健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

運動不足による健康問題

2016-08-06 08:30:00 | 研究
日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)に上ったとする研究論文がThe Lancetに発表されたそうです。この損失額は、医療費538億ドル(約5兆6000億円)と生産性の損失による損失額137億ドル(約1兆4000億円)に大別されるそうです。このうち医療費については、税金からの拠出が312億ドル(約3兆3000億円)、医療保険会社を含む民間セクターによる支払いが129億ドル(約1兆4000億円)、家計が直接負担した分の97億ドル(約1兆円)。研究では、世界人口の93%を占める計142か国についての経済情勢や人口データを基に調査。ただ、これらのデータは、冠動脈性心疾患や脳卒中、2型糖尿病、乳がん、結腸がんなど、運動不足に起因する疾患のうちの5つのみを対象としたものであるため、数字が過小評価されている可能性が高いとも。運動不足の世界的な「流行」がもたらす経済的損失の推計を行ったのは、今回が初めてで、座ってばかりの生活スタイルに関連する要因で、毎年500万人が命を落としていることいなるもよう。別の研究によると、日々8時間以上座る人は、少なくとも1日当たり1時間の運動を行うことで、増加する死亡リスクを帳消しにできるとも。世界保健機関(WHO)は、1週間に150分以上の運動を奨励していますが、これは100万人以上のデータを分析した研究論文が推奨する1日60分よりも大幅に少ないものです。今回の研究対象者では、1日に1時間以上運動していたのは全体の約4分の1にすぎなかったそうです。
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