老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

 今年初めての 鴨

2018-12-10 21:25:53 | 俳句

         

           池の名は「道」先駆けの鴨十羽  

 今年初めての鴨を見た。

池の水は減っていて、鴨は干上がった池の汀で何かを啄んでいた。

この池には、気の毒な記憶がある。

転勤でここの辺りに住んでいた就学前の幼い兄弟が、この池で水遊びをしていて、弟が池に滑り落ちたなを見、それを助けようとしたお兄ちゃんも一緒に溺れて亡くなった。

私が引っ越す前の事である。あれから十数年が経つ。

両親は転勤で屋島に住まなければ、二人の子供を失うような哀しみに陥ることはなかったと悔やんだかも知れぬ。

今日は通りかかると、屋島小学校の下校時らしく、子供が賑やかに通る。

警官が四つ角やこの池の畔も入れると何人も立っている。

子供達に池には近づかないでと注意をしたり、真っ直ぐ帰りなさいと注意を促している。

それで哀しい記憶も想い出したのだった。

 

       

 

         彼は誰ぞ寒の夕焼け背に来たる

屋島の夕焼けは美しい。振り返ると小学校が茜色に染まっていた。

 

 

 

    

 

 

 

 

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     猫 に尽くしてどうなるの?

2018-12-09 16:28:21 | 俳句

       

 

                    ブランデー入りの紅茶に酔ふ小春

 

 いただき物の紅茶があって、それにブランデーをたらして飲むのが最近の日課になった。

馥郁とかおるブランデー、、、、美味しい。どうして今まで気がつかなかったと少し残念と思いつつ午后の一時を過ごす。

 

       

 燦々とお日様が射す窓辺でうとうととしていると、軽い膝だと。

去年のちょうど今頃の 姫ちゃんの写真。

私の膝にいつもいた。

朝、目を覚ました姫の眼をきれいに拭き、片方の鼻をかんでやった。

気持ちが良くなるのを知っていて、私のなすがままにしていた。(過去形)

 

殿と姫の為に買ったような住宅をはらって、マンションに帰ってきた。

夫は今日も、野良猫の為に、餌を持って、あっちの家に行った。

お土産に、ちくわと煮凝りと仏飯。

 

首を長くして待っている猫の為なら、、、、と、せっせとタッパーに食べ物を入れる私。

 

             時雨空野良猫に思ひ馳せにけり

             漂泊をここで打ち止め日向ぼこ 

 

ますます、風生さんが好きになり、中原中也を読む昨今。

そして今の師を再認識する。

 

 

(ブログを休んでいても読んで下さっている方が多くいらっしゃる。有り難うございます。) 

 

   

 

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      無意識

2018-12-06 15:40:51 | 俳句

 気がつけば、トンネルの入り口の源内像が笑っていた。

二人して話に夢中になっていて、古い家まで後二~三百メートルの所まできている。

無意識だった。

昨日も猫ちゃんに餌をやりに行った。

車の音がすると玄関までお出迎えをしてくれた。

今日は、雨が降っているから、餌やりもお休みにしようか?と話あったばかりだった。

それが、私が昼の食事の支度が面倒くさくなって、回転ずしにでも行こうとなった。

食事を終えて、帰りの途についた。。。。が古い家に帰っていたのだった。

今日は餌やりをお休みするなぞとの会話が猫に聞こえたのか?

猫ちゃんに導かれて、古い家に着いた。

ベランダの窓に背伸びをして三匹の猫が待っていた。

御免ね。お腹空いてた?と急いでカリカリをやる。

昨日は鯖の煮つけの残りが煮凝りになっていたのを持って行った。

一番、齢よりの黒べえがそれに飛びついて独り占めをして食べた。

今日はカリカリしかない。それを三匹が仲良く食べた。

食べ終わると、部屋に入ってはきたが、なぜかよそよそしく直ぐに外に出ていった。

    

不思議な猫と私達の関係。

ずーと続けるのが私達の役目だとは思っているけれど、時には今日のような事もあるだろう。

 

             バレーリーナーのやう翅青き雪蛍

 

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冬の霧

2018-12-04 12:43:07 | 俳句

 今朝の我が家周辺の霧。

午前8時になっても、このような感じである。

  

 雨が降っているのではない。霧が降っているのだ。

路面が濡れている。

車はテールランプを点して走行をしている。

通勤の時間帯である。市内のどこでもこのような景色であろうと想像ができる。

    

北側の窓から見る屋島はすべて霧の中。

点けっぱなしのラジオが

「今朝の備讃瀬戸には霧注意報が出ています。視界は2000メートルとなっていますから、航海中の船は注意を掃って下さい」

と言っている。

志度にいると、真っ先に目が覚めて見る窓からの景色を想う。

小豆島も市役所も坂道もすべて霧の中であろう。

 

     ⛄     足早に遍路降り来し冬の霧    

     

 

 

 

 

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あたたかき十二月なり、、、、、

2018-12-02 11:46:15 | 俳句

     

 暖かい。天気予報は夕方から崩れて雨になるとの予報だが。

狭いマンションの、一番暖かい席に夫のマサージ機が鎮座をしている。

これからは、私も使う回数が増えるこただろう。

 

日常が戻りつつある。

ベランダに洗濯を干した。

このような燦々と降り注ぐお日様を利用しない手はないだろう。

乾燥まで洗濯機に任せていたが、私の心に棲み付いている勿体ないお化けが出てきた。

昨日はミシンを使った。

雑巾を縫った。

それが当たり前の主婦の当たり前の日常であると気がつく。

リメイクもパッチワークも未だ、やる気が起らない。しかし、お裁縫虫の出番ももうすぐだ。

 

            あたたかき十二月なりひまにも馴れ    風生

 風生さんが、逓信次官を辞し官界から退き、役所勤めの激務から解放をされて半年が経った時季の句だそうだ。

嘘のように暇で暖かい日ざしに満ちている実感を詠んだ句だ。

  やっぱり多くいる俳人の中でも「風生さん」が一番好きだ。

 

 

           冬の朝未だき遍路の鈴聞こゆ

 マンションは屋島寺への遍路道に近い。

未だ夜も明けていないのに、お遍路さんの鈴が聞こえた。

 

 

 

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