老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1090;蝸  牛

2019-05-03 15:08:20 | 空蝉
季節外れの風景 東北の5月は、田圃はしろかき、田植の風景となる

蝸  牛

“でんでんむし”のことを漢字で表すと「蝸牛」になる。
虫が鍋を背負い、牛の如くのろのろと歩いている。
「鍋」は、重い殻でできていて、その殻のなかには何が入っているのか。

人間誰しも、悩み、苦しみ、不安、病気、葛藤、挫折などの重荷を背負い生きている。
蝸牛の殻のなかには、自分の苦しみだけでなく、
他者の苦しみもいっぱい詰まっているため、
殻が重くなり、歩くのがと~ってもゆっくりになってしまうとか・・・・。

このままでは天敵の鳥に食べられてしまう、と心配になる。
上手くできているもので、蝸牛は鳥が寝ている夜間や鳥が空を飛びにくい雨の日に歩くのだ。
湿気を好み、乾燥に弱く脱水症になってしまう。
蝸牛は老人と同じく、暑さは天敵。そのときは点滴で水分補給をするとか・・・・。

歩き疲れたら、殻は家であり、殻のなかで寝て過ごす。
蝸牛から殻を取ってしまったら、なめくじになってしまう。
外地函館港から船で津軽海峡を渡り、内地(本州のこと)に着き、仙台で暮らし始める。
生まれて初めてなめくじやごきぶりを目にしたときは、驚き桃の樹山椒の樹であった。


小雨降る朝 濡れた小路の上に這いつくばる蝸牛に、 
「おはよう」と言葉をかけ、大きな葉の上に乗せてくる。
小さな親切、大きなお節介であったかどうかは、蝸牛に尋ねないとわからない


1089;ある日突然・・・・(1)

2019-05-03 09:19:06 | 老いの光影 第5章
5月3日は憲法記念日。僕は、憲法のことよりも“おやつ”が気になる。


ある日突然・・・・

自分の身に 突然不幸が訪れるとは思ってはいない。
交通事故死、末期癌、脳卒中 等々

脳卒中は、脳の血管がトラブルを起こす病気。
漢字というのは、上手く本質を表現している。

漢字からみた脳卒中とは、
「卒」は、突然という意味があり、「中」は、真中を貫く“Ⅰ”は、当たりを意味する。
故に 脳卒中は、脳の病気が突然、当たる。ということになる。

脳の血管が、「破れるか」「詰まる」かである。
血管が「破れる」のは、脳出血とくも膜下出血。
血管が「詰まる」のは、「脳梗塞」。

いま、脳卒中は早期発見、早期治療とリハビリが鍵となる。
1分1秒を争う。早く脳外科の診察を受け、治療とリハビリを実施することで、
麻痺などの障害を最小限かに抑えたり、後遺症が出ずに退院できることもある。

連れ合いがいる高齢者夫婦世帯や子ども夫婦と同居している場合は、
呂律が回らない、頬が引きつる、食事中に箸を落す、足の運びが悪いなどの症状に気がつく。
どこかおかしい、ということで急ぎ脳外科に受診する。

これがひとり暮らしの場合は、そうはいかない。

自分が住む隣りの家は、ひとり暮らしの男性(69才)が暮らしていた。
今年の1月9日、救急車で南陸奥総合病院に搬送された。
脳卒中で入院したことは、1箇月後に知ったのであった。