急性心筋梗塞の機械的合併症の一つ、左室破裂、大きく分けて二つの形式があります。
①Blowout Type と ②Slow-rupture type または Oozing rupture Typeがあるといわれます。心室中隔穿孔が中隔が破れて左室内の血液が右室に流れ込むのに対し、左室破裂は左室の自由壁が破れて左室の外に血液が出てしまう病態で、心嚢内に出血する為、心タンポナーデから心原性ショックに陥り、重大な生命の危機につながります。
Blowout Typeは文字通り、左室の外に一気に破裂してしまうタイプで、破裂部位から拍動性に左室外に出血するため、急速に循環が破綻して突然死のリスクの高い状態です。速やかに開胸して出血部位を止血しないと救命できません。心嚢内に出血した血液は凝固していることが多いので、一般的に行われる心嚢穿刺で血液を除去する処置では、対処できないことが多く、ドレーンを留置しても血液が充分ドレナージできない場合は直ちに開胸処置へ移行する必要があります。経験的には左冠動脈回旋枝領域の心筋梗塞、いわゆる左室側壁の梗塞に合併することが多く、特に、心筋梗塞後にパンチで穴をあけたように、局所的に左室壁がすり鉢状に薄くなっていくことが心エコーで観察されることがあり、このような症例が極めてこの左室破裂の危険性が高いです。このタイプの心筋梗塞は梗塞範囲が限局的で比較的小範囲なため、外科的な止血は比較的しやすい印象があります。具体的には左室形成針など大きめの針のついた縫合糸で、フェルトで補強しながら破裂部位を止血しますが、良好な視野で安全な縫合部位を認定しながら止血する必要があるため、手術室内で行う必要があります。
一方、Oozing ruptureは、文字通り(Oozeとは染み出す、にじみ出るの意味)左室の梗塞部位からにじみ出るような出血が起こる破裂形態で、じわじわと心嚢内に血液が貯留して、こちらも心タンポナーデによる血行動態の悪化を招きます。心嚢内に貯留した血液は凝固していない場合は心嚢穿刺やドレーン留置で貯留液を除去することで救命できる可能性があります。左室内の血液が直接左室外に出血することよりも、心筋梗塞を起こした心筋内に出血した血液などのことが多く、また静脈性の血液のことも少なくありません。心嚢内の圧が、上昇して自然に止血されることもあります。しかしながら心嚢内の貯留液が増加傾向、穿刺ドレナージしてもすぐに心嚢液が貯留する、ドレナージされている血液が出続ける、ドレナージしているのにエコーで心嚢液が依然として貯留してる、などの場合は、開胸による止血が必要になります。実際に開胸してみると、Blowout Typeであるのに、心嚢内の圧が上昇たり血圧が低下して一時的に止血されているだけのこともあります。Oozing ruptureは、左冠動脈前下行枝領域のいわゆる前壁中隔梗塞で起こることが多いです。
①Blowout Type と ②Slow-rupture type または Oozing rupture Typeがあるといわれます。心室中隔穿孔が中隔が破れて左室内の血液が右室に流れ込むのに対し、左室破裂は左室の自由壁が破れて左室の外に血液が出てしまう病態で、心嚢内に出血する為、心タンポナーデから心原性ショックに陥り、重大な生命の危機につながります。
Blowout Typeは文字通り、左室の外に一気に破裂してしまうタイプで、破裂部位から拍動性に左室外に出血するため、急速に循環が破綻して突然死のリスクの高い状態です。速やかに開胸して出血部位を止血しないと救命できません。心嚢内に出血した血液は凝固していることが多いので、一般的に行われる心嚢穿刺で血液を除去する処置では、対処できないことが多く、ドレーンを留置しても血液が充分ドレナージできない場合は直ちに開胸処置へ移行する必要があります。経験的には左冠動脈回旋枝領域の心筋梗塞、いわゆる左室側壁の梗塞に合併することが多く、特に、心筋梗塞後にパンチで穴をあけたように、局所的に左室壁がすり鉢状に薄くなっていくことが心エコーで観察されることがあり、このような症例が極めてこの左室破裂の危険性が高いです。このタイプの心筋梗塞は梗塞範囲が限局的で比較的小範囲なため、外科的な止血は比較的しやすい印象があります。具体的には左室形成針など大きめの針のついた縫合糸で、フェルトで補強しながら破裂部位を止血しますが、良好な視野で安全な縫合部位を認定しながら止血する必要があるため、手術室内で行う必要があります。
一方、Oozing ruptureは、文字通り(Oozeとは染み出す、にじみ出るの意味)左室の梗塞部位からにじみ出るような出血が起こる破裂形態で、じわじわと心嚢内に血液が貯留して、こちらも心タンポナーデによる血行動態の悪化を招きます。心嚢内に貯留した血液は凝固していない場合は心嚢穿刺やドレーン留置で貯留液を除去することで救命できる可能性があります。左室内の血液が直接左室外に出血することよりも、心筋梗塞を起こした心筋内に出血した血液などのことが多く、また静脈性の血液のことも少なくありません。心嚢内の圧が、上昇して自然に止血されることもあります。しかしながら心嚢内の貯留液が増加傾向、穿刺ドレナージしてもすぐに心嚢液が貯留する、ドレナージされている血液が出続ける、ドレナージしているのにエコーで心嚢液が依然として貯留してる、などの場合は、開胸による止血が必要になります。実際に開胸してみると、Blowout Typeであるのに、心嚢内の圧が上昇たり血圧が低下して一時的に止血されているだけのこともあります。Oozing ruptureは、左冠動脈前下行枝領域のいわゆる前壁中隔梗塞で起こることが多いです。