はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1143 ~ ガメラ 大怪獣空中決戦(CS)

2024-03-12 | 映画評
今回は「ガメラ 大怪獣空中決戦(CS)」です。

大映が手がけた特撮映画「大怪獣ガメラ」を復活させた「平成ガメラ」3部作の第1作で、宇宙の守護神ガメラと超遺伝子獣ギャオスの戦いを描いた特撮怪獣映画。出演は伊原剛志、「フィスト・オブ・レジェンド」の中山忍、本作が映画初出演の藤谷文子。金子修介監督がメガホンをとり、樋口真嗣が特技監督を務めた。

主演:伊原剛志、中山忍
共演:藤谷文子、小野寺昭、螢雪次朗、本田博太郎、長谷川初範、本郷功次郎
その他:久保明、松尾貴史、袴田吉彦、夏木ゆたか、石井トミコ、渡辺哲、渡辺裕之など

<ストーリー>
太平洋上で巨大漂流環礁が発見された。同じ頃、九州の姫神島で住民が消失する事件が発生。住民は消える直前の無線で、鳥の存在を訴えていた。調査のため島を訪れた鳥類学者・長峰の前に、巨大な怪鳥が姿を現す。一方、海上保安庁の米森と保険会社の草薙は、環礁上で発見された石版の碑文を解読。その結果、環礁はガメラ、怪鳥はギャオスという古代怪獣であることが判明する。全国民が震撼する中、2大怪獣の戦いは九州から東京へと舞台を移し、壮絶な空中バトルが幕を開ける。


1995年の作品で、「平成ガメラ」三部作として作られたものの第一作目にあたるそうだ。

怪獣映画と言えば、過去には「ゴジラ」はハリウッド版も含めて何作か見ているが、「ガメラ」はほとんど見たことがない。

おそらく東映と大映の違いなのかも知れないが、ゴジラは年を重ねるにつれて、いろんな解釈(バージョン?)がされているとともに、映像の方も進化してきている一方、ガメラはほとんど進化していない。

それなのに今回見ようと思ったのは、ネットなどでは「怪獣映画の傑作」とか「ガメラ映画の最高峰」とか、とにかくムチャクチャ褒めまくっていたので、もしかして今までとは一味も二味も違うのではないか、とちょっと期待したからだ。

あくまでも思い出としてではあるが、「ガメラ対ギャオス」は「ゴジラ対キングギドラ」並みのインパクトがあったような、なかったような気がしているのだが、本作での両者は、そんなかすかな思い出さえも木端微塵に吹き飛ばすような出来栄えだった。

もちろん悪い意味で、である。

とにかく映像がチャチでしょぼい。

最近の大学生でも、もっとクオリティの高い映像が作れるのではないか、と思われるほどなので、迫力もクソもなく、ただ人形が口をバクバクさせながら動いているようにしか見えなかった。

30年近く前の作品とは言え、ここまでヒドいとは思わなかった。

出演者も、素人かと思えるような人たちが結構出ており、中山忍はほとんどセリフ棒読みだし、藤谷文子(彼女は、あのスティーブン・セガールの娘とは知らなかった!)に至っては、結構重要な役であるのに、表情さえ棒演技(?)だった。

あと、設定も意味不明な部分が多かったような気がする。

まず、ギャオスがいきなり登場するのだけど、それと対戦する主役のガメラは、「長らく太平洋で奇妙な環礁のような状態で眠り続けていたが、ギャオスの誕生を察知するかのように漂流して日本に接近」という設定で出現している。

しかも、ガメラがプルトニウム運搬船とぶつかった時に、調査団のメンバーが甲羅に上陸し「中心部にあった金属板に米森(人間としての主役である伊原剛志演じる海上保安庁職員)が触れたことで金属板が崩壊し、完全復活する」という部分は、見ていてもわけがわからなかった。

しかも、同時に勾玉のようなものが出てきて、それをセガールの娘演じる保険屋(小野寺昭)の娘が米森からもらったところ、突如ガメラと意思疎通ができるようになった、というかなり強引な展開となっている。

結局、ギャオスにボコボコにやられていたガメラが、セガールの娘が祈った(?)ところ、急に覚醒して、一瞬にしてギャオスを火炎放射で焼き殺してしまう、という「だったら、最初から火を吐けよ!」という、実にウルトラマン的な結末だった。

途中でイヤになって見るのをやめようと思ったほどなんだけど、これのどこが「傑作」「最高峰」なのか理解できない。

30年前の作品だから、ということを差し引いたとしても、ゴジラだったら、もうちょっと迫力もあっただろうし、ゴジラの強さも感じられたと思うのだが、ガメラに対してはまったくと言っていいほど、強さは感じられなく、かと言ってギャオスの方にも怖さはほとんどなかった。

当初ギャオスを捕獲しようとしていた人間側も、せっかく3匹同時に福岡ドームに誘い込んで、そこに閉じ込めて捕獲する予定だったはずなのに、まだドームが閉まり切っていないのに攻撃をし始めた時には、「この組織の統制って、いったいどうなってんの?」と思えるほど杜撰だったので、ちょっとビックリした。

だいたい「ギャオスは捕獲するが、ガメラは殲滅する」というのは、いったいどういう理屈?

確かにガメラは街を破壊しまくっていたが、ギャオスだって人間を食いまくっていた。

「ギャオスは希少種だから」ということなの?

もしかして、ガメラのことを単に亀が巨大化した化け物だと思っていたのか?

このあたりの展開面でも共感できる部分がほとんどない上に、登場人物(ガメラも含めて)に感情移入できる部分がなかったので、最初から最後まで面白く見ることができませんでした。

とは言え、年末に改めて振り返ったところで、新たに何も出てこないだろうし、言ってもムダだと思うのでは、評価は「C」に留めておきます。

ところで・・・

本作にも登場していた蛍雪次朗氏。

これまでず~っと「けいせつ・じろう」だと思っていたのだが、実は「ほたる・ゆきじろう」であることを今回初めて知った。

いろんな作品に出てる役者さんなんだけどねえ。

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