ビールをグラスに注ぐと必ず泡がでる。
出ると、どうしたって泡に目が行く。
グラスの中に泡が立ち昇っていく光景はこれまで何千回、何万回と見ているはずで、珍しいわけでも何でもないのだが。
それでも黙ってそれをじっと見つめているひとときがある。
確かめて、少しでも泡が立ち昇っているとそれで安心する。
陶器のジョッキとか銅製のジョッキや錫製のジョッキをときどき見かけるが、そのたぐいのジョッキはいけません。
泡の様子を見ようと思っても中が見えない。
やっぱりガラスのジョッキでビールを飲みながら、常に中の様子を知りたい。
ガラスのジョッキで飲んでいても、少しづつ泡が減っていくのは寂しい。
ビールは泡と共に飲んでこそおいしい。
鉄は熱いうちに打て。
ビールは泡のあるうちに飲め。
ところがいるんですね、ビールの泡に何の関心もない人が。
グラスに注がずに缶に直接口をつけて飲む人
小瓶をラッパ飲みする人。
こういう飲み方をする人は、一度もビールの泡を見たことがないことになる。
個人的なことで恐縮ですが、缶ビールを飲むときも缶から直ではなく、グラスに移してから飲むようにしている。
だって泡あってこそのビールですからね。