老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

  秋日和

2017-10-01 10:35:00 | 俳句
    

 香川県の高松市の名木 蚊母樹(イスノキ)。
飯田町の 藤の花の名所 岩田神社の本殿の裏手に堂々と立っている。
高さはおよそ11メートルに近い。
神社の裏手は昼も薄暗く、藤の花を見に訪れても、ここに来ている人は全くいない。
一度 お遍路さんが、幹に手を当てて梢を見上げていた。
白峰寺や根来寺に近い少しだけ遍路道を外れた場所であるから、寄り道をしたのかもと、、思った。

 今時分行くと ひょっとしてひょんの実がついているかも知れない。
ひょんの笛は季語、俳句的に面白いと思える。

 栗林公園にも イスノキ はあるが、どなたも顧りみることはない。
物好きな私が イスノキに虫癭をした虫が出たあとの ひょんの実と呼ばれるそれが無いかと探し見るくらいである。
岩田神社のイスノキにはこのひょんの実のがたまに見つかるらしい。

 未だ一度もひょんの笛の音は聞いたことがない。   

      ☆    ひょんの笛さびしくなれば吹きにけり    安住敦

      ☆    瓢の笛愁ひの胸にこたへけり    小路紫峡

 これらの句から想像をすると淋しい音色なのであろう。
曲などは定まらない。かすかに音がでるのであろうか。

      ☆    瓢の実に未知の音楽詰りゐし    井上芳子

     

 猫と遊んでいる内にふと ひょんの実に想像を馳せた。
猫は目の覚めている限り、私の傍を片時も離れない。
風呂の外で、トイレの外で、用を済ますまで扉の外で待っている。

     🍒    秋日和なだめて切りぬ猫の爪

     🍒    さても猫とかよはす心秋日和

     🍒    子別れの烏か朝から鳴きどをし




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