横須賀総合医療センター心臓血管外科

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アドレナリン

2018-05-18 15:34:43 | その他
今日診察した80代の患者さんが、アドレナリンが出すぎていて動悸がするので何とかしてほしいといっていました。前回診察した医師がベンゾジアゼピン系を処方しており、それが有効とのことでしたので、継続処方して様子を見ることにしました。アドレナリンは交感神経系の神経伝達物質であり、血管収縮による血圧上昇、心拍数増加、瞳孔の散大などありますが、アドレナリンを生理的に拮抗するにはアルファ受容体拮抗薬や、ベータ受容体拮抗薬などになります。しかし、褐色細胞腫のような症状もないので患者さんの方の診断が違っているのでしょう。しかしながらアドレナリンの名前が出てきたのは驚きました。

アドレナリンは、日本人の高峰譲吉博士が世界で初めて発見したホルモンです。海外ではエピネフリンとも呼ばれていますが、日本人なら当然のことですが、自国の発見者に敬意を払ってアドレナリンと呼ぶべき、と学生時代に教育されました。高峰譲吉博士は三共製薬を作った三人の一人でもあり、消化酵素タカジアスターゼを発見、商品化した人でも有名、と、昔聞いたことがあります。

アドレナリンの緊急薬品に、エピクイックというのがありますが、やはり、アドクイックって名前に変更すべきです。
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