美保関町惣津
美保関町笠浦
蒼い海でした。
食事の基本はご飯である。
毎食うどんやラーメンでもいい、という人もいるかもしれないが、最後はご飯に尽きると思う。
昭和30年代前半生まれは、戦後の影響をまだ引きずっている時代で、今とは食べていた献立が違う。
当時は煮ものだとかイワシの丸干しだとか、純和風の食べ物ばかりだった。
「おやつ」というと、昆布やふかし芋を口の中に放り込まれ、いつまでもしゃぶっていた。
ところが世代が変わるとそうではない。
子供のころから和食一辺倒の食生活を送っていないから、自分たちとはずいぶん日常の食べ物が違っている。
「ご飯がなくても生きていけますよ」、という人が結構いる。
ファーストフードのハンバーガーさえあれば、生きていけるとさえ言い切るのだ。
ご飯をいちいち噛むのが面倒くさいから、スパゲティを毎日食べている人もいる。
それどころか朝食が清涼飲料とケーキだという人までいて、腰を抜かさんばかりにびっくりしたこともある。
こういう人たちと比べれば、自分は土着の日本人だなぁ、と思う。
ハンバーガーや洋食だけの毎日なんて信じられない。
あのホカホカした白いご飯の素晴らしさ。
シンプルな極みである。
美味しそうに炊き上がったご飯は、美しい白銀の輝きだ。
「銀シャリ」といわれる意味がよくわかる。
ご飯を食べていると力が湧いてくる。
嬉しいときにはご飯を何杯もおかわりできるし、悲しいときはご飯を噛んでいると「いつまで悲しがっていてもしょうがないか」
という気分になってくる。
物事がうまくいかないとき、気分がすぐれないとき、物事にけじめをつけたくなったときに食べたくなるのは…
パンでもパスタでもなく、やっぱりご飯なのだ。