はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1195 ~ ノー・セインツ 復讐の果て(CS)

2024-08-11 | 映画評
今回は「ノー・セインツ 復讐の果て(CS)」です。

「タクシードライバー」のポール・シュレイダーが脚本を手がけた、アメリカ・メキシコ合作によるバイオレンスアクション。
出演はドラマ「ナルコス」シリーズのホセ・マリア・ヤスピク、「ヘルボーイ」のロン・パールマン、「レザボア・ドッグス」のティム・ロス、「チャーチル ノルマンディーの決断」のブライアン・コックス。

主演:ホセ・マリア・ヤスピク
共演:シャニン・ソサモン、パス・ベガ、カイドリック・セラティ、トミー・フラナガン、ニール・マクドノー
その他:カーラ・ソウザ、レティシア・ファビアン、グスターボ・サンチェス・パッラ、ジョン・ギルバート、ブライアン・グラニー、ロン・パールマン、ティム・ロス、ブライアン・コックスなど

<ストーリー>
殺し屋として生きてきた男は、裏社会から足を洗い妻と息子を取り戻そうとする。しかしかつての因縁により、男は再び殺しの世界へと導かれていく。


2022年の作品である。

殺し屋だった男が出所し、足を洗って愛する息子とやり直そうと決意するが・・・というお話だけど、思った以上に残酷でグロい内容でした。

いきなり刑務所から出てくる場面から始まるので、それまでにどんなことをやってきたのか、ということはよくわからないのだが、皆からは「拷問師」と言われているらしいというのはいいとしても、実際にその拷問シーンを描くのって、どうなの?という気がした。

それでも、最後は自分の息子を取り戻すのかと思っていたら、何のことはない、その息子もむごたらしい殺され方をする。

ところが、息子を殺した相手も、実は主人公によって妻とともに自分の子供も殺されたというのだから、主人公に感情移入できないどころか、この映画っていったい何を描きたかったの?としか思えなかった。

しかも、主人公が息子を取り戻すために、次々と関係者のところに殴り込みに行くのだけど、その描写が結構ムチャクチャだった。

妻を殺し、息子をさらって行ったヴィンセントに対しては、警備も監視カメラもしっかりしている(はずの)屋敷に堂々と正面から突入し、正面入り口でボディーガードを撃ち殺しているシーンが監視カメラに映っていて、しかも「侵入者だ!」と手下たちが叫んでいたにもかかわらず、屋敷内に警報が鳴らされた様子もないし、次のシーンでは、監視室に侵入して手下二人を撃ち殺し、次のシーンでは、もうヴィンセントのところまで辿り着いていた。

撃ち合いの果てにヴィンセントのところに辿り着いたのならともかく、いきなり背後から現れたのには驚いた。本人はまったく気が付いていないもんね。

この屋敷のセキュリティって、いったいどうなってるの?

そして、ヴィンセントを拷問した末に息子の居所を聞き出し、いよいよ息子を監禁しているサンズのところに行くのだけど、実はヴィンセントに近付くために、ヒロイン(飲み屋のおネエちゃん?)が、主人公の手助けをしている。

ヴィンセントの居所を突き止めるために、いろいろと協力するのだけど、この女の行動が理解不能で、主人公に頼まれてもいないのに、ヴィンセントに近付きすぎて、逆に窮地に陥ってしまう。

そこを単身乗り込んできた主人公に助けられたわけだけど、その後「お前は戻れ」と言われたにもかかわらず、サンズの配下にあるジムに乗り込む際、勝手についてきてしまう。

それで、何か主人公の手助けをするわけでもなければ、逆に主人公が危機に瀕してしまうわけでもない。

ただ牢屋みたいなところに監禁されるだけだし、その目の前で息子は殺されるのだが、彼女に対しては何もない。

要するに、いったい何をしに来たのかわからない、というよりも、どうしてこういう意味のない展開を入れたのかが理解できないわけだ。

そんなこんなだから、主人公は何発銃撃を食らっても、何回ナイフで刺されても、何発殴られても、まったく死なないのに、相手はすべて一発で殺す(ロン・パールマン演じるラスボス・サンズなんて、ナイフ一発で殺されてしまった!?)という批判もあったけど、そんなことはどうでもいい。

アクションの面白さもなければ、親子愛も感じないし、それを達成させない、ただただ殺し合いを見せるだけの映画。

もちろん、こういう映画が大好きな人もいるので否定はしないが、私には共感できるものは何もありませんでした。

評価は「C」にします。


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