電気を使用するエアコンが普及するまでは、毎年冬になると暖房器具による一酸化炭素中毒死が報じられていた。現在ナショナルが警告しているファンヒーターも、一酸化炭素中毒の危険があるから、回収検査を呼びかけている。
赤血球中のヘモグロビン(Hb)は、肺で受け取った酸素を、体の隅々まで運んでくれる。一酸化炭素は、そのヘモグロビンと酸素より220倍以上の強さで結合してしまう(HbCO)ので、一酸化炭素が結合したヘモグロビンを持つ赤血球は、もはや酸素を運べなくなってしまう。そう、一酸化炭素中毒は全身を低酸素状態にしてしまうのだ。
血中HbCO濃度が30‐50%では激しい頭痛、嘔気嘔吐、視力障害などが出現し、気がついたときには立ち上がれず動けなくなってしまう。その後動けないまま苦しみ、けいれんを起こし、60%を超えると死に至るといわれている。
インターネットが一般化した頃から、ネットで知り合い集団自殺というニュースを時々見かけるようになった。何かに悩み苦しみ自殺を選んだというふうではなく、孤独感からか、連帯感を求めてか知らないが何となく死んでいくという印象。どうしたら、そこまで自分の命を軽く考えられるのか理解不能。そしてそこに出てくるのが練炭。不完全燃焼から十分一酸化炭素を出してくれる。
知らないもの同士が練炭を囲み、何となく一緒に何かをやっている気になっている。ひょっとしたら生の充実を感じているのかもしれない。そのうちに、頭痛や吐き気がおそってくる。血液中のHbCO濃度はさらに上がっていく。だれもまだやめようとは言わない。ますます頭痛も強く気分も悪くなってくるのでやっぱりやめようと思うものもいるだろう。でもそのときにはもう体が動かない。親を思い、友を思い、恋人を思い、そこへ戻りたいと考えても、もう引き返せない。Point of no returnは越えてしまった。
現場を想像すると、こんなところだろうか。そこには、やはり思索も哲学も感じられない。
赤血球中のヘモグロビン(Hb)は、肺で受け取った酸素を、体の隅々まで運んでくれる。一酸化炭素は、そのヘモグロビンと酸素より220倍以上の強さで結合してしまう(HbCO)ので、一酸化炭素が結合したヘモグロビンを持つ赤血球は、もはや酸素を運べなくなってしまう。そう、一酸化炭素中毒は全身を低酸素状態にしてしまうのだ。
血中HbCO濃度が30‐50%では激しい頭痛、嘔気嘔吐、視力障害などが出現し、気がついたときには立ち上がれず動けなくなってしまう。その後動けないまま苦しみ、けいれんを起こし、60%を超えると死に至るといわれている。
インターネットが一般化した頃から、ネットで知り合い集団自殺というニュースを時々見かけるようになった。何かに悩み苦しみ自殺を選んだというふうではなく、孤独感からか、連帯感を求めてか知らないが何となく死んでいくという印象。どうしたら、そこまで自分の命を軽く考えられるのか理解不能。そしてそこに出てくるのが練炭。不完全燃焼から十分一酸化炭素を出してくれる。
知らないもの同士が練炭を囲み、何となく一緒に何かをやっている気になっている。ひょっとしたら生の充実を感じているのかもしれない。そのうちに、頭痛や吐き気がおそってくる。血液中のHbCO濃度はさらに上がっていく。だれもまだやめようとは言わない。ますます頭痛も強く気分も悪くなってくるのでやっぱりやめようと思うものもいるだろう。でもそのときにはもう体が動かない。親を思い、友を思い、恋人を思い、そこへ戻りたいと考えても、もう引き返せない。Point of no returnは越えてしまった。
現場を想像すると、こんなところだろうか。そこには、やはり思索も哲学も感じられない。