北海道で大地震が発生し、ブラックアウト(電源喪失)という事態に陥ってしまいましたが、昨今の情報で何とか復帰したとのこと。
電気のありがたみをつくづく感じる次第であります。
さて、このブラックアウトという言葉。
超久しぶりに聞いたので、懐かしさもあり知ってる限りを書いてみます。
船舶においてもブラックアウトという非常事態が発生することがあります。
停泊中でメインエンジンが停止してる場合は、照明が消え運転中の電動機が停止するだけで、事故が拡大したり破損を生じるような事態は発生しないので復旧は比較的早期である。
しかし航海中の場合は、各機器それぞれ緊急事態に陥る。
まずメインエンジン。
通常の遠隔、自動運転がブラックアウトで主潤滑油ポンプ、ターボチャージャー潤滑油ポンプが停止するため緊急停止する。
操舵機油圧ポンプを含め、すべての電動機は停止する。
照明系はDC24V系の非常灯へ自動的にONとなり、所定個所の照明が確保される。
モニタは機能が喪失し、赤ランプのフリッカーブザーが鳴りっぱなし。
ボイラは蒸気を供給し続けるので、水位が上昇していく。
ブラックアウトの原因としては、発電機が単独運転されている場合ACBがトリップ、または発電機のエンジントラブルが考えられる。
電源復旧後でも、ブラックアウトで流体は流れなくなるが、蒸気の流入は停止しないので加熱される各種ヒーターの温度上昇に注意。
自動発停機器(エアコンプレッサー、清水ポンプ、サニタリーポンプなど)の復旧状況の点検。
メインエンジン再起動の準備、始動後の前後進の試運転、正常運転状態へ復旧。
警報、運転表示灯などの再確認。
復旧完了後ブラックアウトの原因探求。
などなど諸問題があるわけね。
北海道電力の場合は、大出力発電所が震災のため運転停止に陥り、それにつられてトラブルを避けるために小出力発電所が自己保護のために緊急停止したと聞く。
なるほどそれも正解だね。
電気は24時間フルに供給される運命なので、そのありがたみは当然承知してます。
天災続きの日本。
平成から次の年号へ変われば、また変わるのかな。
いや変わって欲しいと思うのであります。