横須賀うわまち病院心臓血管外科

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心臓は血液を全身に循環させるエンジン

2018-05-14 23:46:52 | その他
 人間の体とは、神様が設計したとは思えないほど理にかなってうまくできているものです。
 心臓は体に全身に血液を送り出すポンプの役割をしているとよく言われますが、心臓から押し出された血液が大動脈弁を通過して大動脈に送れられ、末梢の臓器や毛細血管に届けられるには、一方向に流れるための構造が必要です。ドクター若松が発明した手動式給油ポンプには内部に二つの逆流防止弁が付いていて、この弁の機能によって低いところから高いところへ、こちらの部屋からこちらの部屋へというように液体を移動させることができます。この構造と似たようなものが、自動車のエンジンです。エンジンにも二つの逆流防止弁があり、吸気バルブと排気バルブ、この二つの弁が高速に開閉することによって、ガスが送り込まれ、シリンダー内で爆発し、排気バルブを通して排気することでエンジンのサイクルが生まれます。

 これらと心臓もよく類似しており、吸気バルブを僧帽弁、排気バルブを大動脈弁と考えると、まったく同じ構造をしています。エンジンや給油ポンプのほうが、人間の構造をまねしたといったほうが正しいのかもしれません。それでいて、心臓は人間の臓器の中で最も単純なマシーンとも言われています。なので、もっとも人間界で人工臓器を作るにあたりいち早く実用化するのが人工心臓とも言われてきましたが、本当の実用化までにはもう少し時間が必要なようです。
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