今回は「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀(CS)」です。
「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセールが、国家に立ち向かう女性ジャーナリストを熱演した社会派サスペンス。
主演:ケイト・ベッキンセール
共演:マット・ディロン、アンジェラ・バセット、アラン・アルダ、ベラ・ファーミガ、デビッド・シュワイマー、ノア・ワイリーなど
<ストーリー>
アメリカ大統領の暗殺未遂事件が発生。政府はベネズエラの関与を断定し、報復攻撃に乗り出す。女性ジャーナリストのレイチェルは、ベネズエラの関与を否定する文書を書いたCIAの女性エージェントの存在を暴露する。政府から情報提供者の開示を求められるも拒否したレイチェルはFBIに連行され、検察官パットンによる尋問を受けるが……。
大統領暗殺未遂事件が発生し、その背後にベネズエラがいると判断したアメリカ政府が、すぐに報復攻撃を加えたのだが、実はその情報は誤っていたのではないか、という流れで物語は進む。
ちょうどアメリカでトランプ前大統領が狙撃された直後にこの映画を見たのは、まったくの偶然だけど、こういう場合に政府とメディアが取る行動がどのようなものか、ということを描いているので、なかなか面白かった。
国家の極秘事項とメディアによる報道の自由(=情報提供者の秘密を守る権利)と、どちらが優先されるのか、という大きな問題を取り上げた作品と言ってもいいと思う。
日本の場合だと、国家の重要機密事項なんかよりも、メディアの報道の自由の方が優先されるので、このような問題は起きないと言ってもいいと思う。
もっと言えば、日本のメディアがいう「報道の自由」とは、「何をどう報道してもいい」ということであり、それは「報道したいことを報道する」つまり「公明正大なんか関係なくて、偏った報道をしても問題ない」ということであり、さらには「報道したくないことは報道しない」「批判するためなら、どんなウソをついてもいい」という自由まで持っている。
ついでに「権力に対して、これを監視し、批判し、糾弾する権利」まで有していると思っている、トンデモない圧力団体である。
こういう環境の中にいると、このような作品を見ても何も響かないと思うのだが、アメリカの場合、国家もメディアもそれぞれの正義でもって行動しているので、どちらがいいとか悪いとかは簡単には言えないと思うわけだ。
今作で言えば、ある女性がCIAのエージェントであるという国家機密情報を得たジャーナリストである主人公が、これを記事にしたため、政府から情報源の開示を求められるが、主人公は「情報源の安全を守る」ために、これを拒否する。
情報源を簡単に開示してしまえば、提供者の安全にも影響が出てくるし、今後誰もメディアに情報を提供してくれなくなるからであるが、一方の政府からすれば、CIAのエージェントが誰であるかというような国家機密情報が簡単に漏洩するようでは、国家の安全に影響するので、この行為を許すわけにはいかない。
最初世間は主人公に味方していたが、双方が一歩も引かないうちに、当のCIAエージェントが暗殺されてしまったことから、事態は一変し、主人公は世間から見放されてしまう上に、夫に浮気までされてしまう始末。
そのうち、情報提供者である政府高官が自ら名乗り出たのだけど、実は彼は第一次情報提供者ではなく、主人公が別の情報提供者から得た情報を元に、この政府高官に確認したにすぎないことがわかり、それでも第一次情報提供者の名前を開示しない主人公に業を煮やした政府も、ついに強硬手段に出て主人公を逮捕する。
それでも口を割らない主人公。
結末はどうなるのかというと、最後の最後のシーンで主人公が最初に情報を得た提供者が誰かということが判明する。
それは・・・何とCIAエージェントの娘だったのである!
主人公の息子とそのエージェントの娘が同級生であったことから、たまたま乗り合わせたバスの中で偶然主人公の隣に座った娘と交わした会話によって、母親がエージェントであることが判明したわけだ。
そりゃあ、主人公はその情報提供者の名前を開示するわけにはいかない。
現実にあった「ブレイム事件」(イラクが大量破壊兵器を有しているということで、イラク戦争が起こった原因となった、と言われている事件)を元にした映画ということだが、内容は完全なフィクションだと思う。
とは言え、なかなか示唆に富んだ作品だと思うし、違和感もなく終始緊迫感のある描写だったので、評価は「B」にします。
「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセールが、国家に立ち向かう女性ジャーナリストを熱演した社会派サスペンス。
主演:ケイト・ベッキンセール
共演:マット・ディロン、アンジェラ・バセット、アラン・アルダ、ベラ・ファーミガ、デビッド・シュワイマー、ノア・ワイリーなど
<ストーリー>
アメリカ大統領の暗殺未遂事件が発生。政府はベネズエラの関与を断定し、報復攻撃に乗り出す。女性ジャーナリストのレイチェルは、ベネズエラの関与を否定する文書を書いたCIAの女性エージェントの存在を暴露する。政府から情報提供者の開示を求められるも拒否したレイチェルはFBIに連行され、検察官パットンによる尋問を受けるが……。
大統領暗殺未遂事件が発生し、その背後にベネズエラがいると判断したアメリカ政府が、すぐに報復攻撃を加えたのだが、実はその情報は誤っていたのではないか、という流れで物語は進む。
ちょうどアメリカでトランプ前大統領が狙撃された直後にこの映画を見たのは、まったくの偶然だけど、こういう場合に政府とメディアが取る行動がどのようなものか、ということを描いているので、なかなか面白かった。
国家の極秘事項とメディアによる報道の自由(=情報提供者の秘密を守る権利)と、どちらが優先されるのか、という大きな問題を取り上げた作品と言ってもいいと思う。
日本の場合だと、国家の重要機密事項なんかよりも、メディアの報道の自由の方が優先されるので、このような問題は起きないと言ってもいいと思う。
もっと言えば、日本のメディアがいう「報道の自由」とは、「何をどう報道してもいい」ということであり、それは「報道したいことを報道する」つまり「公明正大なんか関係なくて、偏った報道をしても問題ない」ということであり、さらには「報道したくないことは報道しない」「批判するためなら、どんなウソをついてもいい」という自由まで持っている。
ついでに「権力に対して、これを監視し、批判し、糾弾する権利」まで有していると思っている、トンデモない圧力団体である。
こういう環境の中にいると、このような作品を見ても何も響かないと思うのだが、アメリカの場合、国家もメディアもそれぞれの正義でもって行動しているので、どちらがいいとか悪いとかは簡単には言えないと思うわけだ。
今作で言えば、ある女性がCIAのエージェントであるという国家機密情報を得たジャーナリストである主人公が、これを記事にしたため、政府から情報源の開示を求められるが、主人公は「情報源の安全を守る」ために、これを拒否する。
情報源を簡単に開示してしまえば、提供者の安全にも影響が出てくるし、今後誰もメディアに情報を提供してくれなくなるからであるが、一方の政府からすれば、CIAのエージェントが誰であるかというような国家機密情報が簡単に漏洩するようでは、国家の安全に影響するので、この行為を許すわけにはいかない。
最初世間は主人公に味方していたが、双方が一歩も引かないうちに、当のCIAエージェントが暗殺されてしまったことから、事態は一変し、主人公は世間から見放されてしまう上に、夫に浮気までされてしまう始末。
そのうち、情報提供者である政府高官が自ら名乗り出たのだけど、実は彼は第一次情報提供者ではなく、主人公が別の情報提供者から得た情報を元に、この政府高官に確認したにすぎないことがわかり、それでも第一次情報提供者の名前を開示しない主人公に業を煮やした政府も、ついに強硬手段に出て主人公を逮捕する。
それでも口を割らない主人公。
結末はどうなるのかというと、最後の最後のシーンで主人公が最初に情報を得た提供者が誰かということが判明する。
それは・・・何とCIAエージェントの娘だったのである!
主人公の息子とそのエージェントの娘が同級生であったことから、たまたま乗り合わせたバスの中で偶然主人公の隣に座った娘と交わした会話によって、母親がエージェントであることが判明したわけだ。
そりゃあ、主人公はその情報提供者の名前を開示するわけにはいかない。
現実にあった「ブレイム事件」(イラクが大量破壊兵器を有しているということで、イラク戦争が起こった原因となった、と言われている事件)を元にした映画ということだが、内容は完全なフィクションだと思う。
とは言え、なかなか示唆に富んだ作品だと思うし、違和感もなく終始緊迫感のある描写だったので、評価は「B」にします。
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