Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

インスリン

2006-03-11 | 想い・雑感
 人間の血液中の血糖値は、正常では一定の範囲内にコントロールされています。コントロールする中で、血糖を下げる作用をするのはインスリンというホルモンです。血糖を上げる作用のあるホルモンはいくつかあるのに、下げるホルモンはインスリンの一つだけです。これは、生命の長い歴史の中で、食料が不足する事態の方がほとんどであり、現代のように食べ過ぎることが極めてまれな事態であるため、血糖を上げる必要性の方が高かったためとも言われています。

 糖尿病は、血糖を下げるために必要なインスリンが、量的あるいは機能的に足りない状態です。逆にインスリンをたくさん出す腫瘍が出来たりすると、必要以上にインスリンがあるため血糖が下がりすぎる(低血糖)ことになります。

 糖尿病治療に置いて、インスリン注射が必要になることがあります。この場合は、インスリンの必要量を厳密に推定して、注射量や回数を決めなければなりません。多すぎると低血糖から、死に至ることもあります。

 インスリンが低血糖を引き起こす作用を利用した殺人未遂事件があったとのこと。他の薬と同様、インスリンも両刃の剣。危害を及ぼす面を利用して、人を死に至らしめようとするとは、怖いことを考えますね。

 自然災害や病気も怖いですが、生きていて一番怖いのは、人間自身かもしれません。