Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

パリ市大攻撃事件回顧

2015-11-21 13:07:58 | 国際・政治
先週末、フランス国の首都 パリ市を襲った大規模同時攻撃事件の衝撃が今も続いている様だ。週末の夜間、同市内の人々が集まり易い劇場やスポーツ競技場、人気飲食店などが集中して標的とされ、犠牲は分っているだけで130人に上る様だ。改めて犠牲各位への弔意と、人的被害に遭った方々へのお見舞いを表したい。その上で、この戦争に近い事件を俺なりに振り返ってみたいと思う。

2001=平成13年9月に合衆国NYを襲った同時多発攻撃事件でもそうだったが、こうした所謂大規模無差別テロ行動は、決して許容されるべきではないと言う事だ。今回も、犠牲となったパリ市一般市民の方々は、国際紛争とは直に関係のない無辜の方々だった。そうした所に一方的に暴力が振るわれた事実には、我々日本人も強い憤りを表すべき。その上で、フランス国は多くの植民地を支配した旧列強の一角であり、攻撃を実行した武装組織 イスラム国ISの一連の攻撃の背後には、植民地支配の負の所も根強くある事をも留意すへきなのだろう。

今回の事件の背景には、前世紀末の1990年代、合衆国が行ったイラク戦争の失敗の影響が色濃くあるとの指摘もある。前世紀半ばの先の大戦、大東亜戦争こと太平洋戦争の終結後、我国を数年に亘り統治した連合国進駐軍GHQの成功体験があった為に、合衆国当局者達は中東イラクにても同様に上手く行くと思い込んでいた所が外れてしまい、今日の混乱を招いたと言う見方。本当に「当たらずと言えども遠からじ」の感がするのも事実だ。
対するイスラム国IS。軍事、行政の中枢は、旧イラク・フセイン政権の官僚と職業軍人勢力が強いとされ、その実績と影響力が、占領している中東地域の統治力にも繋がっている様だ。ゲリラ戦、ネットを使った情報戦にも長け、フランス国内や、隣接するベルギー王国内にも活動拠点を設けていた事は、先日の銃撃戦を伴う捜査活動でも明らかになった。しかし・・・。

アル・カーイダやISなど、国際イスラム武装勢力の主な人員が、我国の戦国期から先の大戦までの戦のあり様を研究しているらしいと言う話を聞いた事がある。あくまで風聞だが。特に、大戦中の特攻作戦の下りは、イスラム武装勢力の戦闘員教育にも用いられた節がある様だ。勿論これは、戦中の我国のあり様を全て正当化する訳ではないが、こんな形で我国戦史が武装勢力に利用されているのが事実なら、複雑な思いに駆られる所もありだ。

その一方で、合衆国もISも、歴史と謙虚に向き合い、適正に学ぶ姿勢に大きく欠ける印象が付き纏うのも事実。後者は特に、本来は平和の為の教義であるはずのイスラム教を軍事利用しているのも大変遺憾だ。ある見解は「武装勢力の連中は、イスラム教と多くの敬虔な信者を人質に、暴力を振るい続けている」所を表していた。正にその通りであり、我々日本人も、イスラム教自体に真摯な一般信者の方々と、それを悪用してテロ活動へと暴走する危険勢力とは、くれぐれも峻別して対応しなければならない。それが見識と言うものであろう。

後、フランス国の二面性も直視しなければなるまい。自由と博愛を尊ぶ国民性と言われれば聞こえは良い。例えば、今回事件のある犠牲者遺族の方は「犯人達を憎みはしないが、負けを認めるべき。単純な報復は、無知に屈した事になる」意の見解を表されたと言われる。その崇高さは勿論尊重されるべきだが、同時に同国は欧州の軍事大国。多くの武器輸出や原発技術の対外供与で莫大な国富を築き、他国民多数の命と引き換えに高い福祉水準を実現しているのだ。地域や住民により大きな格差もありはするが。実際「報復の空虚」を表す一方で、中東のIS拠点空爆などはしっかり続けている。やむを得ないのは分るが、同時にこれまで緩すぎた、EU国家間の人の移動や武器流通などの監理を強化するなど、他に対応すべき事が多くあるのも事実だろう。二面性が現実にある以上、我々日本人も、そう言うものとして冷静に受け止める必要があろう。ついでに申せば、この二面性を、我国の主要報道メディアは事実が分っているのに進んで我々に伝えようとはしない。こうだから「偏向」と揶揄されるのだ。

ここらで我国内も見て参ろうか。イスラム国ISは、既に我国も攻撃対象になり得る事に言及、既に中東地域に入った日本人複数に犠牲を生じている。今回のパリ市の事件の様な事共と無関係でいられるとは思えない。来年中盤には、早くも先進国首脳会議 伊勢志摩サミットが控えるし、2020=平成32年の東京五輪へ向け、複数の国際イベントが催される。我国では、欧州程には銃火器が出回る心配は少ないが、爆発物の材料は入手できる様なので注意が必要だ。パリ市の事件にては、大勢が集まる割には警備の手薄な劇場、競技場、飲食店などの「ソフト・ターゲット」と呼ばれる所が集中して狙われた。これは我国の都市部にも同様の懸念があろう。加えて警戒すべきが、新幹線や地下鉄などの公共交通、それに我国都市部で発達を見る地下街だろう。慣れなければ避難の難しいこうした所も、テロ勢力は重点的に狙って来ると想像される。他人事と思わず今回の事件を良く振り返り、我国社会のこれからの安全を考える糧にしなければと愚考している所である。勿論根底にあるべきは「自らは、自らで守る」強い意思だろうが。

今回画像は、この正月に捉えた当地の象徴 TV塔の夜景。首都圏の東京タワー、東京スカイツリーの2箇所では、事件を悼み、エッフェル塔と同様の三色旗の電飾が掲げられた様ですね。攻撃を行った方と仕掛けられた方、どちらにも安易に与してはならない一方で、我国は暴力と無関係などとするお花畑思考に堕してもいけない所に難しさがある様です。
P.S 次回は11/28(土)以降に掲載予定です。
コメント (2)
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