中小企業の退職給付制度の検証には、まず、その企業が厚生年金基金の
加入しているかを確かめましょう。当たり前のようなことだけど、必須です。
中小企業では、厚生年金基金に加入していても、それについて認識していな
いことも多いです。踏み込んで尋ねないと、分からない場合もあります。
中小企業の加入している、厚生年金基金総合型のほとんどは、破たん寸前と
いっても過言ではありません。
厚生年金基金は、国の厚生年金の代行部分(厚生年金の報酬比例部分)と
加算部分(企業年金)で構成されています。
主に中小企業が加入している総合型の厚生年金基金の約6割は、企業年金
の支給に支障をきたす状態です。
つまり、加算部分の積立金が不足しているということです。
更に深刻なのは、総合型基金の約4割は、企業年金が保てない状態、つまり
加算部分を維持する積立金がゼロとなっています。
今年3月末で制度の終了を迎える適格退職年金も積立不足が深刻でした。
が、適年は、一企業の判断で、どうするかを決めることができました。
総合型基金は、そうはいきません。
加算部分(企業年金部分)の維持に支障をきたす、あるいは加算部分が維持
できない状態というのを、適年の状態に置き換えると、相当程度積立不足が
ある、あるいは積立金ゼロの適年ということになります。
基金は、代行部分+加算部分で構成されているので、かなりの金額のお金が
あるように見えますが、分解して実態を見てみると、そうではありません。
総合型基金をやめる=解散は、一企業の判断だけではできませんが、個々の
企業の事業主に、注意を喚起することは必要です。