老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

生身魂

2016-07-21 16:15:17 | 俳句
     
     🐇   手作りのあかざの杖や生身魂
     

          

 
百貨店を冷やかしに行った。
毎日、ここが痛い、あすこが苦しいと言っている。
自分は若くて、老人を見ると「生身魂」などと言い、俳句の対象として詠んでいるが、客観的に見ると、私ももう「生身魂」の部類に属するのではないか。
旅もどうでも良い。ついこの前までは外で美味しい物を訪ね歩いたけれど、これもどうでもよくなっている。
欲が消えかかっている。
猫といるのが一番楽しい。
はてと思い直すと、デパートのウインドーショッピングは行って楽しもうと思う気がする。
ウインドーショッピングまでどうでもよくなれば、私も終わりだな。。。
そんな自問自答をして、三越へ行く。

正面玄関近くに、ソファーを沢山並べた待合所がある。
我が年齢と同じの、前期やら後期やらの高齢者の人達で席が埋まっている。
奥様が買物をしている間、こっくりこっくりとうたた寝をしている人、文庫本を読む格好をしている人、様々に時間をつぶしている。若ぶっているけれど、どなたもそれなりの年齢である。
平和な光景である。
壁に古い三越デパートのポスターが貼られていた。
夫が迎えに来るまでポスターと生身魂の鑑賞。

          

    ☆   生身魂七十と申し達者なり   正岡子規

    ☆   おいぼれにあらず吾こそ生身魂   草間時彦

例句を探していてこの二句。
私は胸を張って「生身魂」と称せる。(自嘲)
そうなんだ、そうなんだ。れきっとした「生身魂」なのだ。
私のことを詠めばいいのだ。。。。。

    🍒   生身魂値札何度も読み返す

    🍒   生身魂無料の団扇に目が光る

    🍒   蘊蓄を傾けてゐる生身魂

面白可笑しく私を傍観すれば、百句でも二百句も作れる。。。アハハオホホ
コメント
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