除の計算において不利になります。
中退共での加入期間が、適年での加入期間より短くなってしまうからです。

適年の制度廃止まで、もう3年ありません。
が、まだ丁寧な移行を行う時間はあります。

7月2日(木)適年の移行に関するセミナーを行います。
皆様の参加をお待ちしています。

☆当日は、適年の移行、退職給付制度に関する個別のご相談も承ります。

日時:7月2日(木)13時受付開始  

           13時30分~15時:セミナーおよび質疑応答   

           15時10分~16時20分:個別相談

場所:朝霞市 産業文化センター

     朝霞市大字浜崎669-1

     東武東上線朝霞台駅、JR武蔵野線北朝霞駅から徒歩5分

     http://www.city.asaka.saitama.jp/guide/bunka/commu/07.html

参加費:500円(テキスト代)

      テキストには、弊社が発行した「適年移行ハンドブック」を使います。
      上記ハンドブックをお持ちの場合は、参加費はいりません。

セミナーのお申込は彩コンサルティングまで、メールまたはお電話で!

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「中退共、会計処理、仕訳」について②

2009-01-15 10:23:23 | 中小企業退職金共済

退職給付会計を導入している企業で、退職給付制度を中退共と退職一時金
で構成しており、退職一時金の支払い準備のために養老保険を契約している
場合、従業員退職時の会計処理はどうなるのでしょうか。

退職一時金の支払いについては、会計上では、退職給付引当金を取り崩して
処理します。

退職給付会計を導入している企業の場合、従業員から労働サービスの提供
を受けた時点で、退職給付引当金繰入という費用を計上しているため、退職
一時金を支払った段階では、新たな費用は発生しません。

では、退職した従業員を被保険者とする養老保険の解約返戻金や満期保険
金は、どう処理されるのでしょうか。
解約返戻金または満期保険金>資産計上額の場合は、雑収入になり、課税
対象となります。
逆に、解約返戻金または満期保険金<資産計上額の場合は、雑損失となり、
利益が減ることになります。

退職給付会計を導入していない、退職給付引当金を計上していない企業の
場合は、退職一時金を支払った時点で費用が発生するので、養老保険の返
戻金などを、それにあてることが出来ます。

しかし、このブログのタイトルでもあり、先日1月13日のブログで書いた通り、
「中退共と会計処理、あるいは仕訳」といったことを気にしている企業は、前者
の退職給付会計を導入している企業だと思います。
そうすると、既にお分かりいただけていると存じますが、養老保険は無駄という
ことになります。

企業によっては、退職給付会計を採用しているにもかかわらず、適年を解約し、
退職給付制度を退職一時金制度のみとして、その準備手段に保険商品を契約
しているとしたら、大変問題ではないかと思います。
退職給付会計を導入している、あるいは導入しようとしている企業で、退職金の
支払い準備のためとして保険商品を使っている場合は、再検討をお勧めします。


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「中退共、会計処理、仕訳」について①

2009-01-13 10:12:43 | 中小企業退職金共済

少し前にも、ブログで書きましたが、私のブログを訪れていただいた方々
なかに、以下のような検索ワードによるもの昨年来目だっています。

・中退共 退職給付債務
・中退共 会計処理
・中退共 仕訳
・退職給付引当金 中退共

これが、確定拠出年金や確定給付企業年金ではありません。
つまり、
・確定拠出年金 退職給付債務 とか
・確定給付企業年金 会計処理 とかは
ないのです。

なんでかな~と、考えてみました。

的外れかもしれませんが、これは適年を中退共に移行したあとで、退職給付
会計による会計処理が問題となっているケースではないかと思います。
そして、養老保険のハーフタックスも絡んでいるのではないかということです。

「中退共と退職給付会計」については、昨年5月13日のブログで説明してい
ます。中退共が退職給付制度の内枠で、簡便法により退職給付会債務を
計算している場合の会計処理は、次のようになります。

①退職給付債務
  退職金規程に基づき、期末自己都合要支給額で計算します。
②中退共の退職金額
  中退共は退職給付債務の認識がいらない制度です。
  退職給付債務を計算する時には、中退共による積立額を控除します。
  そのためには、加入者である従業員の中退共での退職金額を決算月
  に受けとれるように中退共に頼んでおくと、計算し郵送してくれます。
③退職給付引当金
  ①から②を控除した金額です。

さて、ここで、適年の移行に際して、保険会社や保険代理店に勧められる
ままに、中退共と養老保険のハーフタックスにしている場合はどうなるで
しょうか。

既に何度もご案内しているように、保険商品での積立金は、退職給付会計
上の年金資産とはなりません。よって、退職給付引当金は減らないことに
なります。

では、退職一時金の支払いが発生した時は、どうなるのでしょうか。
                                  →続く