健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

待望の肥満防止薬

2010-11-20 07:31:28 | 研究
食事の量を減らさなくても体重の増加を抑える「肥満防止薬」を合成することに、米ジョンズホプキンス大学などのチームが成功したそうです(YOMIURI ONLINE)。チームは、人間や動物の中枢神経に作用して強い食欲を引き起こし、肥満をもたらすホルモン「グレリン」に着目したそうです。グレリンは特定の酵素の助けが必要なことから、この酵素を邪魔する物質を合成したということです。そしてこの物質を注射したマウスと、しないマウスに高脂肪のエサを与えた体重を比較した結果、食べる量は変わらないのに、注射したマウスの約1か月後の体重増加は10%以内にとどまったのに対し、投与しないマウスは20%程度体重が増えたという驚きの結果が。合成した物質は食欲には影響がなく、食物として摂取した糖などの代謝能力を高めていたということです。摂取したエネルギーの消費量を増やすことで、体重の増加を抑えるらしいです。まだ、動物実験の段階ですが、いずれヒトでも効果検証がなされるのだと思います。待望の薬ですね。
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グローバルCOEとグローバル30

2010-11-19 07:37:17 | 研究
また事業仕分けで大学における研究拠点の形成に係る事業が仕分けられました。日本の遅れている国際化を推進する「国際化拠点整備事業」(グローバル30)と、研究拠点整備や博士学生育成の「グローバルCOEプログラム」です。こうした拠点作りは、経済界からも強い要望があります。それは、こうした拠点が形成されることで、世界各国から優秀な人材が集まるからです。これは、日本の国際競争力を確実に高めてくれると考えられます。これらの事業関連の予算削減反対を訴える有識者などには、張富士夫トヨタ自動車会長、小林陽太郎元富士ゼロックス会長、内永ゆか子ベルリッツインターナショナルインク会長、などなど(日刊工業新聞)。こうした分野は、成長戦略に入っていないのでしょうか?もちろん、全ての予算が適切に使われているかを点検する必要はあると思います。でも、研究を行うには優秀な人材がたくさんいなければなりません。つまり、膨大な人件費が必要になります。いくら機械化が進んだとはいえ、論文を書いたりデータをまとめたりするのは人間が行う必要があります。そして、こうした研究の成果が上がるのは10年、20年、四半世紀ぐらいはかかるでしょうか。こうした視点で、日本の将来を考えてほしいですね。
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たしなむ程度の飲酒は脳卒中のリスクを軽減する!?

2010-11-18 08:09:46 | 研究
少量から中程度のアルコール摂取、いわゆる“たしなむ程度の飲酒”程度ならば、脳卒中リスクを軽減する可能性が報告されました(メディカルオンライン)。これまでも少量から中程度のアルコール摂取は、心疾患リスクを軽減することが報告されていますが、脳卒中との関係については十分に解明されていませんでした。一部の論文で、少量から中程度のアルコール摂取が脳卒中リスクを軽減し、また多量の摂取ではリスクが上昇することが示唆されていました。そこで、女性におけるアルコール摂取量と脳卒中リスクに関する調査を実施したところ今回のような結果が。これは、米国の女性の話ですので、人種差や性差があるかもしれません。その点はご注意が必要です。
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食塩摂取を減らして心疾患のリスクを軽減する

2010-11-17 07:29:09 | 研究
現在の10代の若者が食塩の摂取量をあと1日3gm減らすことができれば、50歳までの心血管系リスクが低下するという研究結果が報告されました(メディカルオンライン)。12~24歳の年齢層で高血圧が44~63%減少するだけでなく、彼らが50歳に達するまでの間に、冠動脈性心疾患が7~12%、心筋梗塞が8~14%、全死亡が5~9%、ぞれぞれ減少することが見込まれるそうです。といっても、実はこれは米国の若者を対象にした研究です。米国のティーンエージャーが他の年齢層より塩分摂取量が多いというのです(塩9.2gm/日あるいはナトリウム3800mg/日)。食塩摂取量を減らせば高血圧になっている10代の若者の数が少なくなり、彼らが年をとって中年になるまでの間における心血管系イベントの発生や死亡が減少する可能性があるというものです。果たして、日本人の若者はどうでしょう?
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第58回日本宇宙航空環境医学会大会が豊橋で開催へ

2010-11-16 07:24:32 | 研究
先週末、防衛医科大学校および所沢市民文化センターミューズにて「第56回日本宇宙航空環境医学会大会」が開催されました。毎年、この学会に参加しているのですが、再来年の2012年(平成24年)に第58回大会の大会長に指名されました。そのため、大会を豊橋にて開催することが正式に決定しました。実は神奈川県で開催されました第43回総会(以前は総会と言っていました)では事務局長として大会運営に携わりましたので、この学会大会にはなじみ?があります。でも何と言っても15年ぶりになるわけですので、気を引き締めているところです。宇宙医学、航空医学、環境医学という大きく3つの分野からなるこの学会は、大学の研究者はもちろん、宇宙航空開発機構(JAXA)、航空関係から防衛省関係まで、非常に広範な研究者がヒトの活動に係る医学的な問題について取り組んでいます。まさに、究極の健康科学と言っても過言ではないと思っています。一人でも多くの方に参加いただきたいと思っています。詳細が決まり次第、ここにも情報をアップしていきますので、よろしくお願いします。
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必要な事は全て米国で学んだ

2010-11-15 07:26:50 | 研究
ノーベル化学賞に決まった根岸英一・米国パデュー大学特別教授の受賞決定を祝う祝賀会が、米国イリノイ州シカゴ郊外エバンストンの日本総領事公邸で開かれ、日米の関係者ら約50人が集まって根岸さんの快挙を祝福したそうです(産経ニュース)。この会には2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授も出席したそうです。初対面の2人は「研究分野は異なるが、真理を追究することは同じ」と互いの功績をたたえ合ったそうです。そして会の冒頭、根岸教授は「わたしは日本人だが、プロの研究者として必要なものはすべて米国で学んだ」と挨拶したそうです。確かにそうかもしれません。でも、日本でも必要なことは学べると思います。ただ、日本人の研究者の留学者数が減少しているというデータもあることから、日本の科学技術にとっては、複雑な思いですね。また、日本にも多くの留学者がいます。こうした留学者がノーベル賞を受賞するというにも近い将来あるかもしれません。いずれにしても、日本の将来を決めるのは教育と研究だと信じています。この分野の予算削減はできるだけ避けてほしいと強く思います。
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猫の水の飲み方

2010-11-14 06:56:33 | 研究
猫の水の飲み方に不思議な事があったなんて知りませんでした。猫の飲み方を分析して、あのサイエンスに。これはすごい。ようは、視点ですね。物事をどのように見るか、見方によっては当たり前のことも当たり前ではなくなるかもしれませんね。さて、その内容ですが、下を水面に当てて、急速に舌を戻すと、水柱が一瞬できるので、その水柱を口でパクリというもの。舌で舐めているのではなかったのですね。驚きです。しかも、こうした舌と口の動きを1秒間に4回行っているというのです。犬は舌で水をすくい上げて飲み、馬は吸い上げるて飲んでいるそうです(YOMIURI ONLINE)。普段何気なく見かけている風景の中に、まだまだ不思議な事が潜んでいるかもしれません。身のまわりのことを見直してみましょう。
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1日にご飯3杯で糖尿病リスク?

2010-11-13 07:43:35 | 研究
1日にごはんを3杯以上食べる日本人女性は糖尿病の発症率が高いらしい。岩手や長野、茨城、沖縄など8県在住の45~74歳の男女約6万人を対象に、1990年代初めから5年間にわたり追跡調査した結果、これらの調査対象者のうち1103人(男性625人、女性478人)が糖尿病になったそうです。そして、米飯の摂取量との関連を調べたところ、女性の場合、1日に茶わん3杯を食べるグループは、糖尿病の発症率が1杯のグループに比べて1・48倍に、4杯以上だと1・65倍になっていたそうです。ただ、肉体労働やスポーツを1日1時間以上行うグループは、摂取量と発症率に目立った関連はなかったというのです(YOMIURI ONLINE)。一方、男性の場合は、女性に比べて摂取量との関連は小さいが、運動しない人の発症率は高まる傾向にあったそうです。しかし、米を多くとる女性の生活習慣などが糖尿病を引き起こしている可能性もあり、今回の調査からは、米が糖尿病の原因になっているとは断定できないそうです。研究グループは、米飯を含む食習慣全体をバランスよくすることが大切としています。でも、1日にご飯3杯は、普通では?これでは過剰なダイエットを奨励する結果になってしまうのではないでしょうか。
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野菜を食べて菓子やケーキを減らす

2010-11-12 06:30:02 | 研究
減量。1度は考えたり、試みたことがあるという方が多いのではないでしょうか。いろいろな減量法があると思います。食事療法はその代表的なものですね。食事療法はいつでも簡単に始められる半面、なかなか効果が出なかったり、挫折しやすかったり、と失敗する方も多いと思います。やはり、運動を取り入れないと厳しいのが現状?この減量のための食事療法を守れるかどうかは、特定の食物群の消費量を変えられるかどうかにかかっている?という発想で研究が行われたそうです。研究では、さまざまな食物群の摂取量変化が減量にどのような影響を与えるかを2年間に亘って調べたそうです。2型糖尿病患者45人と糖尿病でない患者277人を対象に、インターネットを利用した食物の摂取頻度に関する質問表を用い、11の食物群(飲料、野菜、フルーツ、乳製品、肉類、パン/シリアル/パスタ/ジャガイモ、菓子・ケーキ、豆類、魚類、油脂および卵)の摂取量の変化について調べたそうです。参加者の86%は男性で、中程度の肥満(体格指数31kg/m2)で、年齢は52歳でだったそうです。その結果、どの食事法でも特定の食物群の消費を変化させることで減量は達成できたというのです。特に、野菜の摂取を増やすことと菓子やケーキの摂取を減らすことが有効であるという結果だったそうです(日経メディカルオンライン)。食事の順番や速度なども関係あると思いますが、まずは野菜をたくさん食べて、おなかをいっぱいにすればよいのですね。そうすれば、菓子やケーキの食べる余地は少なくなっていくでしょうか。
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ビタミンDが2型糖尿病の発症に大きく影響

2010-11-11 07:45:09 | 研究
ビタミンDが欠乏している人では2型糖尿病のリスクが高いことが報告されているということです。これまで、ビタミンDに血糖を下げる効果があるとした報告や、インスリン感受性を改善して心血管疾患を減らすとした報告があるが、ビタミンDが糖尿病の発症に関与しているかは明らかではありませんでした。南アジア系の移民はビタミンDの欠乏率と糖尿病の罹患率が特に高いそうです。この南アジア系移民を対照とした追跡調査研究が行われたそうです。その結果、糖尿病の発症・進展にビタミンDが大きく影響している可能性が示唆されたそうです(日経メディカルオンライン)。今後は2型糖尿病の発症リスクに対して、ビタミンDの補充により血糖が低下するかを調べるというような介入試験が行われるのでしょう。ビタミンDの摂取不足が糖尿病発症の引き金になるかもしれないという非常に興味深い研究です。
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