健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

オメガ3脂肪酸と認知症

2015-09-13 08:30:28 | 研究
オメガ3脂肪酸を多く含む魚油サプリメントは、認知機能低下を抑制する効果はないとする研究結果が、Journal of the American Medical Association(JAMA)に発表されたそうです(AFPBB NEWS)。対象者を無作為に2グループに分け、一方のグループにプラセボ(偽薬)を、もう一方にはオメガ3脂肪酸(ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA))を含む錠剤を摂取させたそうです。対象者には、記憶および認知機能のテストを調査開始時に実施。そして、2年後と4年後に同じテストを受けてもらったそうです。その結果、各グループの認知機能テストの点数は、時間とともに同程度減少したそうです。オメガ3脂肪酸は魚油などに含まれ、サケ、マグロ、オヒョウなどの魚を定期的に食べる人は、これらの種類の魚を食べない人に比べて、目、心臓、脳などの健康状態が良好であることは示されているそうです。ですがオメガ3脂肪酸を錠剤で摂取した場合は、そうした効果は得られないようです。2011年の先行研究でも、一般に販売されているオメガ3サプリメントに、心臓疾患のある高齢患者の脳の健康を向上させる効果はないとしているとのことです。今回の最新研究は、失明の主な原因の1つとされる「加齢黄斑変性」と呼ばれる眼疾患の患者を対象としたものだったそうです。調査対象となった患者は平均年齢72歳の高齢者で、全体の58%が女性だったとも。国際アルツハイマー病協会(Alzheimer's Disease International、ADI)によると、世界の認知症患者数は現在約4700万人に及び、2050年にはこの数字が1億3200万人に達すると予測されているそうです。
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