老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

蝉時雨止む時ふつと気のぬける

2016-07-28 10:40:44 | 俳句
        🐇   蝉時雨四五軒先に移りけり

        🐇    叱つても叱つても猫蝉捕り来

          

朝から蝉の声がかまびすしい。我が家がお気にいりの蝉たちらしい。
パソコンを置いている窓辺では蝉が飛んでいるのが見える。
干している洗濯物にぶつかる蝉。
ベランダの半透明の屋根にぶつかって大きな音をたてる蝉。

          

写真を撮りに近づいても微動だにしない。
捕まえるのは簡単であるが、短い命。精一杯生きよと願っている。

          

私の背後霊のような 姫。
新聞を読んでいると、片づけもしていない机の上で、寛いでいる。
私の行く所、いる所を離れようとしない。

この 姫ちゃん、去年までは、蝉捕りの名人?であった。
蝉が止まっている木の下で、自分の手に届く所に蝉が近づくのを半時間くらいは待っている。
愚かな蝉が近づくともう 姫ちゃんの餌食だ。

捕った蝉を咥えて来て私の目の前に置く。
「母さま 姫 は蝉捕りが上手ニャアーン」と言っているみたいだ。
「おお、姫ちゃん かしこいね」と言って蝉を取り上げて窓から放つ。
元気な蝉は飛んでゆく。
この繰り返しが何日か続く。
必ず蝉、守宮、蜻蛉、小さな生き物を捕ると、私に持って来るのである。
「おおおお、賢いね」と云われるのが嬉しいみたいだった。

その 姫ちゃん。
今年は蝉に見向きもしない。
ベランダに出て時々、草を食べるとすぐに家の中に入る。
玄関の扉が開いていると、塀の上から外を見ているが、ほんに少しの時間だ。
扉の前で待っているとすぐ戻って来る。

蝉を捕るのも、何だか困ったことと思っていた。が、動物の本能だとしたら仕方がないとも。
今年の変わりよう。
齢が重さんだのかと思うと淋しくなる。

        🍒   その中にかなかなかなと蝉時雨

        🍒   朝蝉や裏面に載るテレビ欄
コメント
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