国立がん研究センターは先月18日、野菜・果物の摂取が日本人男性に多い、下部胃がんのリスクを低下させるとの調査結果を発表したそうです(財経新聞)。調査では、研究に協力した日本人19万1,232人を11年間に渡ってアンケートなどで追跡。そのうち胃がんになった2,995人について摂取量カテゴリーごとの胃がんリスクを比較。胃がんになった人のうち、胃の上部1/3に発生したのは258人、下部2/3に発生したのは1,412人。下部胃がんについては、男性の場合は、野菜の摂取量が多いほど、リスクが低い傾向が認められたそうです。女性においては差が無かったとも。抗酸化作用のある成分に富む野菜・果物には胃がんの原因であるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などによる細胞のDNAへのダメージを抑える働きが期待され、これまでの研究でピロリ菌感染が下部胃がんのリスクを高めることが確認されているそうです。今回の調査で、野菜がピロリ菌による発がんに予防的に働き、よりピロリ感染との関連が強い下部胃がんリスクの低下がはっきりとみられたと推察されるそうです。女性が野菜摂取と下部胃がんとの関連性が見られなかった理由は、女性は野菜摂取量が男性に比べて多く、リスクになるほど不足している人が少なかったためではないかということです。
最新の画像[もっと見る]