確定拠出年金法の改正の動向ですが、あわただしく衆院選となったこともあり、
実施されるのは、『拠出限度額の引き上げ』です。
拠出限度額の引上げは、平成22年1月1日から実施されることが決定しました。
【企業型】
・他の企業年金がない場合 月額4.6万円→月額5.1万円
・他の企業年金がある場合 月額2.3万円→月額2.55万円
【個人型】
・企業年金がないサラリーマン月額1.8万円→月額2.3万円
※自営業者の拠出限度額は 月額6.8万円で変更はありません。
拠出限度額の引上げに関しては、法改正を伴わず、政令の改正で可能です。
一方、確定拠出年金(=DC)制度に関連する法改正案が、衆議院解散の影響に
より廃案となり、期待されていたいくつかの改正事項の実現はなりませんでした。
廃案になってしまった法案は二つあります。
①被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
②企業年金制度等の整備を図るための確定拠出年金法等の一部を改正する法律案
①には、「60歳以降の拠出容認」や「個人型脱退一時金請求の要件緩和」等が
含まれていました。
②には、「マッチング拠出」が盛り込まれておりましたが、先送りとなりました。
確定拠出年金を、リタイア後の生活資金を準備する手段として、活用されるためには、
より一層使いやすい制度にすることが望まれます。
有料で退職金制度の新規導入のコンサルティングを行った企業の事業主から、
『退職金制度運用マニュアル』も作ってほしいというご要望がありました。
最初にお約束した業務の中には入っていなかったのですが、『退職金規程』の
応用編ということでもあり、重たい作業ではなかったので、お引き受けしました。
結果としては、『退職金制度運用マニュアル』は、作って良かったと思います。
いつもは、『退職金規程』を作ってお渡しするので、『運用マニュアル』を作る
ことまでは考えてもみませんでした。が、『運用マニュアル』を作ることによって、
『退職金規程』も再度見直し・検討することができました。
通常は、『運用マニュアル』を使って、退職金制度を運用します。『退職金規程』
を見るよりは、『運用マニュアル』のほうが従業員も分かりやすいし、担当者も
扱いやすいと思います。
今後は、コンサルティングの業務内容に『退職金制度運用マニュアル』も入れ
ようと思います。
また、同じ事業主から、退職金(実はポイント式退職金です。)を計算し、累計
するエクセルシートも作ってほしいということも言われました。
こちらは、これまでも、必要な場合は、エクセルシートをお渡ししていました。
退職金制度の初期診断や分析、制度設計に使ったエクセルシートを整理して、
必要なところだけを残したものに作り直します。
エクセルシートの方は、これまで同様、ケースバイケースとなると思います。
その企業に、エクセルを扱える人がいる場合は、企業内で使いやすいものを
作って頂いた方が良いですから。
事業主からのご要望は、コンサルティング内容のレベルアップになります。
今回も、勉強させていただきました。ありがとうございます。
前回のブログでお伝えいたしましたが、退職金制度の新規導入で、「準備手段
としては、保険商品を使いたい。」という企業の退職金制度の制度設計をさせて
いただきました。
有料のコンサルティングです。
え~、これまで散々退職金制度に保険商品を使うなと言っておいて!?と
思われる読者もいらっしゃると思います。
(実際の現場では、結構柔軟に対応しています。ホントですよ。)
事業主のご意向、企業風土、企業規模等により、判断させていただくようにして
います。
この企業の退職金制度の対象となる社員は、20名以下です。
定年は、60歳ですが、従業員の平均勤続年数は短いです。
3年以上勤続した従業員で、10年くらい勤めた人にはだいたいこのくらい渡したい、
退職金額には在職中の貢献度により差をつけたいということでした。
作ったのは、ポイント式退職金です。
ここで、コンサルを終わっても良かったのですが、保険商品の内容も検討してほしい
ということで、事業主のお知り合いの保険代理店から取った見積もりを検討させて
いただきました。
まず、保険料が事業主の考えている金額よりも高かったのです。退職金規程の内容
とのミスマッチもありました。
そこで、もう少し返戻率の良い商品ということで、別の代理店からも別の保険商品の
見積もりを取ったところ、事業主のお考えに近い保険料が出てきました。
一番大事な10年目の解約返戻金は、10年目の退職金より少し少ないですが、その点
は手出しできる金額ということでした。
保険料は、最初のプランより、約50%安くなりました。
年間のコストダウンの半額くらいがコンサルティング料でした。
個人のFP相談と同じです。
ファイナンシャルプランナーに個人の生命保険の見直しやライフプラン相談を
頼むと、有料ですが、加入している保険商品の見直しによる家計への負担減の
約1年分だけ考えても、FP相談料は十分元が取れます。
企業の退職金制度についても、それと全く同じことが言えます。
ご質問やお問合せは、メールまたはお電話で。
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左下のブックマークにある「適格退職年金の移行コンサルティング」です。
最近、退職金制度を始めて作るという企業に、何社かお伺いしてお話をする
機会がありました。
そのうちの1社は、保険会社に相談し、保険=養老保険のハーフタックスを
使って、退職一時金制度を作ってしまった会社でした。
もう1社は、退職金の準備手段としては、保険商品を使いたいけれど、まず
内容の検討から始めたいという会社でした。
退職金制度を始めて作る時は、毎月どれくらいの金額なら退職金の支給の
ために使えるか、ということが重要です。
どんなに内容がよくっても、会社の負担になっては、維持できなくなりますから。
その上で、どんな仕事をしてくれた人に、いくら支払いたいかということです。
つまり、退職金の意義、人事戦略や財務戦略との整合性ということが求めら
れます。
最初の会社は、失敗しています。
大体いくらくらいの退職金ということで、勤続年数に比例した金額を設定し、
毎月払える範囲での保険料を設定して、保険契約しています。
退職金制度の内容と準備手段が、企業にあっていないのです。
保険商品の販売がまずありき、の退職金制度なのです。
後の会社は、事業主と打ち合わせを行って、制度設計をまずしてから、保険
商品の検討を行いました。制度設計した内容にあわせた、あまりかけはなれ
ていない保険商品を検討してご提案いたしました。
そうです。後の会社は、有料でコンサルティングした企業です。
最初の会社は、事業主から、「どうも退職金制度がしっくりしない気がする。」
ということで、お問合せがあった企業です。
保険商品を使う場合にも、まず制度設計だと思います。
いえ、保険商品を使うからこそ、その前に制度設計が必要です。
そして、退職給付会計の影響も、当然抑えておくべきですので。。。
適格退職年金の移行先として、確定給付企業年金(規約型)は、中小企業に
とっては、やはり重たい制度だと思います。
確定給付企業年金は、
①加入20年で年金での給付、加入3年で一時金の受給権が発生します。
適年では可能だった、「定年時のみの給付」は認められていません。
②年金財政決算、再計算での検証が必要となります。
厚生年金基金と同様に、「継続基準」、「非継続基準」による検証が必要です。
③制度終了(解散)時の取扱が厳格化されています。
積立不足のままでは、制度を終了することができません。また労使の合意が
必要で、適年のように事業主の都合で解約することはできません。
ということ等が、確定給付企業年金法で定められている制度です。
今、いろいろな金融機関が盛んに勧めている、簡便型の確定給付給付企業年金
でも、上記のような制約は受けます。
簡便型の確定給付企業年金は、制度設計が金融機関にとって、“簡便”なのです。
確定給付企業年金=DBでは、計算利率を適年の場合より、小さい数字にしている
ことが一般的です。
計算利率の数字が小さいということは、それだけ事業主の負担は増えるということ
です。
簡便型のDBでは、「適年の積立不足は持ちこまない」仕組みです。
一見、いいようですが、でも、適年の積立不足分は、その企業の退職給付制度で
の積立不足ですから、退職金規程を減額しない限り(労働条件の不利益変更に
なります。)、企業・事業主が何らかの方法で、手当することになります。
金融機関は、この不足分を保険商品で、と提案しています。
そう、養老保険のハーフタックスです。
もう、これだと、大変重たい制度、事業主の『掛金+保健料負担』が重くなります。
適格退職年金の移行先について、どうしたらいいか、事業主と検討したり、
打合せをしていて、思うのですが、『事業主が、DC=確定拠出年金の導入
に否定的な場合には、DB=確定給付企業年金の導入は無理だ。』ということ
です。
DCの導入に否定的な事業主は、掛金の運用ということ、つまるところ『運用』
を嫌っていることが多いようです。
そうすると、DBの導入は可能かということですが、『運用』そのものを嫌っている、
あるいは理解しないということだと、DBは無理だと考えます。
DCの導入に否定的な事業主は、
・従業員に掛金の運用などできない。
・掛金の運用という、そんな危険なことを従業員にさせられない。
・運用の失敗により退職金額が減るということはあってはならない。
と、考えています。
では、こういう事業主にDBの運用はできるのかということです。
DBは積立金の運用責任が、事業主にあります。
従業員の個人レベルの掛金の運用を否定する事業主が、企業年金の積立金
の運用責任を負えるのかというと、無理だと思います。
企業によっては、事業主を適年移行の担当者と置き換えて読んでください。
とすると、移行先は、もう中退共しかありません。
特に中退共を勧めるわけではないのですが、また中退共には加入要件もあり
ますので。
要するに、『DCは運用が問題。だからDBにしよう。』という論理は、おかしいと
いうことです。
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確定給付企業年金では、積立金=年金資産の運用責任は事業主にあると
しています。
「この点についての説明が、金融機関から事業主に徹底していないのでは
ないか」、と、先週2日に行ったセミナーで、参加された方からご指摘があり
ました。
金融機関は、その点は抜かりなく行っていると思うのですが。。。?
それで、金融機関が企業に提出した確定給付企業年金の提案書、説明書で、
手元にあるものを見直してみました。
気になったのは、運用責任の説明より、計算利率については2%とか、3%とか
記載されているのですが、リスクの数字については説明がないことです。
「『計算利率は将来の積立不足が発生しにくい』数字で2%としています。」
等といった説明文になっています。
確定給付企業年金の積立金は、一定割合を株式市場で運用します。
ですから、計算利率が2%なら、予定運用利回りも2%として、だったら、リスク
=ぶれ幅=標準偏差は、どのくらいを考えているのか、説明がないのです。
これでいいのかどうか、考えてしまいました。
リスク=標準偏差は重要だと思います。
積立金の運用において、どのくらいのリスクがあるのか、どのくらいぶれるのか
は、運用責任を負っている事業主にとって、重要な判断材料だと考えます。
そういった説明は、必要だと思うのですが、どうでしょうか?
先週、ブログの読者から、「適年からDC(=確定拠出年金)に移行する場合、
適年に積立不足があっては、移行できないのか?」というご質問のお電話を
頂きました。
お電話では、
①適年からDCへの移行において、積立不足があっても移行できる
スキームがあります。
②適年の積立金と同額まで、責任準備金を減額することによって、
可能となります。つまり責任準備金と積立金が同額となるので
積立不足はないということになるからです。
とお答えしました。
この『適年に積立不足があるとDCに移行できない』は、全くそのとおりなので
すが、適年からDCへの移行のために、適年の積立金と同額まで責任準備金
を減額できるということは、意外と知られていないようです。
この他にも、積立不足を一定額だけ補填し、残りの積立不足に見合う分だけ
責任準備金を減額することにより、責任準備金=積立金とする方法もあります。
その上で、上記のご質問を頂いた方から、『責任準備金を減額するということは、
退職金規程を変えないといけないのか?』と聞かれました。
これも、よく問題とされるところです。
適年をDCへ移行する場合に、責任準備金を積立金と同額まで減額することは、
あくまでもDCへ移行するための便宜的な措置なので、『退職金規程』を変更
するということではありません。
『退職金規程』で、支給すべき金額の準備手段である適年の責任準備金を減額
したということは、減額分は何らかの方法で補う必要があるということです。
例えば、適年(減額分)=DCなら、退職金規程の残りの部分は退職一時金と
いうことになります。
適年の決算内容、企業の財務状況、企業風土などを検討しないと、どのような
やり方がいいか、適切な答えはでてきません。
同じようにお悩みの場合は、是非ご相談ください。
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適格退職年金の移行状況は平成20年3月末では適格退職年金の件数は
32,826件でしたが、平成21年3月末で25,464件となりました。
この1年間で、7,362件減少したことになりますが、このペースでは、
廃止期限までに移行が完了できないことが懸念されています。
適格退職年金を制度の廃止期限までに移行しない場合、その後の契約
内容がどうなるかははっきりとしていません。が、平成24年4月以降は税制
の優遇措置がなくなる公算が大きいようです。
たとえば、企業が拠出する掛金の損金算入を継続できたとしても、従業員
が退職時に受け取る退職一時金は退職所得でなく一時所得となり、年金で
の受け取りについては公的年金等控除が適用されず、従業員や受給者は
不利益を被ることになります。
適格退職年金の資産は、本来加入者である従業員や受給者のものです。
従業員が不利益を被るという視点から適年の移行を促すというのも一つの
方法かも知れません。
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