はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1142 ~ 燃えよ剣(CS)

2024-03-09 | 映画評
今回は「燃えよ剣(CS)」です。

新選組副長・土方歳三の生涯を描き、過去に映画化、ドラマ化もされてきた司馬遼太郎の歴史小説を、「関ヶ原」の原田眞人監督&岡田准一主演の再タッグで新たに映画化。
土方歳三役の岡田のほか、土方と生涯愛を貫くお雪役を柴咲コウ、近藤勇役を鈴木亮平、沖田総司役を山田涼介、芹沢鴨役を伊藤英明がそれぞれ演じる。

主演:岡田准一
共演:柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、坂東巳之助、安井順平
その他:谷田歩、金田哲、大場泰正、坂井真紀、山路和弘、松村武、松角洋平、勇家寛子、松下洸平、村本大輔、村上虹郎、石田佳央、淵上泰史、マギー、三浦誠己、吉原光夫、森本慎太郎、ジョナス・ブロケ、高嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明など


<ストーリー>
江戸時代末期。黒船の来航により、外国から日本を守るため幕府の権力を回復させようとする佐幕派と、天皇を中心にした新政権を目指す討幕派の対立が深まりつつあった。武州多摩の農家に生まれた土方歳三は「武士になりたい」という思いで、近藤勇、沖田総司ら同志とともに京都へ向かう。芹沢鴨を局長に、徳川幕府の後ろ盾で新選組を結成し、土方は「鬼の副長」と恐れられながら、討幕派の制圧のため京都の町で活躍を見せるが・・・


2021年の作品で、当時公開されるのは知っていたが、見ようかどうしようか迷っているうちに、結局見そびれてしまった。

司馬遼太郎の作品をベースにしたものであり、新選組の中でも土方歳三に焦点をあてた作品なので、新選組の活動の中もかなり偏った描写になってしまうのは、ある意味しかたがないと思う。

しかも、戊辰戦争末期の土方が回想する、という形をとっているので、特に幼少期の話は、聞いていてもあまり面白くない上に、「全部で2時間半もあるのだから、この部分は省略して2時間程度に収めてもよかったんじゃないの?」と思えた。

それでなくても彼の活躍は、新選組結成から芹沢鴨の暗殺、戊辰戦争から箱館戦争などいろいろとあるのに、彼があまり関与していない池田屋事件を細かく描いているので、余計に長く感じた。

言うまでもなく、池田屋事件で活躍したのは近藤勇や沖田総司・永倉新八などであり、土方は後から合流しているので、直接屋内での死闘には参加していない。

さらに、架空の人物であるお雪との恋愛について、いろいろなエピソードを交えて描いていたので、土方歳三を描いた映画というよりは、あくまでも司馬遼太郎の「燃えよ剣」を映画化したもの、として見た方がいい内容となっている。

司馬遼太郎の歴史観(いわゆる司馬史観)は、割と偏っている面があって、「竜馬がゆく」では、武器商人であるグラバーと結託して一儲けを企んだただの「当たり屋」というイメージしかない坂本龍馬を、必要以上に持ち上げている感があるし、「坂の上の雲」では、日露戦争での203高地争奪戦で奮闘した乃木希典将軍のことを無能扱いしている。

本作で言えば、15代将軍の徳川慶喜を完全に臆病者扱いしていて、鳥羽伏見の戦いにおける大阪城からの脱出も「(ワシは)逃げる」と言わせているし、大政奉還についても「政権を放り出した」的な描写をしている。

見ていてちょっとやりすぎだと思われ、不快感さえ湧いたほどだ。

あと、原田監督もこの作品をどういう気持ちで作ったのかよくわからなくて、キャストにおいて錚々たる役者を起用している(沖田総司を演じた山田涼介は、ちょっと優男すぎる?)演じる一方、お笑い芸人であるウーマンラッシュアワー・村本やはんにゃ・金田を起用しているのはなぜなんだろう。

特に、村本には早口でまくしたてるセリフを用意していて、それを噛まずに一気にまくしたてる村本も大したものだけど、内容にはほとんど関係ないシーンと思われ、「ふざけてんのか?」と思えるほどだった。

その村本のセリフもそうだったけど、全体的に土方などが発するセリフが聞き取りづらい部分が多く、その都度ボリュームを上げざるを得なかったのは、何とも残念だ。

ただ、主演の岡田准一は良かったと思います。

もはや貫録十分で、殺陣もサマになっていたように思いますし、今や時代劇には欠かせない存在ではないでしょうか。

ということで、いろいろと思うところはありましたが、大好きな時代劇でもあり、岡田准一もカッコよかったので、評価はちょっと甘めに「B」にします。

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