宇宙空間を旅した種子から「宇宙アサガオ」を育ててきた京都産業大付属高校が、帰還2世代目となる株の開花で1株当たり300個以上の花がつく突然変異を確認したそうです(京都新聞)。市販種並みだった第1世代の6倍に上り、宇宙放射線の影響の可能性があるのかもしれません。この宇宙アサガオの種子は、2010年4月に山崎直子さん搭乗のスペースシャトルに15日間載せられたもののうち2粒で、同高が譲り受け、生物部が栽培してきたそうです。観察記録によると、第1世代の2株の種から育てた20株のうち18株が1株当たり193~652個の花をつけたそうです。開花期間は7~11月で、1株平均315個は第1世代の59個や、同時に栽培した市販2種の33個、20個を大きく上回ったそうです。つるが枝分かれし、花の数が増える「多分枝多花」だったとも。宇宙空間では1日1ミリシーベルトの放射線被ばくがあり、生物のDNA配列を傷つけると考えられています。変異した遺伝子が受粉で組み合わさる過程で、多分枝多花となるDNA配列が生じた可能性があるそうです。まや、多花になることで種子の総数は増えたそうですが、一つの花の種子数は第1世代と比べ17~20%減ったそうです。第2世代の花は夕方まで咲き続け、色も時間を追って青紫色から淡い紅色に変化するなど通常とは異なる特徴もあったことも。対照として、種子島宇宙センターからシャトルに載せなかった種子を譲り受けているとのことですので、第2世代から採れた種子と一緒に今月末にまいて成長を観察し、宇宙放射線の影響について明確にするそうです。
臓器や皮膚に肉芽腫と呼ばれるしこりができ、死亡するケースもある難病、サルコイドーシスがニキビの原因でもあるアクネ菌によって引き起こされるとみられることが報告されました(時事通信)。肉芽腫は、体内に入った細菌などの拡散を防ぐため、免疫細胞が菌を取り囲むように集まってできるそうです。内部にある菌が、肉芽腫が形成されるきっかけとなる物質と考えられているようで、今回の研究で肉芽腫内にアクネ菌を確認したもののようです。患者のリンパ節からアクネ菌が検出されることは分かっていましたが、皮膚に常在する他のアクネ菌が混入した可能性が否定できなかっそうですた。研究では、アクネ菌に反応する抗体を開発し、患者196人から採取したリンパ節と肺の組織に添加して顕微鏡で観察した結果、肉芽腫内に抗体が反応する円形の物体が多数存在することを突き止めたそうです。
ミツバチから採取した「ローヤルゼリー」に、放射線の内部被曝を予防する効果があることが分かったそうです(YOMIURI ONLINE)。ローヤルゼリーを1週間飲ませたマウスと、飲ませなかったマウスに微量の放射性ヨウ素や放射性ストロンチウムを投与して被曝状態にしたうえで、体内の複数の放射性物質を同時に観察できる特殊なカメラで解析したそうです。その結果、飲ませたマウスはヨウ素の体内の蓄積量が被曝後8時間で半分以下になったそうです。ヨウ素がたまりやすい甲状腺では、飲ませたマウスでヨウ素がほぼ消滅したとも。ストロンチウムも約50%多く排出されたということです。ローヤルゼリーの投与で体内の代謝が活性化し、体外に排出されたと考えられるそうです。被曝後のマウスに飲ませた場合の効果についても実験を進めているそうdです。さて、効果の程は・・・・・・。
心筋梗塞の治療後、発症が懸念される慢性心不全が、造血作用のあるたんぱく質「インターロイキン(IL)11」で予防できることが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。IL11は米国では別の病気の治療薬として承認されているそうですので、この実験結果を受けて研究と保険診療が併用できる高度医療の認定を国に申請する予定だそうです。国内の病院数か所で、75歳以下の24人に実施を目指すとのことです。厚生労働省によると、心筋梗塞による死者は年間約4万人だそうでう。心臓表面を取り囲むように走る冠動脈が詰まるため、その部分をステント(金属製の筒)で広げる治療が行われています。この治療後、血流を再開すると活性酸素が心筋から放出され、細胞が壊死することがあります。このため、治療成功後に約2割の患者が心不全となって体力が大幅に低下し、死に至る例もあります。IL11は活性酸素の発生を抑えるなどの心筋保護作用も持つことに着目し、心筋梗塞の治療後と同じ状態のイヌ6匹にIL11を注射すると、心筋細胞が壊死する範囲が注射しなかった8匹の半分程度にとどまったそうです。いろいろな事が明らかにされていますね。
重い歯周病を患う人ほど、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になる確率の高いことが、滋賀県長浜市民約6000人に対する調査でわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。成人の約8割がかかる「口の生活習慣病」と言われる歯周病。この歯周病と心臓疾患の関連性に関する研究報告はありましたが、メタボリックシンドロームとの関係は初めての報告ではないでしょうか。2009~2010年度に、40歳以上の長浜市民6627人(男性2170人、女性4457人)について歯周病の程度を「0~4」の5段階で評価し、腹囲などによるメタボ診断を行ったそうです。その結果、程度が「4」と最も重い歯周病患者でメタボの割合(男性21%、女性6%)は、歯周病でない人や「1~2」の軽い患者の数値(同16%、同3%)に比べて高かったそうです。メタボになるリスクは、「4」の歯周病の男性で1・3倍、女性で1・5倍になるそうです。歯周病になるとかむ力が落ち、栄養のバランスが崩れるためだろうということらしいのですが、さて・・・・・。
家系調査サイトを運営するアンセストリー・ドットコムは今月、99ドル(約8000円)で、ヒトゲノム(全遺伝情報)の約70万項目について、データベースにある他の人の情報と比較するというサービスを始めたそうです(The Wall STreet Journal)。同サイトの会員は約190万人で、ひと月の会費は12.95ドルだそうです。同サイトは遺伝子情報を使って顧客の民族的背景の系図を作成するほか、人々の間の知られざる生物学的関係を明らかにすることを行っているそうです。もちろん、登録されているデータとの比較だろうと思いますので、日本人のデータがどの程度蓄積されているかは不明です。ただ、見知らぬ人との関係が明らかになる可能性があります。もちろん、守秘義務は遵守されるようです。
気温も次第に高くなってきていますが、こうなってくるとそろそろ熱中症対策も必要になってくる時期です。熱中症の初期は、汗を出して水分が不足してきます。ですが、これは正常な体温調節機構ですので、十分な水分補給を行えば問題ありません。ただし、大量の発汗は塩分喪失も伴いますので、適当な塩分補給も必要になります。しかし、そのまま放置しておくと、体温調節機構そのものが破綻してしまいます。いわゆる熱射病です。こうなってしまうと、体温はますます上昇してしまい、高温に弱い脳細胞が死んでしまいます。つまり、生命の危機です。一刻も早い適切な処置が必要です。そんな熱中症対策として、こんなニュースが(NHK NEWSWEB)。今の時期からややきつい運動をして、その直後に牛乳を飲むことが効果的だというのです。前半の運動に関しては同意できますが、後半は少し変な気もして記事を読み進めてみますと以下のような解説が。この指針は、医師やスポーツなどの専門家で作る「日本生気象学会」がまとめたものだそうで、5月、6月から、汗ばむ程度のややきつい運動を一日30分行い、その直後に牛乳など糖質とたんぱく質を含む食品を摂取するようにと。これを、週に4日以上、1か月行うと、血液量が増えるために汗をかきやすくなって、暑さに強い体を作ることができるとしています。エネルギー補給と筋肉を増量を目指すのでしょうか。暑さなどには多少慣れがあると思いますので.....。でも、牛乳だと水分の吸収が遅くなるかもしれませんので、運動中・後に牛乳以外に適宜水分補給が必要かと思います。
移植医らで組織する日本膵・膵島移植研究会が、重い糖尿病患者に対する国内初の脳死提供者からの膵島移植を準備しているそうです(YOMIURI ONLINE)。心停止後の膵島移植が6月から5年ぶりに再開されるのに伴うもので、厚生労働省も「家族の承諾が得られれば可能」としており、今年度中をめどに脳死膵島移植の実施体制を整えるそうです。膵島移植は、低血糖発作を起こす重度の1型糖尿病患者が対象で、膵臓移植よりも患者への負担が軽い方法として、国内では2004年に始まりました。ですが、膵臓から膵島を分離する薬品の製造過程で、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性のある牛の脳の抽出物が使われていることがわかり、2007年から中止になっていたそうです。動物由来の成分を使わない新手法が開発されたことに加え、新規の登録システムが整ったことから、研究会は膵島移植の再開を決め、国に高度医療の申請も行ったそうです。
感染すると、発熱して細菌などから身を守る身体の仕組みが解明されたそうです(YOMIURI ONLOINE)。白血球の一種で、体内に侵入してきた病原体を食べる好中球をターゲットに研究を行ったそうです。好中球は活性酸素を使って異物を殺しますが、活性酸素をつくるには、水素イオンが必要だそうです。この水素イオンは、好中球の細胞膜にある「水素イオンチャネル」というたんぱく質が通り道となって、細胞内から供給されるそうです。二つのイオンチャネルが結合して働くことはわかっていたが、仕組みは未解明だったそうです。マウスのイオンチャネルの結合部分を特定し、構造を解析した結果、結合部分にはたんぱく質のかけら2本がらせん状に絡まっており、体温と同じ37度でほどけ始めたそうです。しかし、40度になると完全に離れ、水素イオンを通す量が増えたというのです。活性酸素の生成が通常は抑えられ、病原体などに感染すると発熱してイオンチャネルが開き、大量に作られると考えられるということです。いろいろな事が明らかにされていきますね。
妊婦の栄養状態と、生まれた子の生活習慣病のなりやすさとの関係を検証するため、妊婦200人を対象とする世界的にも珍しい調査が今月から始まるそうです(YOMIURI ONLINE)。最近は、ダイエットなどによりやせた妊婦と低出生体重児の増加が背景にあるそうで、子どもが成人するまで追跡調査するとのことです。生活習慣病は誕生後の生活習慣だけでなく、母親のおなかの中にいるときから1歳のころまでに形成される体質が発症に関わっているという学説が注目されているそうです。今回の調査では、幼い時の体質が妊婦の栄養状態にどう影響されるかを調べるのだそうです。妊婦から出産までに3回の血液を採取し、栄養状態に関係する血中のアミノ酸のほか、胎児の発育に影響を与える葉酸やビタミンなどを測定するそうです。そして、食生活アンケートも行うそうです。果たしてどのような結果が出るのでしょう。ただこの研究は、結果が出るまでは少し時間がかかりますね。