今回は「レディ・ジョーカー」です。
ビール会社社長誘拐事件を、犯人グループ、標的にされた企業、警察の三者の視点から描き、日本の社会に潜む闇を抉り出した群像サスペンス。監督は「魔界転生」の平山秀幸。高村薫による同名小説を基に、「血と骨」の鄭義信が脚色。撮影を「69sixty nine」の柴崎幸三が担当している。主演は「BROTHER」の渡哲也と、映画初出演の新人・徳重聡。
主演:渡哲也、徳重聡
共演;吉川晃司、長塚京三、國村隼、大杉漣、吹越満、加藤晴彦、岸部一徳、辰巳琢郎
その他:菅野美穂、清水紘治、宮下裕治、矢島健一、菅田俊、外波山文明、光石研、松重豊など
<ストーリー>
平成16年10月、日之出ビール社長・城山恭介(長塚京三)が誘拐された。“レディ・ジョーカー”と名乗る犯人グループのメンバーは、薬店を営む物井清三(渡哲也)、障害を持つ娘・さち(愛称レディ)を抱えるトラック運転手の布川淳一(大杉漣)、信用金庫に勤める在日の高克己(吹越満)、町工場の施盤工・松戸陽吉(加藤晴彦)、そして刑事の半田修平(吉川晃司)の、川崎競馬場で知り合った職業も年齢もバラバラの5人の男たち。ただ彼らに共通していることは、“社会の弱者”であることだった
2004年の作品で、映画館で見ていると思っていたのだが、実は見ていなかった。
高村薫の同名作品は、刊行当時話題となった記憶があるが、原作は読んでいない。
そんな話題作をベースとした作品らしく、出演者も結構豪華なのだが・・・
何だろう、この盛り上がりのなさは。
しかも、この映画でいったい何を描きたかったのか、さっぱりわからなかった。
いちおう主演は渡哲也演じる物井のようだけど、彼は映画で見る限り、何をやっているのかよくわからず、まったくもって渡哲也のムダ使いだと思う。
根底には部落差別問題などがあるようだけど、それはセリフの一旦に垣間見ることができる程度で、それを強く主張しているようでもない。
原作のあらすじを見てみると、かなり複雑な展開が描かれているようなのだけど、これをだいぶ端折ったような内容だった。
その結果、犯人たちがその後どうなったのか、という描写はなかったし、犯人の一人の娘である「レディ」が、この作品にどう影響しているのかも、さっぱりわからない。
原作に登場する総会屋・暴力団もチョイ役程度で、わざわざ出てくる必要もなかったような展開だった。
最後に自首した犯人の一人である刑事が映っていたが、ただ映っていただけ。
原作では、仲間については完全黙秘していたので、その後捜査に進展はないどころか、新たな展開も待っているらしいのに、それらしい描写は一切ない。
ネットでの評判も悪く、中には「原作を冒瀆している」という批判もあった。
宮部みゆき原作の「模倣犯」や「ソロモンの偽証」の映画版のように、「原作は、ホントにこんな内容だったのか?」と言われているのと同じだ。
こういう映画を作った人たちは、原作のことをどう見て、どう描写したいと考えているのか、とても気になる。
誘拐された社長が解放されて改めて出社した時に、社員が拍手で迎えたシーンは「事件は解決しているわけでもないのに、何を喜んでいるんだ」と思ったなど、細かいツッコミどころもいくつかあったが、そんなことはどうでもいいくらい、内容がよくわからなかったので、評価はしづらいところだけど、ここは無難に「C」にしておきます。
ビール会社社長誘拐事件を、犯人グループ、標的にされた企業、警察の三者の視点から描き、日本の社会に潜む闇を抉り出した群像サスペンス。監督は「魔界転生」の平山秀幸。高村薫による同名小説を基に、「血と骨」の鄭義信が脚色。撮影を「69sixty nine」の柴崎幸三が担当している。主演は「BROTHER」の渡哲也と、映画初出演の新人・徳重聡。
主演:渡哲也、徳重聡
共演;吉川晃司、長塚京三、國村隼、大杉漣、吹越満、加藤晴彦、岸部一徳、辰巳琢郎
その他:菅野美穂、清水紘治、宮下裕治、矢島健一、菅田俊、外波山文明、光石研、松重豊など
<ストーリー>
平成16年10月、日之出ビール社長・城山恭介(長塚京三)が誘拐された。“レディ・ジョーカー”と名乗る犯人グループのメンバーは、薬店を営む物井清三(渡哲也)、障害を持つ娘・さち(愛称レディ)を抱えるトラック運転手の布川淳一(大杉漣)、信用金庫に勤める在日の高克己(吹越満)、町工場の施盤工・松戸陽吉(加藤晴彦)、そして刑事の半田修平(吉川晃司)の、川崎競馬場で知り合った職業も年齢もバラバラの5人の男たち。ただ彼らに共通していることは、“社会の弱者”であることだった
2004年の作品で、映画館で見ていると思っていたのだが、実は見ていなかった。
高村薫の同名作品は、刊行当時話題となった記憶があるが、原作は読んでいない。
そんな話題作をベースとした作品らしく、出演者も結構豪華なのだが・・・
何だろう、この盛り上がりのなさは。
しかも、この映画でいったい何を描きたかったのか、さっぱりわからなかった。
いちおう主演は渡哲也演じる物井のようだけど、彼は映画で見る限り、何をやっているのかよくわからず、まったくもって渡哲也のムダ使いだと思う。
根底には部落差別問題などがあるようだけど、それはセリフの一旦に垣間見ることができる程度で、それを強く主張しているようでもない。
原作のあらすじを見てみると、かなり複雑な展開が描かれているようなのだけど、これをだいぶ端折ったような内容だった。
その結果、犯人たちがその後どうなったのか、という描写はなかったし、犯人の一人の娘である「レディ」が、この作品にどう影響しているのかも、さっぱりわからない。
原作に登場する総会屋・暴力団もチョイ役程度で、わざわざ出てくる必要もなかったような展開だった。
最後に自首した犯人の一人である刑事が映っていたが、ただ映っていただけ。
原作では、仲間については完全黙秘していたので、その後捜査に進展はないどころか、新たな展開も待っているらしいのに、それらしい描写は一切ない。
ネットでの評判も悪く、中には「原作を冒瀆している」という批判もあった。
宮部みゆき原作の「模倣犯」や「ソロモンの偽証」の映画版のように、「原作は、ホントにこんな内容だったのか?」と言われているのと同じだ。
こういう映画を作った人たちは、原作のことをどう見て、どう描写したいと考えているのか、とても気になる。
誘拐された社長が解放されて改めて出社した時に、社員が拍手で迎えたシーンは「事件は解決しているわけでもないのに、何を喜んでいるんだ」と思ったなど、細かいツッコミどころもいくつかあったが、そんなことはどうでもいいくらい、内容がよくわからなかったので、評価はしづらいところだけど、ここは無難に「C」にしておきます。
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