インフルエンザの多様なウイルス株に対して有効に作用するワクチンの開発に向けた大きな一歩を踏み出したとする研究論文が、NatureとScienceに1編ずつ発表されたそうです(AFPBB NEWS)。いわゆる「万能ワクチン」は、インフルエンザに対する予防接種の取り組みの至上目標となっているそうです。世界保健機関(World Health Organization、WHO)によると、絶えず形を変えるインフルエンザウイルスにより、毎年最大50万人が死亡しているそうです。20世紀には、壊滅的な大流行が世界規模で数回発生。1918年のスペイン風邪の大流行では、2000万人以上の命が奪われたそうです。既存のワクチンは、常に突然変異を繰り返すインフルエンザウイルスの一部をターゲットとしているため、製薬会社や保健当局は毎年、新しいワクチンを供給。しかし、今回の研究では、インフルエンザウイルスの従来のワクチンとは異なり、より不変性が高い部分を再現する最新ワクチンの効果を、マウスなどを用いて確認したというもの。この不変性の高い部分とは、インフルエンザウイルスの表面にあるスパイク状のタンパク質「赤血球凝集素(ヘマグルチニン、HA)」の茎部だそうです。先端の「頭部」が変化してもほぼ同じ状態のままであることは長年知られていたそうです。ですが、これまではこの茎部を用いて実験動物や人間で免疫反応を誘発することはできなかったそうです。
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