季節外れの風景 東北の5月は、田圃はしろかき、田植の風景となる
蝸 牛

“でんでんむし”のことを漢字で表すと「蝸牛」になる。
虫が鍋を背負い、牛の如くのろのろと歩いている。
「鍋」は、重い殻でできていて、その殻のなかには何が入っているのか。
人間誰しも、悩み、苦しみ、不安、病気、葛藤、挫折などの重荷を背負い生きている。
蝸牛の殻のなかには、自分の苦しみだけでなく、
他者の苦しみもいっぱい詰まっているため、
殻が重くなり、歩くのがと~ってもゆっくりになってしまうとか・・・・。
このままでは天敵の鳥に食べられてしまう、と心配になる。
上手くできているもので、蝸牛は鳥が寝ている夜間や鳥が空を飛びにくい雨の日に歩くのだ。
湿気を好み、乾燥に弱く脱水症になってしまう。
蝸牛は老人と同じく、暑さは天敵。そのときは点滴で水分補給をするとか・・・・。
歩き疲れたら、殻は家であり、殻のなかで寝て過ごす。
蝸牛から殻を取ってしまったら、なめくじになってしまう。
外地函館港から船で津軽海峡を渡り、内地(本州のこと)に着き、仙台で暮らし始める。
生まれて初めてなめくじやごきぶりを目にしたときは、驚き桃の樹山椒の樹であった。
小雨降る朝 濡れた小路の上に這いつくばる蝸牛に、
「おはよう」と言葉をかけ、大きな葉の上に乗せてくる。
小さな親切、大きなお節介であったかどうかは、蝸牛に尋ねないとわからない