結城章夫・前文部科学事務次官が学長選考に名乗りをあげた山形大学で、7月25日の学内意向投票を前に、結城氏の天下り的学長就任阻止を目指して、結城氏を除く3人の学内候補が候補者の一本化を決めた。意向投票で結城氏を大差でおさえ、学長選考会議の結城氏候補指名を難しくしようとする作戦である。
山形大学の知人から聞いたところでは、農学部の中島勇喜、理学部の加藤静吾、工学部の小山清人の3候補適任者が24日までに協定を結び、小山氏に投票を一本化するよう大学有権者に呼びかけた。
この一本化によって、結城・前文部科学事務次官が学内意向投票で1位になる可能性はこれまでより小さくなった。
意向投票の結果は、学内の猛反対によって一転、公表されることになった。もし学長選考会議が意向投票2位におわった結城氏を学長候補として決定した場合には、滋賀医科大学、新潟大学の場合のように、学長選考をめぐる訴訟になる可能性もあろう。
山形大学の場合、天下り規制で大騒ぎのさなかに、前文部科学事務次官が国立立大学法人の天下り学長になるというきわめてデリケートな要素がある。また、前文部科学事務次官を山形大学学長に任命することになるのは文部科学大臣である。参院選で敗北する予定の自民党への追及の手を緩めない野党にとって格好の攻撃材料になろう。ひときわ話題性にとんだ裁判、政治劇が展開することになるだろう。
また、山形大学の学長選考会議のメンバーである山形新聞編集局長が、山形大学教員が執筆した同紙7月21日付夕刊連載コラム「思考の現場から」の文章中、結城氏の学長選出馬と天下りに触れた部分にいちゃもんをつけたという記事「山大職組情報号外発行『特別寄稿―山形新聞掲載記事に関して』」が、山形大学教職員組合のホームページに載っている。学長選考会議の信頼性に疑惑の影をおとす状況証拠の一つである。
(2007.7.24 花崎泰雄)
山形大学の知人から聞いたところでは、農学部の中島勇喜、理学部の加藤静吾、工学部の小山清人の3候補適任者が24日までに協定を結び、小山氏に投票を一本化するよう大学有権者に呼びかけた。
この一本化によって、結城・前文部科学事務次官が学内意向投票で1位になる可能性はこれまでより小さくなった。
意向投票の結果は、学内の猛反対によって一転、公表されることになった。もし学長選考会議が意向投票2位におわった結城氏を学長候補として決定した場合には、滋賀医科大学、新潟大学の場合のように、学長選考をめぐる訴訟になる可能性もあろう。
山形大学の場合、天下り規制で大騒ぎのさなかに、前文部科学事務次官が国立立大学法人の天下り学長になるというきわめてデリケートな要素がある。また、前文部科学事務次官を山形大学学長に任命することになるのは文部科学大臣である。参院選で敗北する予定の自民党への追及の手を緩めない野党にとって格好の攻撃材料になろう。ひときわ話題性にとんだ裁判、政治劇が展開することになるだろう。
また、山形大学の学長選考会議のメンバーである山形新聞編集局長が、山形大学教員が執筆した同紙7月21日付夕刊連載コラム「思考の現場から」の文章中、結城氏の学長選出馬と天下りに触れた部分にいちゃもんをつけたという記事「山大職組情報号外発行『特別寄稿―山形新聞掲載記事に関して』」が、山形大学教職員組合のホームページに載っている。学長選考会議の信頼性に疑惑の影をおとす状況証拠の一つである。
(2007.7.24 花崎泰雄)