🌻 バザールや近づけば繭を烹く臭
🌻 遠山や懐かし繭を煮る臭い
サンポートで始まっている、瀬戸内海芸術祭の夏の部。
デパートの帰り、サンポートに設置されているアジアのバザール会場を覗く。
会場に入れば懐かしい臭いが漂っている。
良い臭いではないけれど、昔親しんだ臭いである。
それは、繭を鍋で煮ている臭い。
🌻 糸を引くタイの乙女や黒目がち
🌻 ひまわりのやうな糸引く乙女かな
美しい民族衣装をまとったタイのお嬢さん達が、繭から糸を取り出す作業の準備をしていた。
金色に染めた繭を引くと金色の細い糸が伸びる。長い指でその作業を見せてくれた。それを、機織機にかけると、タイシルクの布に織上がってゆくのだろう。
午后1時30分から、バザールが開くらしく、細かい作業は見ずに帰った。とても残念。
昔、夫がタイに旅行の折り、タイシルクのお土産を買って帰ったことがある。
この金色に光沢を放つ生地であった。
私は普段着の袷の着物の裏に使用をした。
🌻 エキゾチックな絵日傘海の風に舞ふ
🌻 繭玉や幼の日々の甦る
繭とか、蚕の季語には疎かった。
俳句はどこにでも転がっている事を再認識した。
もう一度、見にゆかな。