ひとつ違い。
何かといえば
兄弟喧嘩だ。
男兄弟とはそんなもの。
仲がいい証拠といえた。
子供らしく、
暇さえあれば
友達と遊びまわる兄。
いつも部屋で絵を描き
本を読んでいたわたし。
実に対照的に成長したふたり。
「お前は賢いねんやから、
自分らしい生きたら
ええんやぞ」
ことあるごとに、
そう励ましてくれた。
閉じこもりがちなわたしを
外へ連れ出し、
楽しいことを
一緒にやってくれた兄。
一人前になれたのは
兄のおかげだった。
(ありがとう、
兄ちゃんが困ったときは、
絶対助けたるからな)
頼りになる兄に
甘えてばかりだったが、
心ではいつもそう念じていた。
家を継ぎ家業に励む兄。
外で商売を始めた弟。
やっと対等に
助け合える立場になれたとき、
兄は事故で
わたしの前からいなくなった。
白髪頭の兄弟が酒を酌み交わし、
旅行を楽しむ光景に接すると
居たたまれない。
わたしだって兄と……!
そうだ。天国に行ったら、
やり残した兄弟関係を
全うさせるんだ!
何かといえば
兄弟喧嘩だ。
男兄弟とはそんなもの。
仲がいい証拠といえた。
子供らしく、
暇さえあれば
友達と遊びまわる兄。
いつも部屋で絵を描き
本を読んでいたわたし。
実に対照的に成長したふたり。
「お前は賢いねんやから、
自分らしい生きたら
ええんやぞ」
ことあるごとに、
そう励ましてくれた。
閉じこもりがちなわたしを
外へ連れ出し、
楽しいことを
一緒にやってくれた兄。
一人前になれたのは
兄のおかげだった。
(ありがとう、
兄ちゃんが困ったときは、
絶対助けたるからな)
頼りになる兄に
甘えてばかりだったが、
心ではいつもそう念じていた。
家を継ぎ家業に励む兄。
外で商売を始めた弟。
やっと対等に
助け合える立場になれたとき、
兄は事故で
わたしの前からいなくなった。
白髪頭の兄弟が酒を酌み交わし、
旅行を楽しむ光景に接すると
居たたまれない。
わたしだって兄と……!
そうだ。天国に行ったら、
やり残した兄弟関係を
全うさせるんだ!