横須賀うわまち病院心臓血管外科

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上手に禁煙を達成する方法

2018-05-26 12:06:46 | その他
心臓血管外科の扱う病気は喫煙と関係しているものが非常に多いです。特に虚血性心疾患や大動脈疾患は、体質もありますが、喫煙していることでより病気に拍車がかかります。40~50代の働き盛りの男性で、血圧が高く、レスラーのような体系で、しかも喫煙している人、これだけでいつ突然死してしまうかわからない状態、といっても過言ではないと日々の診療で実感しています。こうした男性はお子さんがまだ小さかったり、教育に一番お金がかかる時期だったりで、万が一倒れた場合は社会的影響の多い一家の屋台骨のような存在です。日本経済においても、この年代の人たちがこの国を支えています。そうした人たちが救命センターに毎日のように心停止など重篤な状態で搬送されてきます。残念ながらこうした人たちにも喫煙者が多いということは肌身に日々感じます。

 さて、手術を受ける前には禁煙が術後合併症を減らし、手術死亡率を減らすともいわれていますが、なかなか毎日喫煙している患者さんにとって禁煙は難しいようですね。若いころから何の疑問も持たずに喫煙することが習慣化している中で、突然何を言っているんだと、気分を害する患者さんがいるのも事実です。確かに男性にとって昔は喫煙するのは当たり前だったし、銀行や市役所の窓口も、職員室の先生も、外来している医者ですら喫煙しながら仕事しているのが普通でしたから。とはいえ、これからオリンピックを開催する国としては禁煙を進めていかなければなりません。

 ではどうやって禁煙を実行するか。まずは禁煙をする、という決意がなければ難しいと思います。決意さえあればなんとかなるはずです。それでも、楽に上手に禁煙をすすめるにはどうしたらよいでしょうか。

 具体的には
① 朝起きてすぐに煙草を吸わないというルールを実行する。実は身体依存の状態の人は就眠中の血中ニコチン濃度が下がるために起きてすぐ吸いたくなるというのでです。朝起きて吸わず、少なくとも午前中は吸わないことにすると、身体依存の状態からより早期に脱却できます。

② 代替になるものを使用する。医療機関で処方されるガムやパッチなど、ニコチンの入ったものを使用して、その間は喫煙しない時間を長くすることで禁煙により近付けるというもの。最近は水蒸気を出すアロマスティック(VitCoolなど http://www.vitcool.com/ )もあり、一見喫煙しているようにみえても喫煙ではなく、その気分にだけ浸れるような器具を使用するのもいいと思います。VitCoolの場合は医療機関でなくとも購入できるので、より気軽に始められます。いずれにしと喫煙代に相当する程度の費用がかかりますが、禁煙が達成された暁には不要になるので、将来的には相当な節約になるはずです。

③ つもり貯金。煙草を購入したつもりで、それをすべて貯蓄に回す。1日400円として月に12000円。大手銀行の定期預金よりもかなり利率が良く、優秀な資産運用商品といえます。

④ 自己啓発的な教育をするサービス業をあらたに開発してはどうでしょう?結果にコミットする、という会社でダイエットだけではなく、ゴルフや英会話などにも参入しているところが新たに禁煙にコミットするサービスを始めてはどうでしょうか?また、禁煙のサークルやクラブ活動なども悪くないと思います。

いろいろで、結果的に禁煙に成功した人は、人生充実してますオーラがみなぎっている人が多く、幸せを失う空気から、幸せを呼び込むオーラを発するように変化している人が多い印象があります。
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