猫は猫舌である。
日本人なら誰もが知っている事実である。
猫の舌とは書くが、猫の舌という意味ではない。
舌が熱に感じやすく、熱い食べ物を冷ましてからでないと飲み食いできない人のこと。
動物は自分で煮炊きができないから犬の舌も猫舌、馬の舌も猫舌、牛の舌は牛タンといってとても美味しいがやはり猫舌。
動物の舌という舌は全て猫舌である。
日本人は猫舌の反対の人、すなわち熱いモノ好きの人が圧倒的に多いのではないだろうか。
灼熱地獄の炎天下、ラーメンを食べに行って丼のフチに恐る恐る唇を近づけていって、一口すすったらこれがぬるかった。
というときの怒り、嘆きの激しさは日本人ならではのものがある
鍋焼きうどんもそう
煮えたぎってフタがカタカタいって冷めようがない状態なのに「お熱いうちにどうぞ」と勧められる。
この状態では当分口に入れるのは不可能なのに「一刻も早く」と箸をかまえて息を弾ませる。
日本人、おかしいぞ。
熱いモノを食べられない人々には猫舌という正式な呼称があるが、熱いモノが好きな人にはそれがなく、ただ「熱いのが好きな人」で済ませている。