横浜市の市長が辞職すると言い出した。どうも本気らしい。市議会議長に辞表を出したそうです。44歳、俗に言う働き盛りの男性だ。市長の任期は2010年4月まであと半年以上残っていた。
唐突な辞職表明なので、一瞬、汚職や破廉恥行為がばれそうになったので早めに辞職するのかと、よくあるケースを想像したのだが、そうではないようです。
それでは、宮崎の知事の担ぎ出しに失敗した自民党が、宮崎県知事よりは少しばかり国政参画の経験のある横浜市長を「総裁候補として自民党から総選挙に出馬願いたい」と誘ったのかともかんぐったのですが、それも違うらしい。
市長ご本人が記者会見で8月の総選挙には出ないと断言なさった。
では、市長の職責を放り出して唐突に辞職する理由はなんだろう。家庭に介護を必要とする老人や病人がいて、その世話に専念するための辞職なのだろうか。それも違うらしいのですね。
いまのところ、市長の辞任の真意はよくわかりません。
アメリカでは、先の大統領選挙で共和党の副大統領候補だったペイリン・アラスカ州知事が辞任したばかりだ。ペイリンの辞任は2012年のアメリカ大統領選挙出馬へむけての準備に専念するためだと観測されている。日米で公職投げ出しが流行っています。
横浜市長の辞任も何か似たような大役をねらってのことでしょうか? 総理大臣?
でも、総理大臣の仕事なんて、それほど面白いものではないかもしれませんよ。それが証拠に、安倍、福田の2人が連続して国家行政の長の職務を放り出しています。
今度は地方自治拡大を叫ぶ首長さんの職務放り出しですか。横浜市長の記者会見の一部をNHKニュースで見ていたら、このままでは日本はダメになるので、出来ることは何でもやらなければならない、というようなことをのたもうた。そうか、日本を救うために横浜市長を辞めるのですか。
宮崎県の知事も総理大臣になって日本を救いたいという大望をいだいて、笑いを提供したが、その話も立ち消えになり、いまでは「地方分権を訴えるのが主眼だったが、一連の行動や発言で多大の迷惑や心配をおかけし、深くおわびする」とあやまっているそうだ。だが、ときすでに遅し。コケにされた宮崎の有権者の腹の虫はおさまらないでしょうな。
ところで、衆院の東京12区で立候補を検討していた民主党の小沢一郎も、「私自身が出馬を検討したが、諸般の状況があり、私に代わり必ず勝利できる候補者を探した。全国の選挙情勢を考えた結果だ」と、元秘書だった参議院議員の女性を同選挙区から立候補させることにした、と記者会見で語った。鼻っ柱のオザワさんにしては意気地のない話ですワ。
そのときの記者会見の模様を伝えた新聞の多くが、立候補する選挙区を変更することを「国替え」と書いた。「司々(つかさつかさ)で責任を持って粛々(しゅくしゅく)と進めて欲しい」だとか「選挙で禊(みそぎ)」などという政治表現におけるアナクロニズムがまかり通る永田町で仕事しているうちに、政治記者自身の感覚もそうとう狂ってしまのですね。
「国替」を平凡社世界大百科事典で調べると「江戸時代に行われた大名の配置替えのこと。転封(てんぽう)または移封ともいう。豊臣秀吉のときに始まるが,江戸幕府の初期3代の将軍によって強行された」と書いてありました。現代の民主主義国家における選挙区とは何の関係もない言葉です。
政治家は選挙区を領地だと思っているのだろうね。だから、世襲でもいっこうにおかしくないわけですよ。でも、ジャーナリズムがそんな表現を使ってはいけませんよね。政治をやっている連中も、その動きを伝えている連中も、こんな程度のセンスなんですわ。こまったもんです。
解散をすれど選挙は先の先まのび欠伸の前座あれこれ
大歩危閑散人
(2009.7.28 花崎泰雄)
唐突な辞職表明なので、一瞬、汚職や破廉恥行為がばれそうになったので早めに辞職するのかと、よくあるケースを想像したのだが、そうではないようです。
それでは、宮崎の知事の担ぎ出しに失敗した自民党が、宮崎県知事よりは少しばかり国政参画の経験のある横浜市長を「総裁候補として自民党から総選挙に出馬願いたい」と誘ったのかともかんぐったのですが、それも違うらしい。
市長ご本人が記者会見で8月の総選挙には出ないと断言なさった。
では、市長の職責を放り出して唐突に辞職する理由はなんだろう。家庭に介護を必要とする老人や病人がいて、その世話に専念するための辞職なのだろうか。それも違うらしいのですね。
いまのところ、市長の辞任の真意はよくわかりません。
アメリカでは、先の大統領選挙で共和党の副大統領候補だったペイリン・アラスカ州知事が辞任したばかりだ。ペイリンの辞任は2012年のアメリカ大統領選挙出馬へむけての準備に専念するためだと観測されている。日米で公職投げ出しが流行っています。
横浜市長の辞任も何か似たような大役をねらってのことでしょうか? 総理大臣?
でも、総理大臣の仕事なんて、それほど面白いものではないかもしれませんよ。それが証拠に、安倍、福田の2人が連続して国家行政の長の職務を放り出しています。
今度は地方自治拡大を叫ぶ首長さんの職務放り出しですか。横浜市長の記者会見の一部をNHKニュースで見ていたら、このままでは日本はダメになるので、出来ることは何でもやらなければならない、というようなことをのたもうた。そうか、日本を救うために横浜市長を辞めるのですか。
宮崎県の知事も総理大臣になって日本を救いたいという大望をいだいて、笑いを提供したが、その話も立ち消えになり、いまでは「地方分権を訴えるのが主眼だったが、一連の行動や発言で多大の迷惑や心配をおかけし、深くおわびする」とあやまっているそうだ。だが、ときすでに遅し。コケにされた宮崎の有権者の腹の虫はおさまらないでしょうな。
ところで、衆院の東京12区で立候補を検討していた民主党の小沢一郎も、「私自身が出馬を検討したが、諸般の状況があり、私に代わり必ず勝利できる候補者を探した。全国の選挙情勢を考えた結果だ」と、元秘書だった参議院議員の女性を同選挙区から立候補させることにした、と記者会見で語った。鼻っ柱のオザワさんにしては意気地のない話ですワ。
そのときの記者会見の模様を伝えた新聞の多くが、立候補する選挙区を変更することを「国替え」と書いた。「司々(つかさつかさ)で責任を持って粛々(しゅくしゅく)と進めて欲しい」だとか「選挙で禊(みそぎ)」などという政治表現におけるアナクロニズムがまかり通る永田町で仕事しているうちに、政治記者自身の感覚もそうとう狂ってしまのですね。
「国替」を平凡社世界大百科事典で調べると「江戸時代に行われた大名の配置替えのこと。転封(てんぽう)または移封ともいう。豊臣秀吉のときに始まるが,江戸幕府の初期3代の将軍によって強行された」と書いてありました。現代の民主主義国家における選挙区とは何の関係もない言葉です。
政治家は選挙区を領地だと思っているのだろうね。だから、世襲でもいっこうにおかしくないわけですよ。でも、ジャーナリズムがそんな表現を使ってはいけませんよね。政治をやっている連中も、その動きを伝えている連中も、こんな程度のセンスなんですわ。こまったもんです。
解散をすれど選挙は先の先まのび欠伸の前座あれこれ
大歩危閑散人
(2009.7.28 花崎泰雄)