今月初めより、アジア太平洋経済協力会合APEC出席を初め、アジア圏他を歴訪中の安倍内閣総理大臣が、明日帰国される予定である。
ここで俄かに声高に聞こえて来たのが、衆議院解散総選挙の年内実施の見通しだ。最新の予想では、今週中にも解散、12/2(火)公示、同14(日)投開票
との日程になりそう。国会審議中の多くの法案が廃案となる事が見込まれ、これまで法案成立の度合いの高さが実績の安倍政権だけに、此度の選挙
実施は大義があるのか、疑問符のつく所。来年以降は、条件付きながら集団的自衛権の行使容認や、こちらも予定通りなら、消費税10%への再上方改定
などが見込まれ、国政選挙を闘い難くなる状況が生じる事から、今年末の前倒し実施となった様だ。野党各党は「大義なき解散総選挙」など揶揄して
いる様だが、それならば一昨年末の、民主党政権初の消費税上方改定決定時の衆院解散だって、大した大義はなかったはずだ。確かに国会議員の定数
削減など未実行の項目があり、此度の解散総選挙は初め否定されていた事の翻意があるにせよ、民主党最後の野田前政権などは「霞が関官僚勢力の好
感しない事は何も実行せず」との悪しきレッテルを貼られていた。それらを払拭する努力もしないで、安倍現政権や現与党側を批判も揶揄もする資格
はないだろう。
今日は、再びで恐縮だが、当地元紙 C新聞に載った、社会学者 浜 矩子さんのご見解を引用しながら見て参る事にしたい。
『にわか選挙シーズンを控えて』
突如として選挙のシーズンになってしまった。「解散は全く考えておりません」内閣総理大臣がそんなこと言っていた。その姿をTVで観た気がする。
つい数日前のことだった。
それはともかく、実際に選挙だとなれば、有権者は気合を入れて臨まなければならない。いかに大義名分がなかろうと。いかに党利党略オンリーであ
ろうと。いかに臆病者の開き直りであろうと。選挙はやっぱり選挙だ。相手がいい加減でも、有権者側は圧倒的な真摯さと賢さをもって、彼らのいい
加減さに鉄槌を下す必要がある。
そこで気を引き締めるべく、選挙に関する先人たちの言葉にインスピレーションを求めることにした。歴史上の偉人、賢人たちは、選挙というものに
ついてどのような見解を披露してきたのだろうか。
あれこれ調査する中で、まずは、かのスターリン大先生(旧ソ連元書記長。故人)の次のお言葉が目に留まった。「選挙結果を決めるのは、票を投じる
人々ではない。票を数える人々だ」。
うーむ、さすがに日本の民主主義はここまで崩壊していないと思いたい。そう信じていいだろう。
社会主義国つながりで、小平さん(往年の中国大陸共産党最高幹部。故人)に行こう。御大いわく。「米合衆国は、自国の政治制度をたらに自慢する
。だが、彼らの大統領は選挙期間中と就任時と中間選挙時と退任時で、まるで言うことが違っている」。なるほどね。国会解散直前に、国会解散を考
えていないというのも、この類かな。
選挙時に何をいうかという点については、ゴア・ビダールさんの警句が貴重だ。「言葉は人を惑わせる。そのおかげで、彼らは選挙時に大まじめで自
分たちの利害に反する投票行動をとってしまう」。同氏は、20世紀米合衆国の知性を代表する論客の一人だ。小説家であり、随筆家であり、脚本家だっ
た。自ら、米民主党から政界に打って出たこともある。こういう人がいた時代の同国には、救いがあったといえるだろう。
政治家の甘言にご用心、という観点からは、もう一人の劇作家の教えにも、重々耳を傾けておく必要がある。その人はエウリピデスだ。古代ギリシァ
の大悲劇作家である。そのご発言は次の通り。
「言葉は甘く、心は邪悪な者に大衆が丸め込まれてしまうと、国家は大惨事に見舞われる」。その通りだ。言葉は本当に危険物だ。例えば「何とかノ
ミクス」とか。「輝き」とか。「創生」とか。
同じ古代ギリシャの劇作家でも、喜劇専門の人は、また一味違ったアプローチで物を言う。その人はアリストファーネスだ。いわく「人々の心をつか
みたきゃ、彼らの腹を喜ばせるおつまみをつくってやればいいのさ」。そうか、だから、まず株を上げたりするわけだ。円安も、ある時点までは人気
のおつまみだったな。最近になって、財界なども、さすがにその毒性に気がついてきた。
有権者のハートをわしづかみにするテクニックについては、次のアドバイスがさすがだ。「偉大なことができないなら、ちっちゃなことを偉そうにや
れ」。発言者は、ナポレオン(1世)である。
最後の一言は、やはりこの方にお願いするほかはない。その人は、オットー・フォン・ビスマルク(19世紀プロイセン帝国の首相)。伝説的政治手腕の
持ち主だ。いわく「人々が最もウソをつくのは、狩りの後、戦時中、そして選挙の直前だ」。ふむふむ。了解!
浜先生、多くの名言のご紹介を有難うございます。今回の記事とこ見解は、政権与党は元より、野党各党にとっても耳の痛い所が一つ位はあるだろう。
同様に、情宣の上手さは、中東で不気味に台頭している過激宗教組織 イスラム国やアジア圏で危険な動きを見せるタリバーン運動、それに最近でも
摘発例のある我国の極左勢力 中核派などにも共通している様だ。国民市民各位、大義なき選挙だからと言って、ゆめ棄権などは考えるべきでない
し、難しいのは分っているが、投票行動には、是非ご自身の信念に基づいた判断をして頂きたい。近年は、やむを得ない事情により本来投票日に出ら
れない場合に対応した、期日前投票制度も拡充されて来ているので、是非活用を願いたいものだ。
今回画像は、先週末 岐阜の悪友と出かけた長野県木曽町の紅葉の様子。JRの紅葉臨時列車も出て大いに賑わっていたが、画像の2階建て列車は、残念
ながら今年中の引退が決まってしまった。民営化したJR社にとり、利益や効率が無視できないのは分るが、一方で乗客や愛好者を喜ばせるアミューズ
メント性が軽視されて良いのか、長い目で見ると疑問が残る所です。 (P.S)次回は11/24(月)以降に掲載予定です。
ここで俄かに声高に聞こえて来たのが、衆議院解散総選挙の年内実施の見通しだ。最新の予想では、今週中にも解散、12/2(火)公示、同14(日)投開票
との日程になりそう。国会審議中の多くの法案が廃案となる事が見込まれ、これまで法案成立の度合いの高さが実績の安倍政権だけに、此度の選挙
実施は大義があるのか、疑問符のつく所。来年以降は、条件付きながら集団的自衛権の行使容認や、こちらも予定通りなら、消費税10%への再上方改定
などが見込まれ、国政選挙を闘い難くなる状況が生じる事から、今年末の前倒し実施となった様だ。野党各党は「大義なき解散総選挙」など揶揄して
いる様だが、それならば一昨年末の、民主党政権初の消費税上方改定決定時の衆院解散だって、大した大義はなかったはずだ。確かに国会議員の定数
削減など未実行の項目があり、此度の解散総選挙は初め否定されていた事の翻意があるにせよ、民主党最後の野田前政権などは「霞が関官僚勢力の好
感しない事は何も実行せず」との悪しきレッテルを貼られていた。それらを払拭する努力もしないで、安倍現政権や現与党側を批判も揶揄もする資格
はないだろう。
今日は、再びで恐縮だが、当地元紙 C新聞に載った、社会学者 浜 矩子さんのご見解を引用しながら見て参る事にしたい。
『にわか選挙シーズンを控えて』
突如として選挙のシーズンになってしまった。「解散は全く考えておりません」内閣総理大臣がそんなこと言っていた。その姿をTVで観た気がする。
つい数日前のことだった。
それはともかく、実際に選挙だとなれば、有権者は気合を入れて臨まなければならない。いかに大義名分がなかろうと。いかに党利党略オンリーであ
ろうと。いかに臆病者の開き直りであろうと。選挙はやっぱり選挙だ。相手がいい加減でも、有権者側は圧倒的な真摯さと賢さをもって、彼らのいい
加減さに鉄槌を下す必要がある。
そこで気を引き締めるべく、選挙に関する先人たちの言葉にインスピレーションを求めることにした。歴史上の偉人、賢人たちは、選挙というものに
ついてどのような見解を披露してきたのだろうか。
あれこれ調査する中で、まずは、かのスターリン大先生(旧ソ連元書記長。故人)の次のお言葉が目に留まった。「選挙結果を決めるのは、票を投じる
人々ではない。票を数える人々だ」。
うーむ、さすがに日本の民主主義はここまで崩壊していないと思いたい。そう信じていいだろう。
社会主義国つながりで、小平さん(往年の中国大陸共産党最高幹部。故人)に行こう。御大いわく。「米合衆国は、自国の政治制度をたらに自慢する
。だが、彼らの大統領は選挙期間中と就任時と中間選挙時と退任時で、まるで言うことが違っている」。なるほどね。国会解散直前に、国会解散を考
えていないというのも、この類かな。
選挙時に何をいうかという点については、ゴア・ビダールさんの警句が貴重だ。「言葉は人を惑わせる。そのおかげで、彼らは選挙時に大まじめで自
分たちの利害に反する投票行動をとってしまう」。同氏は、20世紀米合衆国の知性を代表する論客の一人だ。小説家であり、随筆家であり、脚本家だっ
た。自ら、米民主党から政界に打って出たこともある。こういう人がいた時代の同国には、救いがあったといえるだろう。
政治家の甘言にご用心、という観点からは、もう一人の劇作家の教えにも、重々耳を傾けておく必要がある。その人はエウリピデスだ。古代ギリシァ
の大悲劇作家である。そのご発言は次の通り。
「言葉は甘く、心は邪悪な者に大衆が丸め込まれてしまうと、国家は大惨事に見舞われる」。その通りだ。言葉は本当に危険物だ。例えば「何とかノ
ミクス」とか。「輝き」とか。「創生」とか。
同じ古代ギリシャの劇作家でも、喜劇専門の人は、また一味違ったアプローチで物を言う。その人はアリストファーネスだ。いわく「人々の心をつか
みたきゃ、彼らの腹を喜ばせるおつまみをつくってやればいいのさ」。そうか、だから、まず株を上げたりするわけだ。円安も、ある時点までは人気
のおつまみだったな。最近になって、財界なども、さすがにその毒性に気がついてきた。
有権者のハートをわしづかみにするテクニックについては、次のアドバイスがさすがだ。「偉大なことができないなら、ちっちゃなことを偉そうにや
れ」。発言者は、ナポレオン(1世)である。
最後の一言は、やはりこの方にお願いするほかはない。その人は、オットー・フォン・ビスマルク(19世紀プロイセン帝国の首相)。伝説的政治手腕の
持ち主だ。いわく「人々が最もウソをつくのは、狩りの後、戦時中、そして選挙の直前だ」。ふむふむ。了解!
浜先生、多くの名言のご紹介を有難うございます。今回の記事とこ見解は、政権与党は元より、野党各党にとっても耳の痛い所が一つ位はあるだろう。
同様に、情宣の上手さは、中東で不気味に台頭している過激宗教組織 イスラム国やアジア圏で危険な動きを見せるタリバーン運動、それに最近でも
摘発例のある我国の極左勢力 中核派などにも共通している様だ。国民市民各位、大義なき選挙だからと言って、ゆめ棄権などは考えるべきでない
し、難しいのは分っているが、投票行動には、是非ご自身の信念に基づいた判断をして頂きたい。近年は、やむを得ない事情により本来投票日に出ら
れない場合に対応した、期日前投票制度も拡充されて来ているので、是非活用を願いたいものだ。
今回画像は、先週末 岐阜の悪友と出かけた長野県木曽町の紅葉の様子。JRの紅葉臨時列車も出て大いに賑わっていたが、画像の2階建て列車は、残念
ながら今年中の引退が決まってしまった。民営化したJR社にとり、利益や効率が無視できないのは分るが、一方で乗客や愛好者を喜ばせるアミューズ
メント性が軽視されて良いのか、長い目で見ると疑問が残る所です。 (P.S)次回は11/24(月)以降に掲載予定です。