健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

細胞から細菌を排除するための鍵分子

2013-12-12 08:30:24 | 研究
シグナル伝達分子8-ニトロサイクリックGMPが、細胞内からの細菌排除を促進する鍵分子であることが明らかにされたそうです(QLife Pro)。身体は、細胞内に侵入した異物を選んで取り除くという仕組みを持っているのはご存知かと思います。そのための目印は、何らかの分子が担うと考えられていたそうです。今回の研究で、一酸化窒素の分解で生成する8-ニトロサイクリックGMPという分子が、細菌の表面に結合して、選択的オートファジーで分解するための目印となっていることが発見されたそうです。さらに、この分子を細胞外から補うことによって、細菌の排除が促進されることも分かったとも。つまり、細菌を直接殺す抗菌薬を用いなくても、細菌に目印をつける過程を補助することで、人間が本来持っている免疫機能によって細菌を排除できるということになるそうです。細菌感染が起きると、人間の細胞は防御のために一酸化窒素をつくるそうです。これまでは、一酸化窒素が直接細菌を攻撃してダメージを与え、殺菌すると考えられていたそうです。細菌が排除されるオートファジーでは、同様の目印としてユビキチン鎖というタンパク質からなる標識が知られていました。今回の研究により、細菌表面にまず8-ニトロcGMPが結合して、その後ユビキチン鎖が付加されることも判明したそうです。つまり、8-ニトロサイクリックGMPは、排除するべき異物の目印のうちで最も初期に活躍する分子であるということが分かったということです。
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