健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

国際宇宙ステーションで免疫力の謎、解明へ

2013-03-12 08:30:24 | 研究
少し前になりますが、欧州宇宙機関(ESA)は国際宇宙ステーションで行われた、微小重力下での免疫の働きを観察する実験の概要を紹介したそうです(レスポンス)。人間は宇宙に到達すると免疫が低下することが確認されていますが、現在まで何が免疫システムを阻害しているのかは不明でした。国際宇宙ステーションで、人間の免疫細胞を微小重力下で浮かばせ、他の免疫細胞には遠心分離機によって重力が発生する状態を作りだし、これらの細胞を地球に戻ってから分析したそうです。その結果、地球の重力と同じ環境にあった細胞は、重力の無い環境にあったものより健康であったというのです。そしてそれらのサンプルを比較することで、免疫細胞の中のRel/NF-kB 伝達経路が、無重力下で活動を停止していることがわかったというもの。免疫細胞の微小重力下での研究は、関節炎などの自己免疫疾患に苦しむ人々の助けとなり、また医薬品産業は特定の病気と戦うために活動の必要な遺伝子の発見や、適合する抗体の生産を可能にすると紹介しています。
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