健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

皮膚細胞から血小板を作製!

2010-11-24 07:47:32 | 研究
ヒトのiPS細胞(新型万能細胞)から止血成分の血小板を作り出し、マウスの体内で出血を抑えることに、東京大医科学研究所のチームが世界で初めて成功したそうです(YOMIURI ONLINE)。まず、ヒトの皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入してiPS細胞を作製。その後、血小板に変化させたそうです。そして、毛細血管を傷つけたマウスに注射すると、血小板は傷口に付着して穴を塞いだということです。生体内の血小板の寿命は3~4日と言われています。これと同様に、輸血用の血小板も保存期間は4日間だそうです。これでは、献血を毎日実施して、新鮮血を集め続けないといけません。また、血液や他の血液細胞と同じように血小板を輸血する場合、血液型が一致しても拒絶反応が起きることがあるそうです。しかし、iPS細胞なら患者本人や、適合性が高い人の細胞から作製することができますし、またそれを凍結保存できるそうです。また、血小板は巨核球の細胞質がちぎれてできたものであり、核を持ちません。そのため、iPSから作製した細胞が持つがん化の危険性がありません。したがって、iPS細胞から作製した血小板の有用性は極めて高いということになります。これは、かなり早くヒトへの治療に使われるようになるのではないでしょうか。
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